こんにちは。
独立系ファイナンシャルプランナーの山田祥子です。
「国が、家計のお金の4割を投資に回してほしいと言っているらしい」。
そんなニュースを見て、ドキッとした方もいるかもしれません。
実は私は、このニュースを見て「やったー」と思いました。
私は、日本の家計は、預金に偏りすぎていると感じています。
運用で資産収入を得る人が増えれば、一人ひとりの将来の選択肢が広がると考えているからです。
国が「貯蓄から投資へ」の方向をはっきり示したことは、そのきっかけになると期待しています。
ただ、大切なことが1つあります。これは国全体の目標であり、ご家庭が守るべき数字ではありません。
今回は、この目標の意味と、日本・米国・英国の家計の違い、預金・国債・投資信託の「比べ方」をお話しします。
国の目標は「家計金融資産の4割を投資に」
2026年7月21日に閣議決定された「日本成長戦略」には、次の目標が書かれています。
目標:2040年までに、家計金融資産に占める株式・投資信託・債務証券(国債・社債など)の割合を40%にする。
現状:2025年12月末時点で約23%
狙いは、日本企業の成長を支えるお金の流れをつくることです。
ご家庭の幸せな老後から逆算して決めた数字ではありません。
日本・米国・英国で、家計のお金の置き場所はこんなに違う
日本の家計は、現預金が中心です。米国や英国と比べると、その違いがはっきりします。
日本は「安全第一」で現預金に偏っています。一方、米国や英国は、運用による成長を取り込みやすい持ち方をしています。
(※英国の「年金・保険等」が高いのは、私的年金での資産形成が欠かせず、それが株式や不動産などで運用されているためです。)
20年間で、資産の伸びにこれだけ差がつきました
家計金融資産の2003年から2023年までの20年間の推移は、次のとおりです。
米国と英国では、運用によるリターンが、資産が増える大きな原動力になっていました。
ただし、これは過去20年間の結果です。特に米国は、株式市場が大きく上昇した期間でした。同じ結果が将来も続くとは限りません。国ごとに年金制度や税制も違うため、数字をそのまま日本に当てはめることもできません。
日本の最新データ:現預金の割合は下がってきました
日本銀行の資金循環統計(速報)によると、2026年6月末の家計金融資産は2,519兆円で、過去最大でした(2026年9月17日公表)。
内訳と割合は次のとおりです。
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現金・預金:1,132兆円(約44.9%)
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株式等 :486兆円(約19.3%)
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投資信託:193兆円(約7.7%)
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債務証券:38兆円(約1.5%)
1年前(2025年6月末)と比べると、現預金の割合は4.7%下がり、株式等と投資信託の合計割合が6.2%上がっています。
ただし、この変化の大きな要因は、株価の上昇による評価額の増加です。「みんなが投資を増やした」だけではありません。株価が下がれば、割合も下がります。
預金は安心?
知っておきたい「見えない目減り」
預金は安心できる置き場所です。元本は守られます(預金保険の範囲内)。ただ、物価が上がると、同じ100万円で買えるものは減っていきます。
【シミュレーション:物価が年2%上がり続け、預金金利0.5%とした場合】
計算式:100万円 × (1.005 ÷ 1.02) の10乗 ≒ 86.2万円分
10年後、100万円で買える量は「約86%」に減る計算になります。
「現金は安全で、リスクがない」と思われがちです。
でも、物価が上がる局面では、現金の価値は目減りします。現預金だけに頼らない、という視点も大切です。
※総務省発表の2026年8月の消費者物価指数(総合)は、前年同月比で1.9%の上昇でした。
主要な金融資産の特徴比較
金利・利息シミュレーション
【固定5年の個人向け国債を100万円買った場合】
金利:年2.39%(2026年10月募集分)
5年間の利子合計:約95,200円 (税引き後)
【大手銀行・ゆうちょ銀行の普通預金に100万円預けた場合】
金利:年0.50%(2026年11月~)
1年間の利息:約3,980円(税引き後)
余裕資金の一部を、成長資産に回すという選択
預金は、生活を守るために欠かせません。そのうえで、当面使う予定のない余裕資金の一部を、現預金から、株式や投資信託など、成長が期待できる資産に回すことも、選択肢の一つです。
2024年に始まった新NISAや、iDeCoなどを使えば、税制上の優遇を受けながら、物価の上昇に備えた資産形成を進められます。
「世帯事情」で運用割合を決める
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「〇歳だから運用は〇割」という一律のルールは存在しません。
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同じ資産額であっても、数年内に大きな支出(教育費・住宅購入など)を控えている世帯と、5~10年以内に予定がない世帯では、運用割合は異なります。
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手持ちのお金を以下の「目的別の4つの枠」に分類して、整理することが第一歩です。
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目的別・資金の4分類と適切な運用方法
まとめ
・国の「4割目標」に縛られず、自世帯のライフプランを最優先にする。
・数年以内に使うお金(教育費・住宅資金等)は、元本保証の預金や個人向け国債などで守る。
・当面使わない余裕資金について、インフレ対策として投資信託等での運用を検討する。
しょうこFP事務所では、中立公正な立場であなたの最善の利益を第一に考えたライフプラン・資産形成のアドバイスを行っています。
保険や金融商品の販売はしていません。
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