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事実報道に本ブログ記事が連載されています。

 

ここ1年で急激に衰えた母。

何を食べても美味しくないと言い出したのも、2年位前からだったか。

どちらかと言えばふくよかであった母の面影はもうない。いまは骨と皮ばかりである。

食べられなくなって、痩せて、老衰で死ねるのであれば、それが一番楽だという話もある。

私は、母の意思を最大限に尊重したい。

 

地方出張から帰ってくるたび、母には出来ないことが増えていった。

少しずつ、家での私の役割が増えていく。

それが、時間がそれ程残されていないことを私に知らしめるのだ。

 

子どもの頃、あれほど逃れたかった母からの呪縛。その母と2人で暮らすことなど想像も出来なかった。縁とは一体何なのだろう。

この母の子どもであることが私は苦しかった。その強すぎる愛情は、私には支配にしか思えなかったのだ。

 

私には姉が一人いる。姉は衰えていく母が受け入れられない。

それゆえ、母の失敗を責めてしまう。母は姉の援助を疎んじ、受け入れない。

私は受け入れようと思う。

年を取るということは、我慢しなくて良くなる事だと私は思う。

母の失敗には、イライラするが、私には受容する以外にないのである。

 

それだけの苦労をした人でもある。

生ごみは庭に埋め、ゴミの分別は完璧にやる。洗濯は前日の残り湯を使う、バケツで洗濯機に汲み入れる作業を何十年もやってきた。良く働く主婦であった。

それが出来なくなり、ゴミの処理がなかなか出来なくなった。

私がやろうとすると怒るし、出来ることはやらせることが能力の衰えを遅らせると思い、出来るだけ手を出さないでいたが、今は何も言わずに黙って私がやっている。

認知機能が落ちたので、知らぬ間にやるのが正解である。

 

ここ半月は非常に具合が悪い。

あらゆる機能が下がり、便秘で腹痛を起こした。

夜中に何度もえらい(山口弁で苦しい)と起こされ、大人になって初めて母の体をさすった。

ついに、私が出張の間に、痛みに耐えられず、初めて救急車に乗り、初めて入院もした。

正直、もう、快復しないのではないかと覚悟もした。

 

母は、輸血をして、多少元気を回復するとすぐに家に帰りたがった。

姉は、そのまま、入院することを望んだが、私は帰してあげて欲しいと伝えた。

「死んでも良いから帰りたい」

家に執着、そういう母の心情は理解できた。

家族旅行に行っても、すぐに帰りたがる人だった。

姉には、医師の指示を覆して帰すことの決断が出来ない。

私にその決断が出来たのは、長く精神医療の活動をしているからだろう。

命を長らえさせることより、母の意思を尊重することの方が勇気がいる。

家に帰すには、家族が腹をくくる必要がある。

 

今回、医療には世話になった。

役にたったのは、救急の処置と検査である。

超音波で痛みの原因が便秘であることがわかり、貧血は一時的に輸血で解消した。

けれども、その後の快復においてはあまり役に立っていない。

痛いからといって出されたロキソニンや胃薬は、かえって体を冷やして、便秘を悪化させるだけだと思う。

 

役にたったのは、オルタナティブに参加いただいている薬剤師やホメオパスだった。

ミネラル水やクロレラ、便秘解消のサプリは効果てきめんであった。

痛みの元の便秘は一日で解消し、そのおかげか、ここ2、3日はここ一年で一番食欲もある。

(一時しのぎでーしかないと思うけれども)

食べることさえ出来れば、もう少しの時間延長は出来るかもしれない。

 

 

 

 

 

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