「垣花樋川」とは「かきのはなひーじゃー」と読みます。

場所は沖縄の南西部、南城市の大西洋を望める少し高台にある、昭和60年に日本の名水百選にも選ばれた垣花樋川。樋川とは湧き水から引いた井泉のことです。ここを知ったのも偶然からです。

 

 娘の友達が百名伽藍で結婚式を挙げることになり、生まれた長男はまだ1歳半、主人はその当時海外出張中で、一人で連れていくには負担も大きく悩んでいましたが、僕が一緒に行って手伝いが出来たらいけるかな?となり、沖縄好きな僕はその提案に乗り2泊の沖縄旅行にして、知り合いのペンションで前泊で1泊し、当日娘と孫は結婚式と、百名伽藍での宿泊となり、僕はホテルでの宿泊より、沖縄のゲストハウスに泊まってみたくて、「しまんちゅう ゲストハウス結縁」で宿泊することにしました。

 結構式後宿泊し、翌日の朝食後の11時に娘と孫を百名伽藍まで迎えに行くわけですが、それまでの時間をどう過ごそうか?沖縄ワールド ガンガーラの谷 ひめゆりの塔など、定番の観光地もありますが、早朝からレンタカーで動くことができる独り身ですので、以前にも行ったことが場所より違った沖縄が感じたくて、行ったことのなかった"斎場御嶽"(せーふぁーうたき)にも車で20分ぐらいですので、そこを目的地にして、奥部村の竜宮神の拝所 百名ビーチ を通りできるだけ海岸に沿って走っていこうと思いました。地図で見ているうちに発見したのが垣花樋川でした。

 40を過ぎるころから、なぜか小川や湧き水、井戸水、滝と水の流れを見ること味わうことがとても好きになってきました。京都、大垣、郡上八幡などの名水。親父のふるさと椿川、塩尻の平出の泉、京都音なしの滝、那智の滝などになんか安らぎます。

 沖縄の水は冷たいのでしょうか?飲めるのかな?軟水だよね?島の中の限られた雨が短い流れの中でどんな水にしてくれるのか?今までに何回も沖縄には来ていますが、海との触れ合いはいくつかの場所でありましたが、水との出会いは、今帰仁でヤンバルの森のほうに川トレッキングに行ったことがありました。森を上流に向かって小川を歩き、小さな池で遊んだことがあるくらいです。「海の沖縄」のイメージと違ったことを覚えてますが、ネットで検索をすると、垣花樋川は生活の水場でもあり、遊びの場でもあり、地元の人に大事にされてきたところのようです。右側に海、左側は小さな丘がせり出してきている331号線を走っていきますが、案内看板等を見つけることができません。ナビでは左側の切り立った山側にあるはずですが、入っていく道はありません。通り過ぎてからUターンをしてゆっくり見てみると、人が歩いて行ける道はありました。どうしようと思いましたが、331号線には海側に車を置いておけるような場所もあり、そこに止めて歩いていきました。小さな丘ですが、入っていった細い道は想像よりは急な道で、登り道として整備がされているわけでもなく、少し滑りながら汗をかいて登って行った10分ぐらいでした。開けたところで水の流れがあり、そこにはクレソンが作られていました。また、水の流れを使って野菜も植えられていて、水の流れの音が聞こえてきました。登り道も緩やかになり、背の高い草を避けるように開くと、ネットで見た写真にあった広く浅い「水遊び場」でした。まだ朝の8時前で誰もいません。水はきれいで、白浜の海岸のような砂ではなく、石ころを含めて少し黒っぽい砂ですが、はだしで気持ちよさそうな水場です。靴を脱いではだしになり、足をつけてみました。透明度の高い水で冷たいかと思いましたが、創造と違い少しぬるいぐらいの水です。なぜか透明度が高いと冷たい!って思い込みがあることに気づき、水場に入り込んでいる川の流れの段差のあるところに行きました。そちらは水の流れの分だけ少し冷たさを感じさせてくれます。流れはそこそこ早いですが、それでも足首の上ぐらいまでの水量です。その上にそのまま歩いていきました。少し石が痛いときもありますが、はだしで歩いて行けます。少し上がったところに、石垣で組んで堤防のような間から水が落ちています。「イキガンガー」というのだそうです。ここの水がこの場所の最上流となるようで、この水は名水として飲まれているようです。僕もこの流れを手ですくい飲んでみました。冷たさはないですが、汗をかいて歩いてきた僕の喉から流れ落ちる水は、好きな軟水ではなく、硬水のようです。後で調べたら、硬水でもかなりの硬水のようです。サンゴでできた土地なんでしょうね。得意でない硬水ですが、飲みにくくはなく、しっかりとおなかの中に入っていく感じでした。ここで、ペットボトルを持ってくることを忘れたのに気づき、残念でした。水の音は滝のような音とは違い、流れる音に近いですが、それなりに大きく。川から上がりベンチでゆっくりと時間を過ごしました。気が付くと車の音が聞こえました。こちら側に案内の看板があったり、入り口だったようで、車が置ける場所もあり、こちらに来れば楽だったのに思いながらも、もう少し水の音と、上に上がり始めた太陽を感じながら、ヘッドフォンでBeatlesを川の音越しにしばし聞いていました。

 帰り道はまた、山を下りていきます。登りよりも滑りやすく注意しながらでしたが、途中草や木の隙間から海が大きく見えるところがあり、見る海の色は深さか、リーフだからかわかりませんが、途中で色がいくつか変わっていきます。遠くまで続く海を見る機会はなかなかなかったことを思い出せてくれる海の景色でした。

 沖縄は海のイメージですが、水を探してこれたこの時間はいい時間でした。知り合いのペンションもなくなった現在、沖縄に行く機会も減り、10年近くいっていません。また、垣花樋川に寄ることは多分難しいでしょうね。

でも印象に残った場所であったことは忘れないんでしょうね。水は今も流れていて、町の人たちの場所なんでしょうね。

いい思い出です。ありがとうございました。