三菱UFJがモルガンスタンレーに9000億円の出資をすると言う。


マスコミは、日系金融機関が攻勢に出たなどと報道しているが、諸手を挙げて賞賛するものでは決して無い。


これは13年、弱小企業をやってきた経験からそう思う。


会社の借金が一番あったときは、約1億円の借金をした。

その中身は、保証協会の保証付き融資が5000万、都市銀行のプロパー融資が3000万、旧国民金融公庫が2000万である。

この都市銀行の3000万は、中小企業の我々にしてみれば、その銀行が、とち狂った時期があり、お上から中小企業に貸せと圧力がかかっていたものだ。

その他の融資は、実質政府系の融資と言っても良い。

(ちなみに、我が社の金融機関からの融資残高は150万。)


200から300万の小口融資を除いては、銀行自ら、我々のような零細企業に金を貸すことは無い。


銀行の融資先は、まずインフラ系企業(鉄道など)、自治体、そして大企業だ。

大企業の4割は無借金経営で、バブル経済の辺りから既に優良企業は、銀行から金を借りなくなった。

だぶつくお金と担保融資の行き過ぎは、不動産に集中し、バブル経済を生んだ。

(このバブルの時に、お金って消えてなくなるんだと初めて知った。)


それから、20年近い月日が流れたが、内容はあまり変わっていない。

やはり、中小企業は相手せず。

個人は住宅ローン。この住宅ローンの殆どが将来金利が上がる商品だ。

日本でも、サブプライム問題は起きる。

(まあローン証券化は、一部メガバンクの一行しかやってないので多方面にリスクをばら撒くようなことは無い。)

ますます、金の貸し先が無くなったのだ。


で、行き場のない金が、モルガンスタンレーに流れるって構図ではないのか。


この20年に渡る、アメリカのビジネスモデルの象徴みたいな会社が、属国日本に出資を求めてくる。

そのこと自体、ビジネスモデルの崩壊を指し示すものと僕には見える。

(軟着陸の為の救済圧力があったかもしれない。)


アメリカのビジネスモデルが崩壊するなら、モルガンスタンレーの保有する金融商品は、これからもドンドン目減りする一方ではないのだろうか。


今回の原材料費高に合わせて、9兆円の中小企業救済予算が組まれる。

名目は、原材料の高騰で困っている中小企業の救済だ。

現実には、金融機関を通じて、企業に融資が実行される。

それはそれで、良いのだが、その9兆円で得をするのが、金融機関だけと云うのが気に入らない。


企業側は、原材料費高騰分の新しい借金をすることに変わりはない。

貸し出しリスクは、政府が負う。政府が負うとは、国民が負うに等しい。


ならば、国有銀行が一つあれば事足りる。

この際、日本中の銀行を合併させて、融資専門銀行と決済業務専門銀行を作るのはどうだろう。


僕らは何にも困りはしない。セブン銀行で十分。


それより、経営安定化の時みたいに、ばら撒き融資やってくれないかな。

中小企業の社長は、喜んで借りる。

(おバカなので。)

景気刺激策としては秀逸なはず。

(本音。)