紅葉の時期にどこかの城めぐりをしたいなと考えていたところに某旅行社の「北陸紅葉の8名城ツアー(2日間)」の募集が来ました。2日間で8名城を巡るとはかなりの弾丸的ですがなかなか個人では行きにくい山城などを効率よく回るにはこういうツアーも有りですね。
今回回るのは①富山城②高岡城③七尾城④金沢城⑤福井城⑥北の庄城⑦越前大野城⑧丸岡城です。半分は初めて訪問の城でテンションが上がります。
小松空港からまずは富山を目指しますが日本海の荒波が見えてきます。東京は晴れていたのにと天気に不安を覚えました。この時期の北陸はもう冬モードなんでしょうか。
まずやってきたのは続100名城の富山城です。基本的に今回のツアーはそれぞれの城で40分から1時間の自由散策みたいな感じなので自分の好きな分野(天守、石垣、縄張り、歴史、武将・・など)を楽しむことができます。ガイドさんの居る城もあります。あまり城オタクな人ばかりという感じではなかったですね。

現在の富山城は分類では模擬天守となります。昔から越中地域は一行一揆や上杉謙信、織田信長の争奪の地でした。我々がよく知るのは信長の家臣、佐々成政ですが秀吉に反旗を翻したりと不安定でした。そういえば前田利家も柴田勝頼を裏切るなどなかなか心変わりの激しい時代の象徴のような地域という印象です。写真は富山城の模擬天守です。

かつての富山城を大改修した前田利長の兜です。利長は富山城にて隠居していましたが城が火災になったために高岡城に移りました。その後1639年加賀藩から前田利常が10万石を次男利次に分割し富山藩が成立します。
富山城の由来が書かれています。佐々成政ですね。

この地域は上杉謙信と織田信長の衝突する最前線になりますので争いが絶えなかったようです。

天守展望台から西の丸方面の眺めです。
天守から市内環状線の路面電車「セントラム」が走っているの見えました。

城の全体です。

現在は城址公園として整備されて庭園が広がります。
かつては水に浮いて「浮城」と呼ばれたそうですのでそのイメージを活かしたも模擬の天守閣です。
かつて富山藩第十代藩主前田利保の隠居場の御殿にあった門を移築したもので千歳御門と呼ばれます。富山城の中で唯一現存する江戸時代の建築物になります。
公園内には郷土博物館もありました。時間が無かったので今回は見れませんでした。弾丸的ツアーの辛いとこです。
時期であればお堀の遊覧船も楽しむことができます。
路面電車にも乗りたかったですが時間が無かったです。
富山城の近くに幼少の滝廉太郎の像が建ちます。私は大分出身なので荒城の月の構想は岡城(大分県竹田市)と信じていました。大分では深夜にテレビが終わるときに岡城の画像と荒城の月の寂しげなメロディが流れるのでイメージが脳に焼き付いています。荒城の月について富山城や青葉城と様々な説、都市伝説があると知ってさらに興味を持ちました。こればっかりは滝廉太郎本人に聞くか本人が日記でも残していないと分からない永遠の謎ですよね。仲良く姉妹都市でもなって交流できればいいと思います。
次に高岡市の高岡古城公園に日本100名城の高岡城を訪ねます。こちらは1609年に富山城の火災後の利長公の隠居場として短期間に築城されました。
非常に分かりやすい縄張りですが加賀藩が城の保全を図ったために濠のほとんどが当時のそのままで残っており当時の様子を思い浮かべながら散策ができます。
高岡城跡の案内板です。
土塁だけのためか木々が大きく育ち濠を覆わんばかりに茂っています。
紅葉の葉が内掘に張り出し美しいです。
今回の8名城ツアーの中で最も紅葉が美しかったのがこの高岡城でした。
春の桜も美しいとのことで市民の憩いの場所になっているのが分かります。
高岡城はほとんどが土塁の城であり建築遺構は何も現存せず、遺構としては石垣の一部や井戸が残るのみです。橋の一部に石垣がごくわずかに残るのが確認できました。
自然が豊富で木々と水に溢れ木立が生き生きとしています。公園自体で東京ドーム4.5倍もありその三分の一が水濠という豊かさです。四季を通して自然いっぱいで良いですね。
本丸広場の端に勇ましい利長公の騎馬像が建っています。しかし築城からわずか5年後の1614年に利長公は死去、また翌年には一国一城令により高岡城は廃城となってしまいました。

本丸跡もしっかりと広がっています。

また高岡城の縄張りはキリシンタン大名の高山右近と言われます。バテレン禁止令により領地も財産もすべて失った右近ですが前田利家は金沢に呼んで庇護したため右近も金沢城の修築を手助けしたり高岡城の縄張りを行ったといわれます。もしもフリーの旅であれば高岡大仏とか瑞龍寺にも寄りたかったです。またの機会ですね。
時間があれば遊覧船も楽しめますね。
なかなか高岡城は紅葉はきれいで城の縄張りもしっかり残っていて見応えがありましたね。次にバスは能登に向かいます。 ②へ続きます。