10月12,13日は大分県日田市にある小鹿田の里にて民陶祭が開催されます。ちょうど台風が接近しており開催が危ぶまれていましたが台風のルートが逸れたために何とか開催されるということで買い物に出かけることにしました。

春と秋の年に2回開かれる小鹿田焼民陶祭ですが私は初めて訪問します。前から行きたかったところです。

日田から向かいますと小鹿田の里に入る皿山トンネルですがその周辺は車で大混雑していました。普段静かな山村も民陶祭の時は訪問客で賑わうようです。この2日間は日田から臨時バスも出ているそうです。

既に多くの人が集まっているのが見えました。大分はもちろん福岡など県外からも人気があるそうです。

小鹿田焼きは秀吉の朝鮮出兵の際に朝鮮から陶工を連れ帰ったことに端を発する小石原焼きが基と言われています。

現在も9軒の窯本が家族労働の手作業のみの伝統的技法で作陶を行っていますので一皿一皿微妙に模様が違って素朴で何とも言えない味わいがあって大好きです。このような刷毛模様が美しいのが小鹿田焼の特長の一つですが打ち刷毛目という製法でろくろを回しながら刷毛をトントンと当てて模様を描きます。

こちらの細かい模様は飛び鉋と呼ばれる製法です。ろくろを回して細かく規則正しい模様が付けていきます。

民陶祭の間は各窯元の作品が軒先に並べられますので訪問客は各店をブラブラと回りながら気に入った作品を安価で買い求めることが出来ます。

小鹿田焼きは国の重要文化財に指定されていましてその保存・伝承を目的にした施設・小鹿田焼陶芸館がありますのでまずは覗いてみることにします。

館内では小鹿田焼きの歩みやその製法についてのビデオ紹介が流されていろいろと勉強ができます。

小鹿田の里は山間の小さな集落ですが9軒の窯元がすべて手作業による伝統的技法を守り皿や器を作ります。30分もあれば全部を見て回ることも可能です。最初に全部の窯元をざっと見てまわりいくつか欲しいものをピックアップしておいてもう一度往復して購入するのが賢い回り方と思います。

小鹿田焼の歴史が分かるコーナです。

館内に展示された器も素晴らしい味わいですね。

小鹿田焼きの土は川の水の水力によって細かく砕かれていきます。唐臼と呼ばれるそうですが木の窪みに水が溜まるとその重みで反対側の杵が上がります、その拍子に水が出てしまうと杵が臼を点いて土をサラサラの細かい粒子に変えていきます。 

ししおどしと同じ原理ですがこの集落だけで何台かの唐臼を見ることが出来ました。

水の力で仕事ができる賢い先人の知恵です。時々ポーンと臼を点く音が山里に響きますが「残したい日本の音風景100選」にも選ばれているそうです。昔から変わらないやり方なのでしょう。ぼんやりと眺めているだけでも癒されます。

展示されたものの中から気に入ったものを探して回るのが楽しいです。

各店に立ち寄り品定めをしていきます。

この日は台風の影響で風が強かったですが民陶祭への影響はなくて良かったです。

かごに積まれて安価に売られている器もありましたね。掘り出し物を探します。

どの家庭でもこの梅干し壺が活躍しているのではないでしょうか。

日本酒とか出汁を入れるとっくりです。

庭さきにも並べられているので色相とか形をチェックできます。一皿一皿に違いがあって持ってみると微妙に重さが違います。

各窯ともに展示された器が違いますのでいろいろと回って見るのが楽しいです。

ブラブラと見て回ります。

軒先にたくさんの湯のみが並べられていましたので選ぶのがたいへんです。

この片方の開いた器が何故か気になります。我が家で使い方が今一つ分からないのですがドレッシングとかタレとかポン酢とかを入れるのでしょうね。食卓が楽しくなりますね、日本酒を入れるなんてのも面白いでしょう。

焼酎グラスとかビアグラスとかも目移りします。握ってみて手触り感触がピタッと来るのが大事です。

同じ皿でも模様も形も色も模様も微妙に異なるので比べるのが重要です。この素朴さと温かみは小鹿田焼きしか出せないと思います。

各窯が利用する共同窯の様子を見ることが出来ます。

年に数回焚かれる現役の窯ということでした。

なかなか見ることが出来ませんが実際に窯の中まで覗いて見ることが出来ます。

買い物巡りは楽しいのですがご飯を食べれる所は少なくて蕎麦屋さんがあるくらいです。コンビニやお店はありませんがこの期間には陶芸館で日田焼きそばが食べれました。

それとなぜか大鍋のパエリヤとタピオカのお洒落なお店がオープンしています。ものすごい場違いな感じ(笑)ですが良い臭いが漂っていましてお腹がすきました。

結局は3時間ほどブラブラと散策しお手頃なお茶碗とコーヒーカップとおでん皿を見つけて買うことが出来ました。初めての小鹿田焼の里の散策は古き日本の山里の姿を思い出すもので心が癒されました。家で飲むコーヒーが一味違うものになりそうで良かったです。(33)