お食事の件で、女医さんと複数回メールのやりとり。


絵文字も必要最小限。敬語の使い方もパーフェクトだ。

知性も感じられるし、僕との食事へのやる気も感じられる。


医者だが、公共の病院に勤める彼女の身分は公務員だ。

年齢もまだ知らない。

おおよそ30歳として、

地方公共団体の医師の募集要領をみると恐らく年収は600万から700万くらいだと思われる。

(残業、夜勤手当などを含め)

何より彼女は救急医だ。それももっとも重度の患者が運ばれるレベルの病院。

週に何度か夜勤があり、そこには僕のような生死に関わる患者が運ばれてくる。

名前でググると何とか学会やらでの研究発表の足跡もみえる。

その労働の過酷さが伺いしれる。


最近は、医者が医療過誤で訴えられるリスクが非常に高くなっている。

かくいう僕自身が、医者を提訴している。

何か生命に重大な影響を及ぼす処置をする場合には、患者および家族の同意をとるのが普通だ。

僕の場合、一人暮らしで週末に意識不明で運ばれたので、すべての決定は彼女の責任のもとで行われたはずだ。その場での唯一の決定権者である彼女はリスクを負ってその職責をはたした。


経済的にも、もっと報われてしかるべきだ。


今回の食事を了解もそうだが、彼女は全て即答する。

常に自分で考え、自分の責任で決断している証拠だ。先送りにしない。

常に自分をそう言う状況におかねば出来る事ではない。

尊敬の念を抱かさざるを得ない。

そしてその若さがさらにその念を強くする。


片や、心療内科医との裁判を抱える身だ。

そして、筋金入りの医者嫌いときてる。

その僕からみても彼女は世間から尊敬されるべき存在だ。


その姿勢は、僕の裁判相手の医者とはまったく違う。


ドラマよりもドラマチックな展開。


そして物語は始まったばかり。