王監督の第一線からの引退記者会見を見た。
この人は、何でこんなに誠実に見えるのだろう。
知的で誠実そして驕らず。
世の中は、ミスターをカリスマとして讃えるが、僕は圧倒的に王監督の方が好きだ。
台湾国籍でありながら、国民栄誉賞の第1号、実家は、中華料理屋である。
中華なべ一つは持って、海外に散らばった華僑の末裔とも言える。
思えば、王監督も、ミスターも、男やもめである。
奥様を先になくされて、一人暮らし。
まあ、お金はあるにせよ、似た境遇のものとしてその暮らしぶりが気になる。
僕と違うのは、彼らには立派なお子さんが居ることだが、報道によると、2人とも1人で暮らしているようだ。
(もちろん、お世話をしてくれる人を雇っていると思うが。)
一世を風靡しようがしまいが、男やもめには、独特の哀愁が漂う。
「正直、これから、何にときめいて生きていけば良いのか判らない。」
記者会見での言葉。
物凄く正直で、偽りの感じられないその言葉。
感動しました。
その率直さは、今までの人生に誇りを持っている人だけに許されるものだ。
王監督でも、そんな風に考えるんだ。
世の中の男やもめ達は、みな、勇気を貰ったに違いない。
何故、辞めるのかといえば、間違いなく健康問題だろう。
それ以外に理由はない。
健康であれば、さらに続けることは出来ただろう。
ただ一つ、唯一の理由である健康問題に触れることはなかった。
それは、男の美学。
衰えを理由にせず、潔く引く。
心から、尊敬します。