全世界が直面する問題の地球温暖化。

まだ注目されることのなかった1958年に米国に渡り、

温暖化予測に繋がる研究を切り開いた真鍋叔郎氏(90)が、

今年のノーベル賞物理学賞に決まった。

地球温暖化が進行して危機感が高まる中、

「脱CO2」を目指す世界を後押しする受賞となった。

 

【90歳とは思えないほど、朗らかで滑舌がよく おしゃべり上手な真鍋氏】

 

温暖化とか気象異常とか、どうして温暖化は起こるのか?

未来の私たちの暮らしに、大きく影響していく問題だから、しっかり知っておきたい。

 

【わかりやすく説明してくれた動画をお借りしました。】

 

CO2濃度がどれだけ上昇すれば、気温が上昇するのか・・?

真鍋氏は、大気の対流などを考慮して、コンピューターで気温の変化を予測する

気候モデルを世界で初めて考案した。

1967年、『CO2濃度が2倍になると、気温が2.3℃上昇する』

という論文を発表。

1969年には、海洋の影響と組み合わせた

「大気海洋結合モデル」を発表。

今の温暖化研究の基礎となっている。

 

真鍋氏の渡米のきっかけは、

東大大学院の時に書いた修士論文が、アメリカ気象局の目に留まって、

スカウトされたこと。

日本にはないコンピューターがあり、1日の使用料=8000ドルを

自由に好きなだけ使えたと言う。

お給料も25倍になったそうだ。

日本の研究開発費は、アメリカに比べるとはるかに低い。

 

真鍋さんは、アメリカ国籍を取得して、長くアメリカで研究した。

日本に戻りたくない理由を問われ、

「日本人は、いつもお互いに迷惑をかけないかと気を遣う、

とても協調的な関係を結ぼうとする。日本に戻りたくない理由は、

周囲に同調して生きる能力がないからです」と言い切った。

ざっくばらんに本音を明かし、笑いを誘う真鍋氏は、本当に素敵だった。

研究を駆動したのは好奇心、最も面白い研究は好奇心によって行われたと言う。

 

人間の影響で CO2が上昇し、温暖化したことは確かなことだ。

脱炭素に向けて、世界が動いている。

真鍋氏の功績が認められ、日本の存在感も高まった。

今回の受賞を岸田政権は,どう聞き、どのように受け止めただろうか。

気候変動対策が頓挫することなく、今後加速して進められていくことを願う。