我が社では、11人の社員が居る。
大企業風に言えば、総合職が10名、一般職が1名だ。
10名が全員が、自分で意思決定をして仕事をしている。
僕の仕事は、仕事を与えることではない。方向を指し示し、彼らの仕事を承認することだけだ。
一般職の1名と社長の僕で、総務系の仕事を全てこなす。
僕の会社の自慢は、ぶら下がり社員が一人もいないことだ。
この13年の歴史の中で、今が一番生産性が高い。
この一年間、残業は、ゼロだ。
1円でも良いから、会社に貢献してくれるなら、ずっと働いてくれ。
これが、僕が口癖のように言う言葉。
実は、これは随分、厳しい要求なのだ。
年収1000万なら、設備費用も含め1500万くらいは自分で稼げといっているのと同じ。
(それ以上、稼ぐのなら本人に還元する。これがルール。)
かつて、リクナビ等で人材募集をかけた折、そのような事を書いたら、ほとんど応募が無かった。
今でこそ労働者の多く、日本では半数がホワイトカラーに分類されるサラリーマンだ。
アメリカで40%。発展途上国では10%に満たない。
(中国やインドでは、この10%が所謂エリート層だ。ホワイトカラーが多ければ多いほど、国は豊かだという方程式は成り立つ。)
日本でも、大正の頃のサラリーマンは、超エリートだったのだ。
これだけ、サラリーマン(ホワイトカラー)が増えたのは、日本が如何に恵まれていたかという証明でもある。
会社に命令され、理不尽な労働を強いられ、うつ病になるような仕事をやらされている人をホワイトカラーと呼ぶのには、抵抗がある。
これから、このホワイトカラー層のリストラが起きる。理由は、ホワイトカラーの生産性が余りにも低いからだ。
(国際化の影響や、コンピュータネットワークの発展は、ホワイトカラーの合理化に繋がる。)
派遣社員の活用で、財務体質を強化した企業が、厚生年金法の改正により、メリットがなくなり、今度は、業務そのものの合理化を始める。誰でも出来る仕事は、外部委託となる。
極端な事を言えば、意思決定するものだけがホワイトカラーとなるはず。
このホワイトカラーに残れるサラリーマンは、高給が保証されるだろうが、そこからあぶれたものは、給料は下がり続ける。
エリートでも何でもないものがホワイトカラーと呼ばれ、年功序列、年功賃金を得ていたのが、是正されるのだろう。
欧米では、ホワイトカラー以外の就労形態の給与は、30代で頭打ちとなる。
日本が普通の国になるとしたら、このグローバルスタンダードへの調整は免れない。
フリーターやワーキングプアの問題と根っこは同じだ。
実際は、ホワイトカラーの仕事が無いから、失業しているだけ。
社会が悪いと文句を言っても、無いものは無い。
この問題へ処方は、地方産業の再生以外に無いように思う。
都会には、これ以上の雇用は期待できない。来るとこまで来ている。
ホワイトカラーに対してブルーカラーなる言葉があるが、そのイメージが悪すぎる。
職人系の仕事には、物凄くチャンスがある。
合理化が効かない世界。人手によってしか創造できない物を作る仕事。
そこには、無限大の可能性がある。
大量生産、大量消費が否定されつつあるのだ。
今こそチャンスだ。
大学は、理系を選べ、文系の仕事はドンドンなくなる。