スタンスをはっきりさせておきたいので書いておきます。

精神医療被害連絡会は、設立の趣旨として述べているように、被害者の救済が最大の目標です。

精神医療で大部分の人々がメリットを得ているのなら、副作用被害者が社会から救済を受ける権利がある。

精神科医を撲滅する事を目的としているのではありません。
真実が明らかになり、結果として、そうなる可能性も0ではないかもしれませんが。

もし、私が神なら、何人かの医師は、すぐにでも地獄に落とすでしょう。
正直なところ、今の精神医療ならば、無くなった方が良いとも思っています。

しかし、それを裁くのは残念ながら私でもないし被害者でもない。

裁けるのは、今のシステムのままだと、医師自身もしくは司法しかない。
(ホントに地獄に落とすのは、神様の役目)

医師の自律作用だけに任せられないのは明白。
よって司法に期待するしかないのだが、残念ながら司法のシステムもまた医師を守るように出来ている。
PMDAの副作用被害救済制度もまったく機能していない。

法律もチェックしましたが、法律も変えないとダメですね。
その為には政治家も使う必要があります。
法的に医師に指導できるのは医道審議会しかないのです。
医道審議会の選定条件を替え、第3者を起用する必要があります。

(政治、厚労省に対するアクション)
・医道審議会の改革
・医薬分業の実態化
・医薬品添付文書遵守を求めること
・disease Mongeringの規制強化

裁判においては、判例と医師の意見書及びその時点での標準治療は何であるかが重要です。
判例を分析して分かったのは、精神医療は特別だという主張がネックになっているのです。
多くの敗訴事例で、精神医療は特別だという精神科の権威の意見を採用されています。
普通の医療の基準で裁かれれば、もう少しは勝訴しているはずです。

(医療界に対するアクション)
・他科の医師の理解と応援を求めること
・学会の標準治療は何かを求めること(基準の無いことが一番の問題)
・数少ない原告側協力医を応援すること

これらのアクションを後押しするのが、実際の被害者の声であり、マスコミの役目です。

(社会に対するアクション)
・被害を社会に知らしめる活動(社会問題化させる)

厚労省も、マスコミも、医学界も、精神医療学会も一枚岩ではありません。
それぞれに理解を示す味方がいない訳でもありません。

学会では、昨年から、製薬会社と金銭的な繫がり、利益相反の医師の発表を禁止しています。
学会で頼りになりそうな発言をしている医師を何人かピックアップします。

特ダネでの斎尾医師の発言。
「大学教授レベルが悪処方を垂れ流している。」

Twitterでの松本医師(今回特集に寄稿)の発言。
「薬物依存臨床では、近年、睡眠薬や抗不安薬などの精神科治療薬の乱用が問題となっている。乱用薬剤として多いのは、処方頻度の高さから、ベンゾジアゼピン系もしくはその近縁薬剤である。」

「こうした精神科治療薬乱用の背景には、わが国の精神科医療のあり方が無視できない影響を与えている可能性がある。最近では、わが国の精神科医療に見られる多剤大量療法に対する批判な報道も増えたが、ある意味で、こうした批判は遅きに失したという印象もある。」

「すでに10年前より、当時、薬物依存専門病院に勤務していた私は、ダルクのスタッフから、「なぜ精神科医は、患者が何か訴えるたびに薬を増やすのか? おかげで覚せい剤をやめても今度は処方薬でおかしくなってしまう。精神科医は『白衣を着た売人』か」という耳の痛い批判を再三聞かされてきた。」

「我々精神科医は何としてもこの汚名を払拭しなければならないし、『乱用するのはパーソナリティ障害の患者だけだ』などといった、患者の個人病理のみに責任転嫁する、よくあるタイプの弁明を許してはならない。」
「いまや睡眠薬や抗不安薬はわが国第2位乱用薬物であり、乱用患者の75%が精神科医から「薬物」を入手しているのだ。専門家はこの事実から決して目をそらしてはならないだろう。」

「近年、精神科診療所数と精神科通院患者数は年々確実に増加しており、さらに自殺対策として展開されている啓発がこれに拍車をかけている。皮肉な見方をすれば、『薬物』使用経験者は年々増えており、2008年の向精神薬処方日数の規制緩和により、患者が一度に多量の薬剤を入手する機会も増えた。」

「私はこうした事態への対策として、『ベンゾジアゼピンの依存性に関する卒前・卒後教育の強化』などといった、おきまりの提言だけでは生ぬるいと考えている。すでに患者は多数存在するのである。専門的な治療体制を整備し、医療のなかで生じた薬物依存を医療が責任をもって回復させる必要がある。」

井原医師(寄稿)
早期介入、Disease-mongering
http://blogs.yahoo.co.jp/kebichan55/52829230.html

中安医師(寄稿)
鬱病は増えていない。
http://ameblo.jp/phantom-nightmare/entry-11169315678.html

多くの人間が、総論賛成各論反対の立場に居るはずです。
しかし現在は、遂に各論反対の立場も危うくなりつつあります。

ここ数年が、最初で最後のチャンスだと私は考えています。

これらのアクションについて、私にはおぼろげながらプランがあります。
しかし、そのアクションの後ろ盾となるのは、被害者やその家族の強い要求です。

一つ宣言しておきますが、
私はこうした一部の精神科医を応援します。

精神科治療学の特集は、これから一つ一つ精査して意見を書いていきます。
(こちらの感想・意見は、彼らに読んでもらう努力をします。)
これは、昨年の第107回日本精神神経学会の動きをさらに後押しするものです。

最後に、こういう風に書くと、
精神科の治療に対するそもそもの是非はどうなんだ?
との批判を受けそうですね。

私的な意見としては、
「向精神薬で救われる人はわずかだがいる。但し、それでも薬物の使用は、急性期の少量での一時使用に限る。向精神薬と自殺の因果関係はもちろん黒です。」
と思っているが、残念ながら私の立場では、被害者の意見しか聞けないため、最終的な確信が持てない。と言うのが正直なところです。

さらに、最近、気が重いのは、問題の多くが精神医療特有の問題ではなく医療全体の問題であることです。