会社の異色軍団ですが、チーム山城の活動ということで北関東の山城を攻め落としに行きます。山城は文字通り山奥にひっそりと残る廃城跡が多く一人ではなかなか行けないので仲間を募って訪れることにしました。

東武電車で降り立った駅は栃木県足利市駅です。降りてから気が付きましたがここは森高千里の渡良瀬橋で有名になった土地だそうです。

まず車にて向かったのは100名城の一つ金山城になります。着いてみてまずびっくりしたのはその史跡金山城跡ガイダンス施設のなんと美しくてお洒落でビックリ! 美術館かと間違いそうになりましたが隈研吾氏の設計と聞いて納得。外壁のパネルは城の石垣をイメージしているということです。

内装や天井も石垣をイメージしたもので目を魅かれますね。

実際に金山城に入ってみると山全体の自然地形を活かした城であることがすぐにわかります。石垣ではなく天然の岩盤が露出しています。

虎口は狭くしっかりと石垣が使われています。石垣や石敷が使用されていることで、従来戦国時代の関東の山城に石垣はないとされた城郭史の定説が金山城跡の発掘で覆されたということです。確かに石敷は珍しいですね。物見台下虎口です。

虎口の両側には幾重にも石垣が連なっています。

三の丸手前の馬場曲輪のあたりですが防御の堀切が残ります。

こちらは有名な月の池と大手虎口です。

関東七名城のひとつに数えられているのも理解できます。上杉謙信も五度ほどこの城を攻めましたが落とすことができず、難攻不落の名城と謳われました。上杉謙信も山城に手を焼いたのでしょうね。 

月の池よりは一回り大きいのですが日の池と呼ばれます。飲料水ではなく何かの儀式で使われたのではないかと書かれていました。

この辺りも石垣が天然の岩盤の上に作られているのが分ります。

南曲輪には休憩所ができていますが目の前の大木が紅葉し目を惹きます。

連郭式曲輪の一番奥の本丸に鎮座する新田神社です。

物見台からの眺めは最高ですね。さすが山城でここから周りの不審な動きを監視していたのでしょう。かなり遠くまで見渡せます。

さて金山城を後にして足利市内に戻ってきましたが足利氏館を目指します。隣の藁葺き屋根の建物は足利学校です。

この足利学校も堀と土塁で囲まれているのが少し違和感がありました。足利学校も寄りたかったのですが時間が無くなったので横を通過して足利氏館を目指します。

100名城に選ばれましたがここは城というよりも足利氏の居館ですね。鑁阿寺は足利氏二代目の足利義兼(あしかがよしかね)が1196年に邸内に持仏堂を建て守り本尊として大日如来を祀ったのが始まりといわれています。山門と太鼓橋です。

鑁阿寺の本堂は国宝です。1299年の建立です。

鑁阿寺はその境内の広さとイチョウの大木で有名ですね。特にこの時期の黄色いイチョウが素晴らしいと評判ですが、2週間くらい早かったようです。残念。

他にも重要文化財などが多数ありますが時間がないために次の犬伏へ移動します。75号線を走っていますと目的の地を発見!犬伏薬師堂です。

ここは1600年の関ケ原の前に真田親子が東軍・西軍に分かれる相談をした場所と伝わります。有名ですのでドラマにも必ず登場しますね。

意外にも堂内に入ることができました。親子の甲冑とたくさん写真が展示してありました。ゲタが置いてあるのは正幸が投げつけた逸話を意識したのでしょうかね。今では笑い話でしょうが当事者3人にとっては真田家の生き残りを掛けた真剣な密談だったのでしょう。

真田父子犬伏の別れの地を訪れることができて良かったです。私としてはまだ小山評定所跡を見ていないので機会があればそちらにも行きたいです。

近くの橋が親子が別れ別れになった橋の場所と伝わります。

薬師堂からすぐですが佐野のソールフードであるイモフライの大島さんで初めてイモフライに挑戦します。蒸かしたじゃがいもを一口大に切って油で揚げた簡単な料理です。さのまる君が持っていたのは知っていましたが食べるのは初めてです。

その場ですぐに揚げてくれましたがアツアツで美味かったです。これで70円なので小腹が空いた時とか重宝されそうなおやつですね。ソースも美味しいのでビールのつまみにもなりそうです。

さあ日も傾いて本日最後の訪問ですが佐野市にある唐沢山城です。ここも山城ですが200名城になります。

ここも典型的な山城の曲輪で連郭式になっています。佐野氏と上杉謙信の戦いは10度にもなったそうですが一度も落ちなかった堅城で、100名城に選ばれてもおかしくないと噂されているそうです。

確かにあの春風亭昇太も訪れたことがあるとテレビで言っていましたね。今月はここで山城サミットも開催されます。

本丸跡の唐沢山神社には大きな岩(石垣?)が残ります。

途中まだ整備されていない場所があったりしますが200名城に選ばれたことでこれから有名になり整備されていくのでしょう。

やたらと猫が多いのが不思議です。山に住み着いているようです。

さて帰ろうと虎口を出ることにはもう日が暮れかかっていました。日が短くなってきました。

丸一日を使って山城2か所、居館1か所、歴史の史跡1か所と旅しましたが、山歩きもあってかなり疲れました。この辺りの山城は上杉謙信や北条氏の猛攻にも耐えた難攻不落の堅城揃いでした。歴史の勉強もできてととも充実した一日でした。イモフライも美味かったです。