高野山は弘法大師空海により816年に開かれた真言宗教の聖地で世界遺産です。今年もいろいろ辛い事があったのでぜひ心を癒しに一度訪れたかったので、寒い時期を覚悟して関西空港に向かいました。
今回は関西空港から高野山へのお得な切符ということで、南海電鉄の世界遺産キップを使わせていただきました。2日間有効で往復代がお得ですし、高野山内ではバスに乗り放題というのが非常にありがたいです。

関西空港からは南海電車でなんば方面、天下茶屋で高野線に乗り換え橋本から極楽橋へと向います。極楽橋からはケーブルカーで高野山を登ります。距離は800メートル勾配30度、高さ340メートルをたった5分で着きますが地上とは5度くらい気温が違うような気がします。2両で260人もの乗客を乗せられます。

今回お世話になった宿坊は恵光院さんですが、外は氷点下の寒さでしたが部屋の中は暖房も炬燵もあって暖かでうれしいおもてなしでした。

夜遅れて行ったのに丁寧な部屋出しの夕食でおもてなしいただきました。とても豪華で言われないと肉や魚の無い精進料理だと気づきませんでした。

そして宿泊客のためにナイトツアーに案内していただきました。奥の院を訪れるための基礎知識などを教授していただき翌日たいへん参考になってありがたかったです。夜はまた昼と違って少々恐々と灯篭だけの道を歩きます。夜の闇の中御廟の前で弘法大師の息使いが聞こえるようでした。

そして宿坊では朝のお勤めを体験できます。恵光院さんでも朝7時から読経・礼拝に参加できます。宿泊客に外人さんの方が多いのに少し驚きました。
7時半からは隣の護摩祈祷所にて護摩祈祷を体験できます。目の前で炎が立ち上る中で祈祷を行うのが非常に迫力あります。
お寺ですので本当に静かで和ですね。本当に外人さんが日本人より多いのです。食事も部屋で食べますので他の日本人とは朝のお勤めや風呂くらいしか顔を合わさないです。

初めての宿坊でしたが、お坊さんの話が聞けたり様々な体験ができてたいへん心に残るものになりました。朝は雪が降ったようで寒い気候も体験できました。
朝ごはんもシンプルで美味しくて心身が清められるような気分でした。
奥の院にも近いので部屋での朝食を頂いた後すぐにそのまま歩いて一の橋に向かいます。
ひとり旅で初の宿坊ですがとても清々しい気持ちで旅立つことができました。
宿坊から歩いてすぐ奥の院口の一の橋です。ここから2キロの参道にはたくさんの供養塔やお墓が並びます。ここで脱帽して一礼して進みます。
まずは一の橋からすぐ司馬遼太郎文学碑があります。碑文には『大門のむこうは天である。山なみがひくくたたなづき、四季四時の虚空がひどく大きい。大門からそのような虚空を眺めていると、この宗教都市がじつは現実のものではなく、空に架けた幻影ではないかとさえ思えてくる。』と書かれています。
奥の院まで続く参道は樹齢数百年を越える杉並木が続き数多くの歴史にゆかりのある人物の墓石や供養搭約20万基が並びますまず見つかるの武将は武田信玄・勝頼の墓所です。
薩摩島津家の墓所になります。

大師さまがちょっとと腰かけたことから大師の腰かけ石と呼ばれています。

かつての参詣道に建てられた卒塔婆形町石がありました。昔は木製であったそうですが残っているのは石造りです。
石田三成の墓所です。生前に長命祈願のために自身が建てたと言われます。
明智光秀の墓所です。何度作り直してもヒビがいるとのことで光秀の怨念がまだ鎮まっていないのだと伝わります。
中の橋のたもとにある汗かき地蔵さんです。世の中の人々の苦しみをお地蔵様が身代わりになっていつも汗をかいていると言われるありがたいお地蔵様です。

その横にある姿見の井戸です。江戸時代からこの井戸を覗きこんで自分の姿が水に映らなければ3年以内に死ぬと言われていました。
さらに奥の院目指して進みます。  (23)