亡き妻の忘れ形見。
皆のアイドル、わが黒猫のアリスの飼い主の僕が、
なんと!!重度の猫アレルギーなんですと。
血液検査の結果が出て、女医に言われた。
しょうがないので、
アリスを捨てることにしました...
なわけ、あるわけ無いだろーっ。
一瞬でも、僕を疑ったあなた、お付き合いやめます。
人間の女子は捨てても、猫は捨てられんのだ。
(暴言だが、猫アレルギーの女子とは付き合えないのはホント。)
しょうが無い、これからはいつもの倍くらいお掃除をします。
へやが綺麗になるから、
こりゃあ、’ありがとう、猫アレルギー’だ。
まさにこれが僕の運命だ。
避けて通れないのだから、これは、やっつけるしかないっしょ。
実は、物凄く不思議な事がある。
このアリス、絶対にベットに上がらないのだ。
絨毯で寝ていると、必ず、側に来て、僕の腕枕で一緒に寝る。
ところが、僕がベットで寝ていても、絶対上がってこないのだ。
アリスは、柔らかい長毛なので、アリスの寝てる場所は、いつも毛だらけ。
うーん、アリス、君はもしかしたらこのことを知ってるのかも知れない。
うちの母親が酷いことを言ったことがある。
黒猫は、魂を吸う。
ほんとに酷い。だがらベットに上がらない?ってか。酷い。
猫好きの女子が来ると、この子はほんとに活躍する。人を怖がらないから。
膝に抱っこしたければ、ソファーに座りなと言う。
ソファに深く腰掛けると、アリスは飛んで来て膝に乗って、顎あたりをペロペロ舐める。
ひとしきり舐めたあと、膝の上に丸まって寝るのだ。
昨日は、そのあとで、女子に2番目の奥さんとはどうして別れたの?と聞かれた。
亡くなったんだよ。アリスが膝に乗るのは、アリスが赤ちゃんの頃から亡くなった妻とやっていた光景なんだよ。
と説明した。
だから、余計に手放すことなど出来ないのだよ。
過去は消すものじゃなくて、背負わなきゃいけない。いや背負わされる。
現実(猫アレルギー)も、それが都合良かろうが、悪かろうが、背負うものは背負う。
泣き言は言っても良いが、目をそらしてはならぬ。
この3年間、きりがないからと妻のものを少しずつ捨ててきた。
少しずつ記憶も。
でもね、無かったことにして、のうのうと暮らすつもりは全く無い。
妻との事は、僕の過去で一番大きな記憶。今の自分は、彼女無しでは有り得ない。
彼女を含めての僕なのだから、
だから、死んでも、アリスは捨てん。