はっきり判ったことがいくつかある。


この一年間、毎日、その検証に費やした。

個々のニュースも、その視点から眺め続けた。


グローバル経済の崩壊都市の崩壊


この2つは、もはや決定的だ。


グローバル経済の崩壊とは、日本に暮らす我々にとっては、アメリカを最終消費地とした貿易立国モデルの終焉を指す。それと同時に、アメリカ従属の終りがやってくる。

世界が、ある程度、保護主義に向かうのは決定的である。

EUやNAFTAといったブロック経済が、今この時代に存在しているのも偶然ではない。


金の切れ目が縁の切れ目とはよく言ったものだ。


結果、日本は自立の道を探さねばならなくなる。


情報革命によって構築された日本のこの巨大な社会システムは、効率化の名のもとに寸分の隙のないほどに出来上がっている。一見、堅牢に見えるこの巨大システムは、この大いなる変化に耐えられない。

長らくコンピュータシステム構築に携わっている者なら、肌で知っていることだが、高度に出来上がったシステムほど、変化に対応できない。そして一度崩れだすと一気に崩れる。


我々が、この半年で経験したこの景気悪化のスピード感がそれを証明している。

そして、次の社会システムを再構築するまでの間、長い冬の時代がやってくることになる。


皆が信じている’お金’そのものも、大きなシステムの一部に組み込まれていることを理解せねばならない。

物の価値の変化には敏感だが、’お金’そのものの価値の変化には鈍感だ。

今回の変化は、お金そのものの価値観の変化に必ず及ぶ。


この冬の時代を乗り切るヒントはそこに隠されていると思う。


金も物も余っているのに、デフレ。

これはどういうことだろう。

こんな馬鹿な話はない。

社会システムそのものがおかしいとしか思えない。


富(お金ではない)の再分配は必然だ。

それをせねば、この国は滅ぶ。


昨日、労働者の月額の平均賃金が30万円を切ったとのニュースが出ていた。

団塊の世代の退職がはじまったのと、40、50代のサラリーが下がったのが原因ということだ。

一部の輸出企業の労働分配率が問題にされているが、問題の本質はそこではない。


やるべきことは、富の再分配をお金以外でやることだと思う。


・公営住宅の拡充(民間の余った住宅の借り上げ)による安い住宅の提供

(今の高い公営住宅ではない。)

・太陽光発電設備の設置費用の助成

など、


給料が下がったとしても、生活費が下がれば良いのだ。

生活インフラが、安く提供されれば、’お金’経済は、ほんの少しで事足りる。


給料の半分近くが、税金や保険に取られ、そのうえ高い家賃を払う都会のサラリーマンは、もっと怒るべきだと思う。

半分も取るなら、生活インフラをもっと安く提供せよと。

健康保険料もあんなに取られているのに、なぜ医療崩壊なのだ。


医療から、金権体質を排除しろ。

医学部の授業料など国庫負担で全額タダにすれば良い。

6万人の医学生に対し、一人年間1000万。


わずか、6000億円の予算で実現できる。


世襲ではなく、志のある人間が医者になれば、医療業界全体がクリーンになる。

製薬会社や医療機器メーカーなどを含めた業界も変わるはずだ。


同じことは、教育分野においても可能だ。


住宅、教育、医療が何とかなったら、あとは、食料と水と光熱費だ。


太陽光発電は、ほんとにすごい。

ずっと調べているが、悪いところは何もない。


唯一残された問題は、初期費用の問題だけだ。

現在では、初期費用の回収が20年~30年かかる。

それも、発電効率の技術の向上により、もう少しどんどん短縮されている。

(日本より金のないはずのアメリカは凄い勢いでやっている。)


4000万世帯、全ての住宅に太陽光発電設備を設置する費用。

4000万×300万。


120兆円。とてつもない金額に思えるが、この投資はそのほとんどが国内で使われるのだ。

資金の流出は、材料費だけ。

太陽光発電国債でも発行して、日銀で刷ったお金でまかなってしまえ。

その効果は絶大で、かえって円は高騰するかもしれない。

300万の初期費用で設置できる今の技術水準の太陽光発電装置は、家庭の電力をまかなうだけでなく、その倍くらいの電力を作りだせる。


現在の家庭用電力の日本の総電力使用料における割合は約25%。

産業用電力の3分の1もこれでまかなえる。

製造業も電力コストがさがり、競争力も大幅アップだ。


もう一つ、注目している発電技術がある。


マグマ発電である。

今、言われている地熱発電ではない。

地下4KMより深い、400℃位の地盤の熱を利用した発電である。

(さらに、マグマそのものを使う研究があるようだが、そちらはまだまだ夢物語のようだ。)


これの良いところは、太陽光より安定的に使えることだ。

(マグマに昼も夜もない。)

火山国日本には、もって来いのエネルギーだ。


この技術もすでに確立されている。

国内に17か所の発電設備がすでにある。

2月8日のニュースによると、地熱発電の電気の買い取り制度を電力会社に義務づける法案がだされるということだ。ただ、あと20年で3倍の発電量を目指すという、なんとも情けない目標だ。

桁が違う。


ヒートポンプ(エコキュート)などの技術も素晴らしい。

これもすでに家庭用の普及レベルにある。

空気や地熱から、暖房はもとより冷房も出来るすぐれものだ。


光熱費から解放されれば、農業の近代化も急速に進む。

食の安定供給にも貢献するはずだ。


これらの技術は、それぞれが互いの欠点を補いながら、複合的に進歩していく。

(そのうち、ウンコも使われるに違いない。)

電気自動車しかり、燃料電池しかり。

地球にやさしどころか、地球に貢献するものだ。


江戸時代の日本人は、鎖国した状態で、まさに自給自足の生活を送った。

人口は、約3000万人だったという。

江戸時代、最後の100年くらいは、あまり増減はなかった。

もちろん、天災や気候不順により飢饉も何回も起きた。

けれど、3000万もの人間が、そこで生活していたのは事実である。


1億2000万人の人口を抱える日本で、そんなことが可能か?

答えはYESだ。


技術はすでに確立している。

後は、人間の考える問題に過ぎない。


結局、太陽と地球のおかげで救われることになる。


人間生活のインフラが、太陽と地球エネルギーによって提供されれば、人間の暮らしは激変する。

ただ生活するための’お金’の役割は、今よりずっと小さくなる。


経済成長など必要ない。

豊かさを測る尺度をお金に求めることもなくなる。


経済規模が、中国やインドに抜かれても関係がない。

少子化の日本は幸いだ。資源戦争からも解放される。

外国の欲しがるものだけ製品を作り、覇権とは関係のないところで生きていけばよいのだ。

中国の人達には申し訳ないが、世界一の経済大国になっても、世界一豊かな国には絶対になれない。


日本人は、日本で生まれてホントに良かったと思える時代が来ると思う。


資源エネルギーへの投資は、この現物経済と金融経済がかい離した今こそ迅速に進めるべきだ。

いずれにせよ近いうちに金融経済は破綻する。

破綻する前に、やっちゃった者勝ちだ。


欧米もやる気だ。

全ての投資を太陽と地球エネルギーの向けても良いくらいだ。さっさとやれ。


救世主は、太陽と地球。


間違いない。