今晩の宿は鉄道駅の北の丘の上、Flon地区にある。メトロ2号線で1駅なので、スイスパスを使って移動する。案内サインに従ってメトロの駅へ。2両編成であることは予め知っていたが、並んでいる人が多い。降りる人も多いのだろうが結局満員電車だ。1駅だからいいけど。
予約した宿はFlon駅を出てすぐ左だった。入口が通りに面していなくて奥にありちょっととまどう。今日の行程はまだ続くが、チェックインできる時間なのでパスポートと予約確認書をフロント氏に渡すと、意外な答えが。
「トラブルがあって、別の宿に部屋を用意している。パレスというここよりグレードがいいホテルだ。料金は予約と同じでいい。」
「パレスって宮殿だよな」と心でつぶやきながら、「マネージャーが同じなので、話は通っている」と続ける彼の案内に従って屋外のエレベータに乗る。
「5Fで降りたところにあるから」と言われて上がった先はFlon地区の谷の両側を結ぶ歩道橋で、南側の道路の向こうにこんな建物があった。

すし屋もあるらしい、壁にあったメニューはどれもいいお値段だった。ホテル名を確認して入るが、こんな高級な所に泊まったことはない。尻の穴がこそばゆくなる。この後の行程があるからロビーを見回すのは後回しだ。
話は通っていて、元のホテルの予約確認書を出してチェックイン。カードキーを渡された。エレベータの内装も豪華だ。廊下もまさに宮殿のそれでいて落ち着いており、毛足の長いふかふかの絨毯である。(画像はありません)
冷房が入っている宿はもちろん今回初めて(というか泊まるはずもなかった)だが、隣が物置なのかリネン室なのか「staff only」なのは「やっぱりね」感がある。従業員の躾はいいだろうから夜中にバタバタすることは無いだろうが。
さて、身軽になってまずはメトロ2号線の山側の終点へ行く。「最も急勾配のある地下鉄」を全線乗るためである。急勾配以外の印象としては、明かり区間や半地下が意外と多いこと。終点駅Croisettesは完全な地下駅だったが。
Croisettes駅入口の建物

周囲は郊外のイメージである

レマン湖がわずかに見え、高さがわかる

ホームドア付きである

線路終端から見る

駅名標はやはりシンプル

なお、パリのメトロ同様にゴムタイヤ+鉄輪のタイプの車両だった。鉄輪だけでは登れないだろうし、そもそもいくつかの駅は急勾配の途中にある。取って返して湖側の終点Ouchyへ、鉄道駅から先はずっと半地下でOuchyは地上駅と言ってもいいだろう。
Ouchy駅入口の建物

駅名標

線路終端から見る

近距離利用か長距離利用かで乗車位置が分かれる

さて、湖船で対岸のフランスはEvian-les-Bainsへ渡る。
この船である。2階が1等船室で1階が2等船室(このときだけは「スイスパスを1等にしてもいいかな」と思った)

ターミナルを通れと書いてあったので、そっちへ回るが、丁度夕方ラッシュで、乗客が多い。毎日国境を越えて船で通勤・通学というのもすごい。
Ouchy港ターミナル

レマン湖を東から西へ



泳いでいたかどうかはともかく、少し離れた岸辺に、水着の若者の集団あり。湖とはいえ都市の港で泳ぐという発想がないので驚いた。
さて、だいぶ座席が埋まってきたがギリギリまで乗り込んでくるのがいる。クルーの手際もなれたもので、定刻に出帆した。
西側に座ったので夕陽が眩しい。ジュネーブ側なのだが霞んで見えないので画像・動画記録は諦めた。船内の売店でビールを調達しているのは会社帰りだろう。今日は金曜日だが、毎晩かも。
Evian-les-Bains到着


10分しか折り返し時間がないが、まずは降りないと話にならない。実は乗客が多いから10分で、昼間の便は5分で折り返す。シャモニーへ行き損ねたがスイスパスで今度こそフランスの地を踏んだ。
ターミナル

そそくさと画像を撮って乗り込む。湖船で渡ることが目的で、この街を観光する気はない。
港周辺の街並み



帰りは順光となる東側で動画を撮る。
検札に来たクルーが、すぐに取って返した私に気づいてにっこりする。
Laussaneの街並

Ouccyに戻った。
乗ってきた船の右側

別の航路だが、こんなのも就航している

ここで夕食にしたかったが湖畔の店は食事向けではない。
Flonまで戻ってみたが、Migrosは閉店しているし、谷底の一角には飲食店がなさそうだ。で、歩道橋に上がって見渡すと、バーガーキングが見つかった。
2年前の旅行で味をしめたWhooperなる野菜たっぷりのにした。レギュラーサイズでよかったが、店員はラージセットと思ったらしい。セットなら番号で言うけどさ。昼飯を抜いていたのを思い出して、それでよしとした。意外とぺろりといけて自分でも驚いた。
さて、思いがけず安く泊まることになった高級ホテルだが、支払いをするまでは不安である。一晩中気にしてしまいそうで嫌なのでフロントへ出向いて「チェックしてくれ」と。もちろん予約した本来のホテルと同じ100CHFだが市税が2.5CHFから3.4CHFになっているのは「五つ星ホテルだから」だそうだ。まあいいんだけど。カード払い手続きが暗証番号でなく、サインだったのはグレードゆえだろうか。
部屋はこれまでの宿の4倍の広さ、浴室も広い。バスローブまである。が、一番驚いたのは空調のコントローラに英語と日本語が書かれていたこと。

漢字だから中国人向とも考えられるが言葉としては日本語だろう。団体が格安で泊まっているに違いない。
テレビがいろいろな情報端末になっているが、こういうところは一般のホテルなら無料のサービスも課金されるイメージがある。トラップにはまらないように慎重に操作しなければならない。このシステム、いろいろな言語に対応しているが日本語は無い。さすがにTVの一般放送は無料だった。
そういえばフロントが「スパも入り放題です」と言っていたが、こちらでは水着着用だろうから余計な出費は嫌だ。他にいろいろ見て回るところもありそうだが、風呂に入ってとっとと寝る。
一体、通常価格は幾らか、たいてい入口のドアの内側に避難経路案内と共に表示してあるが見当たらない。探すとクローゼットの内側に表があって540CHFと書いてあった。
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