フロントライン | kazuのブログ

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サラリーマン社長のムービートラベル

2020年2月「ダイヤモンドプリンセス号」。まさにこの時、このキーワードがすべての崩壊の始まりでした。前年2019年12月に中華人民共和国・武漢から発生した「新型コロナウイルス」は瞬く間に世界中を闇の中に陥れてしまいました。恐怖、欺瞞、差別、無知、悲観、猜疑心...。テレビや新聞、ネットで垂れ流される無責任な報道。人々はそれに振り回され、疑心暗鬼が人々の心に生まれました。まさにその始まりだったのが「ダイヤモンドプリンセス号事件」。それを描いたのが本作「フロントライン」。行政にもマスコミにも媚びることなく、ただ目の前の命を救おうとした人々の姿を純粋に描いたのがこの作品。テレビに数多く出てましたね、何とか専門の医師、段々とテレビタレント化する教授、何の知識もないのにテレビで国民の神経を引っ掻き回すバカコメンテーター、そしてただ、ただ世論を煽るだけのマスコミ。このドラマでもその無秩序なマスコミたちの無神経なセリフがありました。

「面白くなってきた」「面白い画が取れそう」「それじゃあ観ている者が喜ばないだろう」

コロナが収まった今でも聞いていて虫唾が走るセリフ。ワイドショー番組じゃこの映画の宣伝はやらんやろな。そんな度量がテレビ局にあるとは思えません。コロナが収まった昨今、テレビ局の悪行が出るわ出るわ...。あんたらね、一局集中で叩いているけれども明日は我が身やで。

2020年2月、乗客乗員3,711名を乗せた豪華客船ダイヤモンドプリンセス号が横浜港に入港する。だが、香港で下船した乗客の中に新型コロナウイルスの感染を確認。船内ではすでに感染拡大により100人を超える乗客が症状を訴えていた。

政府は災害派遣医療チームDMAT(ディーマット)に出動を要請。だが、DMATは災害対応のスペシャリストであってウイルス対策のスペシャリストではない。指揮を執る結城は一度は躊躇ったが引き受けることにした。神奈川県警に本部を置き結城と共に指揮を執ったのは厚労省の立松だった。冷徹そうに見える立松だったが見た目によらず上層部に嘘をついてでも結城の要望に応えてくれる型破りな役人であった。2人は病床の確保に奔走した。一方、乗船し医療チームのリーダーは結城と旧知の中である仙道。乗船した医師、看護師たちは患者たちの治療に必死で当たる。船内はまさに地獄さながらの様相。医療チームの敵はウイルスだけではない。現場を知りもせず、ただ、ただ、最前線で働く者たちを叩くマスコミ、テレビのコメンテーター、そして外部の無神経な専門医と称する医師の動画配信も現場に混乱をもたらした。医療従事者たちの姿が画面に映し出され家族が職場や学校で差別される。船内のスタッフもまた同じだった。感染してしまった乗客は勿論、客室から出ることを許されず軟禁状態の乗客に対しても先の見えないこの状況に、医療チームと衝突することもしばしばであったが乗客と真摯に向き合う態度もまた、医療従事者と心を一つにしていた。これは見えない敵と戦った医療チームと乗員たちの27日間の真の姿である。

 

登場人物の名前は実在の人物とは名前を変えてあります。現場をかき回した動画配信のあの専門医なんてこの映画じゃほんま悪役やもんね。名前は出されへんわ。「Fukushima 50」のときもそう。佐野史郎と金田明夫のやった役は当時の菅直人首相と枝野幸男官房長官。あの映画は最後まで2人の名前はでてきませんでした。ありゃ当時の政府の徹底批判やもんね、公人やねんから別に出してもいいと思うけど。だれが観てもわかるわ。

この映画では動画配信の医師は私人だから敢えて名前は書きません。しっかし、どこにでもおるんやねぇ自己掲示欲の強い人は。しかし、「Fukushima 50」も本作「フロントライン」も良くできた映画です。権力やマスコミの横暴におもねることなく描いています。自分がこの作品で気に入っている点は「中国・武漢から発生した」とかマスコミが害悪を垂れ流していると言うことを堂々と描いている点。マイクを向けられる結城が「あなたたち、喜んでませんか?」と言うシーンは観ている者とコロナ禍中の多くの人が思ったこと。実際こんなやりとりがあったかどうかはわからんし、マスコミ報道に疑問を感じる記者がいたかどうかなんて怪しいもんやけど、この作品で問題定義してくれたのは確か。しかし今更ながらに医療従事者の方々には感謝と同時に勇気と信念に敬意を表します。

けど今をもってコロナは我々の生活に傷跡を残しています。私は今も引きずっています。借金、失職、別れ...つらい日々をいまだに送っている人も多いと思います。ちょっとは頭を下げんか!習近平!