3段階:多剤大量処方、処方薬依存




 さらに、ここから、国際常識(睡眠薬や抗不安薬を長期に処方しないという)を無視した睡眠薬や抗不安薬の長期処方が行われます。


長期(せいぜい23カ月)の服用により薬への耐性が形成されると、薬が効かなくなり、同時に薬が減らせない状況になります(やめようとすると離脱症状がでる)。


ここで問題となるのは、処方薬による薬物依存を処方した医師本人が認めないことです。


(これが後述の副作用報告制度の問題に繋がります。)




薬の副作用の症状を、本来持っていた病気が発現したとか悪化したと主張します。


そのため、薬の変更では無く、多くは新しくより強い薬が追加されます。多剤大量処方の始まりです。同時に病名も増えて行きます。


 


立派な処方薬による薬物依存症患者が出来上がります。(資料4)




 この時点で、その症状が、元々の疾患が悪化したものか、副作用によるものか判断不能な状況に陥ります。






4段階:さらに強力な薬物処方




さらに、薬が効かなくなると、最終的に強力なバルビツレート系薬品が処方されます。また、日本の精神医療独特の手法ですが、べゲタミンの成分の一つである少量のコントミン(抗精神薬)を処方します。少量のコントミンは、他の薬の作用を2倍~10倍増強する働きがあります。


(このべゲタミンと言う薬は、日本でしか使われていません。)


ここまで来ると、死亡へのリスクはいきなり増大します。


東京都医務監察院のデータにおいて死亡事故の多くにべゲタミンが関与している理由はこれです。




50代以上の日本人は、睡眠薬は事故が多いという恐い印象を持っています。それは、戦後流行し、多くの死亡事故を起こしたバルビツレート系の睡眠薬の記憶があるからです。バルビツレート酸系の睡眠薬は、最も古い睡眠薬で、致死量と効果量が非常に近い為、最近の精神科の教科書には、名前も出てこない代物です。しかしながら、東京都医務監察院のデータが指し示すように、いまだに少なからず処方され、これだけ多くの事故を引き起こしています。




 危険だから、教科書からも削除された薬が、これだけ多くの被害を引き起こしている理由は一体何なんでしょうか。