さていよいよ村上水軍の本拠地となっていた“海賊の城”能島城へ上陸ツアーへ出発します。村上水軍ミュージアムの見学を終え目前にあるのが能島上陸&潮流クルージングの受付場所の能島水軍です。

受付を済ませ船に向かいます。いよいよライフジャケットを身に着けてクルージングに出発します。

船は両側開放的なオープンで視界良好です。潮風が心地よいです。

クルーズ船は宮窪港を離れ出港です。

遠くの山が削られているのが見えてきましたが花崗岩の採石場です。大島では良質の花崗岩が採れるそうです。

まず能島のすぐ近くの鯛崎島が見えてきました。弁財天が祀られた建屋が見えています。

左に鯛崎島、右に能島です。

この辺りですでに潮流がかなりのスピードで流れているのが分かります。渦を巻いている箇所も分かりました。

能島に近づいて周りを観察します。城のあった頃は島の周りが削られて犬走りがあったのではとのことです。

島の周りは断崖で天然の要塞と言えますね。

海岸の岩場に穴が開いているのが見えましたがこれも当時の船をつないだ船留めではないかとのことです。島の至る所に見ることができるそうです。

砂浜がありましたがここが城の正面で船だまりの場所であったと思われます。

上陸の船を留める船着き場がありました。ここから上陸します。

ここは南部平坦地ですが当時埋め立てされて城の様々な作業を行った多目的広場という感じです。

ここは続百名城の一つになります。ちなみにご城印は先の能島水軍になります。

平坦地から少し登ると三の丸になります。さらに上の段(二の丸)と本丸の段差が分かります。

三の丸の先には展望台がありますが当時の矢じりや釘などの鉄製品が多く出土する場所とのことで鍛冶場があったようです。すぐ向こう側に鯛崎島が見えています。

かつては鯛崎島との間に橋があって自由に渡れたのではと思われますがその痕跡がまだ見つかっていないとのこと。

先ほど船から見た砂浜が見下せます。

二之丸に登って来ました。二之丸は本丸を取り囲むようにドーナツ状に広がります。

古い桜の切株がありますがこれらはごく最近のものらしいです。

さていよいよ本丸へ登城します。

本丸から三之丸方向の眺めです。本丸からは周りが360°見渡せて海を行き来する船の様子が手に取るように分かります。

能島と鵜島の間は100メートルも無い距離ですが本丸から見ていても流れが速いことが良く分かります。

 

小さい能島は大きな鵜島の後ろに隠れた場所に位置しています。従ってこの水域を通過する船の前にいきなり現れて通行料(帆別銭を聴取するような活動ができたと思われます。

はるか向こうに大島大橋と伯方大橋が見えていますがその橋脚を支えるのが見近島です。見近島は橋の建設工事の際に大量の陶磁器などが発見されかつて能島村上氏の流通の中継拠点であったと思われるそうです。

しばらく海賊の気分になって周囲の船の往来を眺めていましたがやがて迎えの船がやって来ました。

残念ですが島とお別れです。海が透き通るほど綺麗なのが良く分かります。

お地蔵さんが航海の安全を祈ってくれているようです。

島の近くは水深が浅い事もあって海流が底から湧き上がって来るそうで水流を複雑にしているそうです。

この海をわが物顔で支配したのが村上水軍だったわけですね。能島も潮流も充分に楽しめて良かったです。

海の栄華を誇った海賊も豊臣政権下では徐々に解体、衰退を余儀なくされます。歴史マニアとしてもたいへん興味深く有意義な旅となりました。