2番底に向ってまっしぐらである。
米国も日本も、同じ現象が起きている。
失業率、景況感が改善しないのに、GDPは、プラス成長である。
この実感なき景気回復は、日本では、もう10年以上続いている。
赤字国債の大量発行が始まってから、ずっとである。
GDPの成長分は、全て国が背負っているということだ。
リーマンショック以後、欧州も米国も、まったく同じ事態に陥った。
問題は、国が背負った分(日本40兆円、アメリカ150兆円)が、実体経済の回復に効いていないことにある。
GDPが成長したとしても、国民に行き渡らないということだ。
それにしても、日本は、この状態を10年以上続けているのだから、どんだけ余裕があったのかといまさらながらに驚く。
しかし、景気の低迷期は、格差が広がる。
公務員と大企業の所得が相対的に増大するのだ。国が吐き出した金は、そこに吸い込まれるだけである。
最初に、欧州が耐えられなくなりそうである。それがギリシャ危機である。
前回は金融危機であったが、今度は国家財政危機(ソブリンリスク)である。
次は、南欧か、それとも、イギリスか。
民主党の政策の、民間に直接金を配るという発想は間違いではない。
どうせ配るならその方が良い。
いつの世でも、政治の役割は、富の再配分である。
現在の成長を支えているのは、実体経済とどんどんかけ離れて行く金融経済である。
かけ離れていくということは、いつかその価値が暴落するという事である。
こんなのは、経済理論でも何でもない、当り前の自然の摂理にである。
金融経済は、錬金術である。
ずるがしこい奴ばかりが得をすることになっている。
けれど、錬金術はどこまで行っても錬金術、結局はバブルである。
どうせ作るなら、国内にバブルを作ってくれ。
どっちにしたってバブルははじけるけどね。