東北地方には素晴らしい名刹があります。9世紀に円仁(慈覚大師)が開山し17世紀には松尾芭蕉も訪れた名刹を回るコースを四寺回廊と呼んで全て回ると結願ということでご利益があるのだそうですが、私もたまたま制覇していますので写真でご紹介します。

 

①松島・瑞巌寺編 (創建828年)(訪問2009年) 

まずは伊達政宗の菩提寺である瑞巌寺にお参りしました。創建は9世紀ですが現在の建物は慶長14年(1609)、伊達政宗が5年の歳月をかけて完成させたものです。奥州の覇者としての威厳を感じます。

海辺のお寺で山の中にあるお寺と雰囲気がまた違います。参道にはシンボルとも言える杉並木がありましたが、2011年3月11日の東日本大震災の津波に見舞われしまい、その後の塩害によって立ち枯れが目立ったことから、約300本が伐採されることになったそうで、現在は様子が変わっているかもしれないです。

本堂にお参りしました。(国宝) 伊達政宗が心血を注いだということで、建築にあたって諸国から名工130人を集めたほか、建材も熊野山中から取り寄せ、絵画や彫刻も豪華絢爛なものです。

庫裏(くり)と書きます、台所とのこと。(国宝) 屋根には煙出しがあります。

有名な五大堂に向います。海に突きた橋を渡りますが下が透けて恐いですね。

有名な五大堂です。国の重要文化財ですが海に突き出ているところに建っていることもあって塩水や風に浸食されて痛みが激しい気がします。


五大堂縁起について書かれた看板ですが、現在の建物はやはり伊達政宗の建立になります。

すぐ近くの松島の海は本当に開放感があって爽快です。芭蕉も松島の景観は日本一で中国の西湖に比べても劣らないと書き残していましたね。

松尾芭蕉もこのような格好で立ち寄ったのでしょうが、何故かこの松島では一句も詠んでいませんので、何故か?といった歴史上の疑問になっているそうです。


境内には宝物殿があり、奥州一の栄華を誇る伊達家の宝物を保管します。主な収蔵品は国重要文化財指定本堂障壁画、伊達家歴代藩主画像、書跡、茶碗、歴代住職頂相、墨跡、日本三景の一松島に関する絵画や書及び、発掘調査で出土した中世円福寺関係資料など、約3万点もあるそうです。


②毛越寺編 (創建850年)(訪問2013年) 

JR平泉の駅を出発します。世界遺産の旅ですね。

駅から毛越寺は歩いて10分で行けますが、名所を回る周回バスが便利です。

毛越寺の正面です。紅葉は散り始めていましたがぎりぎり大丈夫でした。

平安時代の浄土庭園をここで見ることができます。(大泉が池)) 

南大門をはじめ当時の多くのお堂がいくつも火災で焼失していました。

栄華を誇った頃の伽藍の復元図ですが、たいへんな規模のお寺であったことが分かります。

 

③平泉・中尊寺編 (創建850年)(訪問2013年) 

いよいよ中尊寺に向います。毛越寺からバスで10分もかからないくらいです。

紅葉も終盤で深い赤と黄色の散り紅葉を楽しむことができました。

お堂がみな紅葉で囲まれています。

坂の途中の弁慶堂です。

中尊寺と言えば金色堂が有名ですが、本堂に先に参拝しなければいけませんね。

あまりにも有名な金色堂ですが、隣の讃衡蔵で国宝や重要文化財をたっぷり鑑賞することがでできます。

松尾芭蕉の句碑があります。 『五月雨を降り残してや光堂』 

中尊寺からの平泉の眺めです。

月見坂の途中にお蕎麦屋さんがありましたので昼ご飯をいただきました。


④山形・立石寺(山寺)編(創建860年)(訪問2009年)

新橋の焼き鳥屋さんのお客さんの親睦旅行で山形に来ました。ほとんど皆山寺は初めてです。JR山寺駅から歩いて10分、ここ参拝口から階段と山道を登って山寺へお参りします。

立石寺(山寺)の根本中堂(本堂)へお参りです。

山門でお金払ってから入りますが、ここから約1000段の階段を上ります。

このような階段や坂をゆっくりと上がっていきます。階段の上には仁王門が待ち受けます。

松尾芭蕉の短冊を埋めたと言われるせみ塚です。「閑けさや岩にしみ入る蝉の声」

やっと有名な五大堂に着きました。この絵はいろいろな所で目にしますが実際に素晴らしい風景です。

五大堂からの見晴しです。風が気持ちよくまさに風景を独り占めという気持ちです。

坂や階段を登り切り奥の院までお参りができました。

はるか岩にはかつての修験場が見えます。

松尾芭蕉もここで一休みしたのでしょう。

岩に阿弥陀様を彫ったといわれる弥陀洞です。壁には岩塔婆(故人の供養のため戒名が彫られたもの)があちこちに刻まれています。

以上が四寺廻廊の四寺で私は制覇していますが、ご朱印帖もらっていないのが少し心残りですが御利益は相当にあると思います。いずれまた次の機会にまとめてもう一度回りたいと思います。

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四寺廻廊
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