大宰府天満宮を訪れる際の必ず拠点になるのが西鉄大宰府駅ですが今回は別の目的でやって来ました。近くの四王寺山の南側に位置する岩屋城や宝満山です。天正当時大友宗麟の重臣・高橋紹運は岩屋城、宝満城を継ぎ北九州を支配していましたが、天正14年(1586年)島津軍が九州統一を目指して北上してくると高橋紹運は嫡男・立花宗茂は立花山城、次男統増が宝満城、紹運自らは岩屋城に籠城し徹底抵抗します。その間助けを求めた秀吉軍の到着を待つのですが、結局高橋紹運は760人の籠兵と共に玉砕し壮烈な最後を迎えました。大宰府周辺にその史跡が多く存在しますので訪問します。

 

大宰府駅はいつ来ても学生や外国人観光客で一杯ですね。ここから参道沿いには梅が枝餅やお土産物屋が並び人が一杯です。

まずは駅の観光案内所でルートなど情報収集します。それぞれのお城の案内パンフもいただけます。

駅となりの一蘭を覗いてみましたが外国人が長蛇の列で50人73分待ちとのことでびっくり。

一般の観光客は大宰府天満宮や政庁跡、坂本神社などテッパンでしょう。暑いですが何とか徒歩圏内です。

古代の時代から秀吉の時代まで本当に歴史遺産が豊富で歴史好きには堪らないですね。涼しくなったら歩いて回りたいです。

今回は駅から車で大野城方面、四王寺山へ登って行きます。夏でも落葉がすごいので秋冬はたいへんでしょう。

途中で岩屋城の名前がでてきました。

山道の途中、左側に見落としそうな「岩屋城入口」案内板を発見。

一応ちゃんとした案内板もあった安心しました。ここから石段を登って行くようです。

すれ違いはできない細い小道を50メートルくらい登っていきます。

急に視界が開けて空が広いです。岩屋城の本丸跡です。

下界が見渡せるこの場所ですが岩屋城は実際に来てみて本当にものすごい場所にあったなと感心しています。ここで壮絶な戦いがあったとは信じられない気持ちです。

これが有名な「嗚呼壮烈岩屋城跡」の碑です。数万の島津軍に囲まれて高橋紹運と約760名が城を守って玉砕全滅という本当に壮烈な最後を迎えた地です。紹運は島津軍の降伏勧告を拒絶、島津軍を岩屋城に釘付けにして時間稼ぎをして他の城を守ったのですね。

城からの眺めは抜群ですし籠城としては相当堅固な城で島津軍もかなり苦労したと想像します。島津軍も再起に時間を要する程の大被害を出したということで紹運の思惑通りとなりました。

紹運も遠くを眺めながら秀吉軍の到着を日日待ちわびていたのだろうと思います。直接宝満城など他の城との連絡も可能であったと思われます。

本当に素晴らしい眺望です。大宰府政庁も眼下に見えています。

ゆっくりしたいですがここも暑いです。ただバッタが飛び交っていて今は平和な場所になっていました。合掌。

本丸周辺には石垣のようなものが露出した箇所も確認できました。

下りる際も足元に気を付けながらゆっくりと歩きます。

そして道を渡ったところは岩屋城二の丸跡になるそうですが高橋紹運の墓所があるとのことで訪れます。

足元の悪い細い坂道を下っていきます。

やや林の奥に墓所らしい構造物が見えてきました。

石垣に囲まれた中に高橋紹運の墓がありました。

共に籠城して闘死した籠城兵数百も眠っています。セミしぐれが降り注ぐ下で合掌いたしました。

次に宝満山城があったと言われる現在の宝満山を目指して移動します。地図で見ると岩屋城と宝満山城は直線距離ではすぐ近く

に見えますね。宝満山城は天文年間(1532年〜1555年)に高橋鑑種によって築かれたと云われています。その後高橋紹運が引継ぎますが島津軍が九州統一を目指して北上して来ると立花宗茂は立花山城へ、次男統増が宝満城へ、紹運は岩屋城へそれぞれ籠城し自ら楯となって対峙していました。

車で宝満山の宝満竈門神社を目指します。宝満山は古くより信仰の対象で江戸時代には修験の場として崇められていたようです。地元の人には登山やハイキングコースになっているようです。

宝満竈門神社ですが10分の参拝だけで駐車場代400円取られてちょっとショックでした。

竈門神社の上宮が山頂にあって麓に下宮があります。もっと城の史跡とか石垣とかを見たかったですが城郭の遺構は現在も不明とのことで堅固な城であったのは間違いないと思われます。今回はとても山頂には行けないので下宮で参拝します。

絵馬には炭次郎やらねずこのイラストが多いと思ったら、そうか竈門繋がりかと理解できました。

よく整備された境内に風鈴の音が涼し気でした。

どうしても大宰府では百名城の古代・大野城が最も有名ですが、戦国時代になってからの岩屋城、宝満城跡は島津の九州統一に抵抗し高橋紹運が命がけで守ろうとしたた歴史的にもたいへん意義深い史跡です。高橋紹運の魂はその後嫡男立花宗茂に受け継がれ

徳川の時代になっても繋がっていくのが面白いです。