不思議な体験をした。


サル友が、僕に会いたい人がいるというので、家にご招待した。

最近、占いで稼いでいるという。


彼女の命式をみると、いわゆる理論派の占い師ではない。

で、どんな占いと聞くとやはり霊感を使ったものなのだそうだ。


占い師を占うという良くわけのわからないことをやることとなった。


ところが、一通り占ったあと、

じゃあと僕の占いを始めた。


なんと僕の亡くなった妻と会話を始めた。


その言葉を聞いて僕は驚いた。

まるで、まるで亡くなった妻の言葉を聞いているようなのだ。

彼女の言いそうなことが沢山出てくる。


凄い。

僕は、魂の存在を肯定も否定もしない。

分からないから。

でも、彼女の言葉には違和感は感じない。

わりとすんなり納得している自分に驚いた。


亡くなった妻もそして僕も、深い深い絶望の中にいるという。


そう、その通りだ。

僕も彼女も深い深い絶望の中にいる。

子供のころから絶望していることを彼女は見抜いた。

煩悶。

そう、物心付いた頃からずっと煩悶している。


どうしたら、この絶望から抜けられるか考えてくれると言う。

もう、絶望することには慣れている。

そこから、抜けたいという希望さえあまり持っていない。

それでも生きていく術を僕はもう持っている。


だが、突然、やってきて、この展開。

不思議でしょうがない。

なんの思し召しなのだろう?


聞けば、彼女のお客さんは、臨床心理士が多いのだという。

占い師が占い師に頼るのもおかしな話だが、

臨床心理士が占い師に頼るのはもっとおかしい。


この不思議な訪問者。

これから、何かが始まるのだろうか。


だが、今から、結果は気にしない。

なぜなら、それは僕の決めることではないし、絶望することに僕は強い。