熊本県の山都町には2023年9月25日に土木建造物としては全国初の国宝に認定された通潤橋という石造りのアーチ橋があります。アーチ橋から水を吹く映像はテレビなどで見たことはありますがぜひ一度見学したいと考えていました。ただ毎日放水されるわけでもなくカレンダーで放水日は決まっており5月からしばらく放水停止期間もあるとのことで、思い切ってこのGWの初めに訪れることにしました。

 

熊本市内からは車で約1時間かからずに通潤橋に到着します。道路もそれほど悪くはなく快適なドライブでした。

橋上観覧も楽しみですが何といっても放水の瞬間をどこから見るか悩みます。見学は自由ですが橋上は有料の様ですね。

通潤橋の橋上に上がるためにせっかくの機会ですので観覧料500円を支払って観覧証をもらいます。

通潤橋は1854年の完成ですが、水不足に悩む白糸台地に水を送るため造られた石造アーチ水路橋でありその中で唯一“放水”ができる橋です。もともとの放水の目的は石管水路の内部にたまった泥や砂を除くためのものであったとのことですが現在は観光名物になっています。

実際に今でも農業用水に利用されているため利用の少ない時期のみ放水が行われるとのことですのでカレンダーを確認してくることが重要ですね。

見えてきました、通潤橋です。非常に美しいアーチ型の石橋ですね。まだ放水も無く水面にもきれいに逆さ橋が映っています。

橋にかなり近づいて見上げると細かい石で組まれているのが良く分かります。中央に放水用の出口らしき穴があるのが確認できました。

橋の横手の階段を登って橋の上に登ることができます。

橋上に登って見ると思ったより幅があって(幅員は6.3メートル)歩きやすく怖さは無いですね。三本の石管が通っています。

13時から放水が始まりますが放水口は栓がされているのが分ります。この栓を作業員が手作業で外して放水するようです。

すこし高台に登って見下すと橋の全体のスケールがよく分かります。橋長は78メート高さは20メートルです。

放水まで時間がありますので高台でゆっくり時を待ちます。ここもいい眺めですね。時間が近づくと放水作業を間近で見るために橋の中央付近に人々が集まってきているのが分ります。

13時ちょうどに栓が外されて放水が始まりました。

気が付けば橋の両側から放水が始まっていました。橋には上流側に2つ下流側に1つの放水口があります。この放水はあくまで農閑期の観光客用であり本来は石管水路の内部にたまった泥や砂を除くためのものだそうです。

実際の放水を上から見るとものすごく迫力がありましたが、危険だし怖くて下を見下ろすことができませんでした。

今度は下に降りてすぐ下から見上げると水の勢いがかなり激しいことが良く分かります。

アーチ橋から水が噴き出ている光景は不思議な印象を感じます。橋の上の人間の姿が蟻の子のようです。

約15分の放水の間にあちこち移動して写真スポットを探してみますがどこからでも絵になります。

橋の上には手すりとか無いので落下の危険が無いか心配になりますね。

15分過ぎると徐々に水の勢いが弱くなっていきます。観光客も徐々に減っていくようです。

放水を楽しんだ後で腹が減りましたのでレストランを利用します。

ここの名物と言えば通潤橋カレーですね。

約3人に1人くらいが通潤橋カレーを注文していたようで見えました。大人気の様です。

さてこの通潤橋の近くに珍しい円形分水があると聞いて見に行くことにしました。以前竹田で見たことがあります。車で約10分で分水公園に着きました。

ありました。道路のすぐ脇になみなみと水を吹き出す円形分水です。分水の真下から水を吸い込んで上位に噴き上げて水を均等に分配する仕組みです。

この円形分水では仕切りによって水の配分先が決められています。昭和31年の建造とのことですがかつての水分配の名残と思われます。

よく見ると案内板が立つていました。

初めて来た山都町で珍しい物を見学できて良かったです。通潤橋は国宝になりましたから一見の価値はありましたね。

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