久しぶりに母娘が遊びに来た。
ずっと支援している母と娘だ。
娘はハーフ(ドミニカと日本)でとてもキュートだ。
母親は、僕がこの娘をとても可愛がっていることを知っていて、定期的に家に遊びに来る。
僕の愛情が冷めないように。そして僕は、まんまとそれに嵌る。
母子家庭であるから、その生活は経済的にギリギリである。
子供が小さいのでフルタイムで働けない。
そのため、大学病院の電話オペレーターを一日5時間だけ働いている。
月収は10万円に満たない。
彼女は元不良娘だったが、今では逞しい立派な母親となった。
その彼女が発した言葉が、
「普通に暮らせるだけで幸せ。」
である。
その言葉を初めて聞いた時、僕はハッとした。
もちろん、状況のなせる技なのだが、実に正直な言葉である。
僕は、幸せをそんな風に考えたことが無かった。
普通に暮らせるだけで幸せかあ・・・・・
今では、その言葉が身に染みる。
幸せとは、成功することだと思っていた。
人より良い生活が出来るとか、人よりいい女と付き合うのが幸せだと。
これだけ追い込まれないとそう思えなかったのだから、僕はまったく救われない。
彼女は、あの娘を通じて、人の暖かさを知った。
親は子に教えられるとは良く言ったものだ。
そして、さらに僕は、彼女達に学んだ。