この子は母子家庭の女の子。2歳。
僕が、経済的に支援している。
母親は、社会的に見れば大バカものだ。
くずのような(彼女がそう呼んでいる)日本にいるドミニカ人の子供を産んだ。
父親のドミニカ人には、日本人の妻がいる。
時々バカバカしくなる。
子供の居ない僕が、わざわざ、他人の子の面倒を見ているのだから。
僕以前に、その屑ドミニカ人、彼女のご両親が面倒見るのが筋。
何度も確認するが、誰も当てにならない。全員無力だ。
金も出さないで、父親ズラ、じいちゃん、ばあちゃんずらすんじゃねー。
これが僕の本音だ。
この母子家庭の経済。
病院の電話受付(1日5時間)月収8万円。母子家庭手当て4万円。
これが収入の全て。家賃を僕が負担しているから何とか暮らせる。
時々、僕の心が萎えそうになって、どうにかしろと彼女に詰め寄る。
都の母子寮に応募させたこともある。
それが、一部屋4帖、風呂、トイレ共用の悲しいもの。ところが、これも応募者殺到で順番待ち。
現実を知れば、なかなかやめることが出来なくなる。
考えてみれば、彼女達の生活費は、僕のサルサ遊び代より少ないのだ。
以前書いた、塾代月10万円など別世界の話だ。
萎える心をまた奮い立たせる。
何より、僕をその気にさせるのは、この子の笑顔だ。
時々、僕の愛情が冷めないように、会いに来る。
母親は、確信犯だ。
母娘は、土曜日に、バスを乗り継いでやってきた。
なんと都バスは無料だ。
(最近、区の保育所に入れて、なんと保育所も無料なのだと。)
渋谷で待ち合わせる。
2ヶ月ぶりに会ったこの子は、寝起きで不機嫌。
公園に行きたいという。
そういえば、ミッドタウンの公園に行ったことがないので、そこに行くことにした。
公園側のテラスのあるレストランで食事をすることにした。
日よけのパラソルの下で風が心地よい。
この子は、皆に愛される。
ウエイター、ウエイトレスがかわるがわる見に来るくらい。
特製のお子様ランチを作ってくれると言う。
ハンバーグとパスタとフレンチフライの特製ランチを作ってくれた。
折角、作ってもらったのに、この子はもっぱら、フレンチフライとケチャップがお気に入りで、結局ハンバーグとパスタの殆どは、母親のおなかに納まった。
そして、遂には店からアイスクリームをせしめた。
東京ミッドタウンの公園には、子供連れの家族が沢山来ている。
ラルフローレンのようなブランド服を着た子供達が沢山いる。
(さらにブランド服を着たワンちゃんも)
この子の一番高い服は1500円なのだとか。
親バカでいうわけじゃないが、可愛い子は何着てもカワイイ。
(やっぱり、子供服なんかに金かけるもんじゃない。)
物心ついていないのがもどかしい。
僕は君の味方だよと言いたいが、まだ伝わらない。
5時間くらい一緒にいて、やっと仲良くなれた。
折角仲良くなれた頃には、もう時間切れだ。
交通費はタダと知っているが、母親に交通費を握らせてさよならをした。
不思議な縁は、まだまだ続く。