大きな会社では通用しないのだが。
17年くらい通っている店がある。
17年間の間にホステスはドンドン変わっていくが、オーナーママはずっと同じ。
それだけの年月をかけて付き合っているともう他人とは思えない。
そのママの経営手法がとても気に入っているので紹介したい。
その店は、働く女の子にも凄く人気がある。
ノルマなし、同伴なし、そしてあまりルールが無いのがその理由だ。
新しい女の子が入るとママは何も指示することも無く、じっとその娘を観察する。
そして待つ。この待つことに価値がある。
注意したいことは沢山あるに違いないが、その娘の振る舞いとその娘が参加したことによる店の化学反応をじっと観察する。
そのうち、実力のある娘ならば、店での自分の役割、立ち位置を自然に獲得するのだ。
ダメな娘は、徐々に店のスケジュール表から消えていくことになる。
そうして出来上がった店は、非常に効率的かつ強力だ。
実は、弊社のオペレーションに非常に良く似ている。
僕も、新しく人を入れると暫くじっと待つことにしている。
仕事が与えられることになれてしまった人は、先ずそこで戸惑う。
この会社での最初の仕事は、ここでの自分の役割を探すことなのだ。
一年くらいほっとかれるなんてザラにある。
自分で動かないやつがいれば、そいつを動かそうと思うと別の人間が力をそがれることになる。
背中を推すくらいならほっといた方が良い。そんな余裕はない。
それに、何もしないことは結構辛いもんだ。そのうち動くか会社を去る。
多少、方向が間違っていても。自身で動くやつなら、少しベクトルを修正すれば済む。
自主性のない人は、うちの会社は勤まらない。
大会社には、様々な人間が集まってるので、どうしてもルールが必要だが、うちのような小さな会社に過度のルールは弊害となる。
最近の大企業のリスク管理は少し行き過ぎているように思う。リスク管理コストを世の中の言うがままに負担したら会社潰れます。
そういえば、最近金融庁から内部統制の行き過ぎを注意を喚起するお達しが出てます。
金融庁も過剰反応だと慌ててるくらい。
個々の社員の良いとこ取りをして、一人一人が能力を最大限に発揮してもらえないと会社が成り立たないのだ。
能力を最大限に発揮してもらうには、ルールは最小限の方が良い。
大人の集まりなら、穴は自然に埋まっていく。リスク管理コストも低く抑えることが出来る。
組織図を作ってから人を嵌めるのではなくて、出来上がった組織を図にするのだ。
この順番を間違えると無駄だらけの組織が出来上がる。
良くベンチャー企業で、先に立派な組織図を作り、あぶく銭の段階で立派な大企業から人を採用してそこに当てはめていくようなオペレーションをみるが、愚の骨頂に僕には思える。
そうするのは、その企業が、社会で確固たる役割を獲得してからで良いだろう。
企業が小さなうちは、個々の社員の能力に依存する割合が高い。
実は、うちの営業などは、時には必要に応じて、設計(エンジニアの仕事)もすることもある。
ちなみに社長の僕の仕事は、
経理50%
営業10%
エンジニア20%
サルサ20%(笑)
ぐらいの割合になっている。
もちろん、どんな会社でも通用する話ではない。
あくまで大人の集まりであることが条件。
此処で云う大人とは、
自主的に仕事ができ、
分をわきまえ、
けっして他人を抑圧しない者のことを指す。