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1700.04.03  元録十三年四月三日


大分県豊後高田市屋山 長安寺境内


安山岩製




 




 本堂脇の斜面を背にして、石垣の1段を作り、石塔が並べられている。その内、2基有る宝篋印塔の左側(向かって右)塔である。


塔高;175.0センチ


基壇二重高;44.5





 基礎は、側面を少し低めにして、上に5段を造り出している。基礎側面は、3区に分けて輪郭を取り、中に更に方形枠を平底に彫り込んでいる。


 塔身は、天正十二年銘塔より背を低くして、同じく上下の枘穴へ大入れにして組み合わせる。正面にだけ、線刻蓮台状の月輪中に梵字「キリーク」を刷毛書薬研彫する。梵字は稜線が立った鋭い彫り込みだが、ぎこちない書体になっている。また、月輪も薬研彫でなく、底を平たくしたような特殊な彫り方になっている。


塔身左側面と背面に銘がある。





(正面) 


「大阿闍梨法印豪円」


「大徳和尚位元禄十三」


「庚辰天四月三日寿」


「六十六歳寂」


(背面)


「細工当村」


「惣十郎」





 *銘文は『大分の石造美術』を参考にした。


 笠は、軒厚を厚くして、下4段、上5段として、上に露盤を造り出す。隅飾は、2弧、茨部から上を細身に造り、先が尖り、外に少し開いている。茨部には蕨手模様を太く線刻している。上下の段数は天正十二年銘と同じだが、軒厚や各段の高さを増している。上辺幅を広く取って、その上に幅広で背を高くした露盤を造り出す。露盤側面は、2区に分けて輪郭を取り、中に更に方形枠を平底に彫り込んでいる。


 相輪は1石。反花、請花、上部請花は、同じ形の先が開いた剣先型花弁を用いている。反花、薄い敷茄子(紐帯)、九輪、天蓋板、請花、火炎宝珠の構成である。宝珠に着いた火炎は、天正十二年銘塔のものと同じく宝珠の途中までを彫り出し、上部は趣略されている。


 本塔も仕上げは丁寧に造られている。各部の造形に多少の違いは見られるが、全体に、同所の天正十二年銘塔を手本にして製作されたものと思われる。


 「細工当村 惣十郎」


の刻字が有り、製作地と石工名が分かる。これにより、同じ石材を使用している天正十二年銘塔も同様に当地で製作されたと判断でき、貴重な銘になっている。





横に室町時代の国東型宝塔がある。写真だけ載せる。


塔高;111.5センチ





1975.08.05写真(モノクロ)


2017.09.05.撮影





参考文献;『大分の石造美術』(望月友善著 木耳社)










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