新しい事業プラン。


んーっ・・・・・。難しい!!!

こんなに事業プランを考えるのが、難しいと感じたことは、今だかつて無い。


唯一判っているのは、提案が通るとしたら、コストセーブの案件のみだ。


ここ昨年のサブプライムショックまでのかりそめの10年の経済成長の中で、大企業のコスト体質は、異様に上がった。コンプライアンス尊守、リスクマネージメントという名目で、本業以外の間接コストが跳ね上がったからだ。この場に及んで、みなその扱いに困惑している。


単純だ。売上が立たなければ、コンプライアンスやリスクマネージメントもへったくれも無いのだ。

そもそもの資本主義経済が揺らいでいるのだ。


高コストの大企業の仕事をターゲットにする。

事業プランとは言えないが、チャンスはそこにしかない。


事業プランは立たないが、唯一、心に決めた経営方針だけはある。


・とにかく身軽になることだ。


この時代に、重装備は、命取りだ。


気張ってもしょうがない。激流の中をこの葉のように浮いて流れに身を任せるのだ。

重いと激流に巻き込まれる。

それ以外に生き残る術はない。


今年の売上は3割減、来年は、もしかしたら5割減まで覚悟しなければならない。

その先は、まったく見えない。


だが、覚悟はもう決まった。何が起きても驚かない。

ここからが、僕の特異能力のはっき所である。


身を捨ててこそ浮かぶ瀬もある。


身を捨てることに、人より抵抗はない。

一度無くした命。

無くすものは、はなから無い。


そもそも、天はそのために僕を生かしたのではないか。

また地べたを這いつばって、砂を噛んで、また立ち上がることを僕は強いられている。


何のカルマが僕にこうした試練を課すのか、運命を呪いたくなる時もある。


だが、今の世は、普通に生きられるはずの人達が、突然の嵐に翻弄されている時代である。


リーダーシップを取るのは、おそらく僕の天命なのだろう。


そう思うことにした。