1828.秋

東京都江東区亀戸6-35-23

 自性院は、通称「役者寺」として有名な寺院である。

 歌舞伎の市村座の座元太夫市村竹之丞が隠居して自性院に入り、後に出家して、比叡山で修業し安住院住職となる。その後、誠阿和尚として自性院住職になる。自性院の中興開山とされる。

 石燈籠は、門を入って、本堂前を左手に入ると、隣接の墓地があり、正面直ぐに一段高くして置かれている。

(笠屋根正面)

家紋「丸に橘」 *歌舞伎の「市村座」家紋。

(竿正面)

「旹文政十一歳次戊子穐」  *「穐(シュウ)」は、「秋」の古字。

(基礎正面)

「市村」

 基礎の「市村」、笠屋根正面に薄肉彫された家紋「丸に橘」により、江戸時代末期の文政十一年秋に市村座より寄進されたものとわかる。最初に建立された位置は不明で、本堂か「誠阿法印」の墓前のいずれかに置かれていたものと思われる。

 この石燈籠の存在から、江戸末期頃の自性院と市村座の関係が見て取れる。「役者寺」と称されるゆえんである。

2025.05.25.撮影