とりあえず
Aさんのこの時点での状況を整理します。

・在留期限まで約2週間
 →このあと延長の申請をしました。
・沖縄の市役所からの返事は2ヶ月後
・外国料理のレストランを手伝いながら居住
・週に一度日本語教室で勉強
・たまに外でアルバイト
 ↑何をやっているかは知りません。
  ただし、就労ビザはないので違法です。
  Aさん曰く、友達が行けない日に
  代理で行ってるだけだから、
  人助けなのだとか…驚き
・スマホが使えない

在留期限の延長は、
日本語を話せる友達に同伴してもらい、
申請したそうです。

そうこうしているうちに2週間が経ち、
まだ日本に滞在していたAさんに
延長の申請が通ったのかと尋ねると、
あと2ヶ月は日本にいるとのことでした。

市役所からの返事に間に合って良かったねと、
この時の私は心から思っていました。


スマホは日本にいる友人に頼み、
新しいチップを手に入れていました。


アルバイトに関しては
本当はいけないことですけど、
どこかでガッツリと
勤務しているわけではないから…
それに私は
それを罰する立場でもありませんから…
見て見ぬふりをしてしまっていました大あくび

そんなことよりも、
せっかく遥々日本へ来たAさんに
日本での楽しい思い出を作って欲しかった。

純粋にそんな気持ちが大きかったです。


Aさんが寝床にしていたレストランが
休みの日は
煮物などの日本の家庭料理を差し入れたり、
モツ鍋の店や焼き鳥の店にも
一緒に出かけたりしました。

自然が好きだというAさんと
登山にも出掛けました。

流星群が流れる日には一緒に見に行ったり、
とにかく時間の許す限り、
できる限りのことをしました。

日本の食べ物や文化を紹介したり、
植物や自然を紹介したり、
北半球で見られる星座を紹介したり、
それは
私のしたいこととリンクしていましたし、
もうすぐ帰国してしまうAさんへの
私なりの別れの挨拶のつもりでした。
もちろん、日本人の友人として…



ちなみに、Aさんですが、

既婚者です。


ここでAさんのスマホが使えなくなった理由を
ご説明します。
Aさんのスマホの料金は、
母国にいる
Aさんの妻が支払っていたそうです。

ただし、
Aさんと妻はずっと事実婚だったのですが、
日本での手続きが成功した時に
家族にも有利に運ぶようにと、
Aさんが日本に来る1ヶ月前に
結婚したそうです。

結婚と言っても、形だけで、
実際には別々に住み、
それまでと変わらない生活だったそうです。

Aさん曰く、
結婚したから子供たちも含め
一緒に暮らせることをと期待したのに、
裏切られた…とのこと凝視

Aさんはきっと
家族と一緒に暮らしたかったのですね。

でも、スマホ代など、母国にいる家族は
Aさんを支えてくれていました。

ところが、
Aさんの祖父の手続きがダメだった時点で、
母国の家族から帰国を促されたそうです。

Aさんの奥さまは
もう結婚している意味がなくなったので、
(Aさんが日系3世になる確率が低いと判断)
早くAさんに母国に戻ってもらって、
離婚の手続きをしたかったのだそうです。

子供たちへの仕送りも
Aさんの日本滞在中は滞っているので、
早く帰国して、働いて、
子供たちの生活費等を
払って欲しかったそうです。

それを振り切って、
Aさんは、おばあちゃんの手続きのために
沖縄行きを決めました。

それを知った奥さまが怒って
スマホのチップを解約したというわけです。

Aさんの夫婦関係が
私にはよく分からなかったのですが、
とにかくAさんの国では
事実婚が多いそうです。

正式に結婚すると、デメリットが多いため、
正式に結婚しない夫婦が多いとのこと。

デメリットというのは、
結婚したら簡単に離婚できないこと。
(カトリックの思想に依るものだそうです。)

離婚するためには
いちいち裁判をしなければならないそうです。

それから、結婚している夫婦は
財産を分け合わなければならないこと。

夫婦間で財産に差があったり、
どちらかが怠けて働かなくなってしまったら、
悲惨ですね。

ちなみに、
Aさんの両親も結婚していません。

Aさんの国では
結婚しないまま子供を産み、
また、
別の人と恋に落ちたら
その人との間に子供をもうけ、
でも、
子供たちにはそれぞれの両親が愛情持って、
経済的にも支え合う…
そういう家族形態が多いそうです。

だから、
父親違いの兄弟や母親違いの兄弟が
たくさんいたりするのだそうです。

実際、Aさんにも
母親違いの兄妹が3人います。

でも、Aさんの父親と母親は
友人として今も交流があるそうです。


日本のように
社会保障が整備されていないので、
結婚することのメリットは少ないそうです。

だから、結婚しない。
そして、自由に生きる。
でも、子供は大切に育てる。

そんな国なんですって。


日本人の私からすれば意味不明です。

日本人なら、
結婚せずに子供を産むのは大変なことです。

相手が経済的に支え続けてくれる保証は
どこにもありません。

しかも、相手が亡くなったらそれまでです。

子供に遺る遺産は、
非嫡出子の場合は嫡出子の半分だけ。

ところが、結婚していたら、
仮に夫が亡くなっても
遺族年金をもらえたり、
もちろん、遺産も妻と子で分けます。

日本の場合、結婚という制度は、
お互いに義務を伴いますが、
それぞれの権利が法律で守られています。

だから、お互いに愛情が冷めてしまっても、
離婚せずにいる夫婦もいるくらいです。


でも、Aさんの国では、
愛情が冷めてしまったらそれまで。

新しいパートナーと仲良くします。

子供がいたら、お互いに役割を果たしながら、
家族ぐるみで交流する。

だから、Aさんには
よく分からない続柄の親戚が
沢山いるのです。

それがその国では自然なことなのだそうです。


こういうところにも、
価値観の差が生まれるのでしょうね。


私なら、仮に夫と離婚して、
夫に新しい家族ができたとして、
私にも新しい家族ができたとして、
みんなで仲良く交流するなんて
想像しただけでゾッとします。

もちろん、夫は子供たちの父親ですから、
子供たちと夫は交流したら良いと思います。

でも、わざわざ別れた後に
私は夫と交流したいとは思いません。

冠婚葬祭でしかお会いしない間柄に
なると思います。

でも、それ以前に
よっぽどの理由がない限り、
子供達が独立するまでの間は
夫と離婚するつもりはありません。

大好きだから離婚したくないわけでは
決してありません真顔

離婚するデメリットが大きいからです。

だから、少なくともそれまでは
うまくやっていこうと
努力をしている最中です。


そんな日本人の夫婦関係の話を
Aさんにしてみたら、
信じられない!と、ドン引きされました。

私にはAさんの感覚が信じられないのですが…