リチウムの相談いただいたので、了解を得て紹介します。

以下メールから

抑鬱が続いて2003年、22歳時に受診。初診で出されたルボックスを真面目に1ヶ月飲んでしまったのが運の尽きでした。悪化の一途をたどり、処方があれこれ変わりながら、8年も通院服薬してしまいました。途中一度入院あり。

デプロメール+ジプレキサ処方もあり、どおりで記憶がなくなるくらい具合が悪くなるはずだ…と納得しました。自分の身にどれほど酷いことが起きていたか、あらためて再確認しています。
昨年10月から、主にインターネットの情報を頼りに、ひとりで減薬中です。

質問はリチウムのことです。

炭酸リチウムを2009年6月から約2年飲みました。双極性障害への診断変更はありませんでしたが、抗うつ薬やらベンゾ系の長期服用によって気分の変動が激しくなっていたので(ラピッドサイクラー状態)、気分安定薬を…という典型的なパターンだったと思います。
1年、1週間、1日、1時間単位での浮き沈みに、人生を翻弄されていました。減薬したら嘘みたいに落ち着いてしまいました。

リチウム服用量は400~800ミリ (平均600)。服用半年後くらいからやたら喉が渇き、水を飲む量が増え、水筒が手放せなくなりました。飲んでは出す…を繰り返していた時期もあります。
最近になって添付文書を読み、重篤副作用の尿崩症の記述とそっくりの状態だったと分かりました。
当時医師には何度も症状を話し、困っていると伝えましたが、尿崩症という言葉はもちろん、腎臓への影響や副作用の話は一切なく、処方が変わることもありませんでした。(精神薬全般の口渇の副作用として )仕方ないんだよなぁ…的なニュアンスの対応だったので、わたし自身も深刻に思わずにそのまま飲み続けてしまいました。
その後も口の渇きが続き、いよいよおかしいと思い、2011年4月に中止しました(医師には伝えず)。
中止後も喉の渇きが続き、単に水を飲みたいだけでなく、唾液が出ず、じっとしていると口が痛いので水を含まずにはいられない…といった状態に変わりました。寝る時にも気になって眠れない、口を閉じていても不快感でいっぱいなど、日常にも支障を感じるようになり、気が狂いそうになることもありました。
何度も何度も訴えた結果、訪問看護士から尿崩症のことを聞き、昨年10月に内分泌科で血液検査をしました。(ようやく医師から正式にリチウム中止となる)。
BNP、バゾプレッシン、抗SS-B/La抗体、抗SS-A/Ro抗体、の異常はないとの結果でしたが、唾液が少なくなり、食べること、話すことも辛い状態なのは変わりません。減薬を始めてから唾液の出ないのがさらに強まったような感じです。

副作用発生から2年以上経ってしまいまました。尿崩症だった場合、緊急の処置をしなくてはならなかったはずですが、その時期を過ぎてしまった場合どうすればよいのか。服薬をやめても症状が残る場合どうしたらよいか…など疑問は尽きません。医師からはそちら(内科)のほうは詳しくないのですみません…といった応えだけです。

血中濃度は、2年半の間に9回ほど測っています。
早朝服薬前という指示はなく、かなりいい加減なものだったと思いますが。

途中で甲状腺機能の低下があらわれました。医師は、リチウムの影響だと思うけど服薬は維持できる範囲、と言っていました。
今になって冷静に考えると、そんな重大な副作用を出してまで薬を飲まざるを得ない状況では、全くなかったです。
リチウム中止後、甲状腺の数値は通常に戻りました。

精神科では医師側も患者側も副作用を過小評価、軽視することが本当に多かっなあと感じます。
難しい病気だから多少の副作用は我慢すべき、我慢するのも仕方ない…といった感じで、副作用に耐えている人が多かったです。

減薬はなんとか無事に進み、5種類の多剤からレキソタン0.5ミリまでようやく辿り着きました。このままゼロに向けてがんばります。

シンポジウムには、実は母も一緒に連れて行きました。私が減薬の話をしていたこともあって、内容に納得してくれていたようです。
お年寄りに睡眠薬や安定剤がたくさん出されていること、気をつけないと危ないよ!と伝えました。

薬がどんどん抜けていく過程で、色々な感情や思考力が戻ってきて、どうしてそもそも病院に行ったのか?の根本問題が解決していないことに気づきました。
精神科に二度とかからず、問題に取り組むことで、私の中のほんとうの「離脱」ができるかな、と思います。


引用以上

リチウムの副作用と、
服用のリスクとベネフィットのバランスが酷く悪い良い例です。
副作用が如何に過小評価されているか良くわかります。

この方は、独自に減薬されています。
自分で減薬することを私は奨めないけれども、自己責任で減薬することも止めもしません。
なぜなら、減薬指導してくれる医師がそれほどいる訳ではないからです。

探していなければ仕方がないと思う。
但しその場合は十分に情報を得てからにしましょう。

6月2日(土曜日)に向精神薬の勉強会・精神医療被害連絡会の懇親会を開くことにしました。
詳細決まりましたら、告知します。

場所は、東京世田谷区の下北沢タウンホールとなります。