毎年この時期に見るマンションの敷地内での、
セミの死骸だが立て続けに5匹確認した
これは恐らく初めてのことだと思う
いつものように出勤しようと階段を下りてると、
セミの死骸があった
たまにまだ生きててビックリすことがあるんで、
ちょっと足で触って死んでることを確認して、
近くの草がある植え込みに移した

すると翌日また確認できた
場所は前日と同じ踊り場である
2日連続自体も初めてだろうが、
全く同じ場所というのもある意味奇跡だろう
これもまた植え込みに移した

そのままにしておくとゴミとして捨てたり、
放り投げる奴がいるかもしれないんで、
せめて安全な場所で眠らせてやりたいわけだ
それでもアリの餌になるかもしれないが、
それはもう仕方ないだろう
そして連続ではないが3日後にまたである
深夜に帰宅すると今度は踊り場ではなく、
階段に横たわっていた
もちろんこれも同じ植え込みに移動した

この短いスパンで3匹は史上初である
他のマンションは知らないが、
これだけセミの死骸があるのは、
珍しいのではないか
それとも他でも結構見る光景なのだろうか
ところがこれで終わりじゃなかった
今度は何と俺の部屋の正面である
正真正銘ドアの前に横たわっていた

嘘だろと思いつつ掴もうとしたら、
まだ生きていて羽根をばたつかせた
しかしもう飛び立つ力はなく、
その場でぐるぐる回転するだけだった
俺はどうすることもできず一旦放置した
そしてしばらくしてドアを開けて確認すると、
まだ前にいたんでちょっと触るとまだ生きていた

しかしもう羽根を動かす力は、
残ってない感じで相当弱っていたが必死に起き上がった
翌日ドアを開けるとそのままの位置で息絶えていた
それにしてもこの流れは気分がいいものでなはい
最初から死んでれば植え込みに移すだけだが、
弱って死んでいくのを見るのは辛い
ましてずっと俺の部屋の前から動かなかった
俺なら植え込みに移してくれるってことで、
必死にたどり着いたのだろうか
ちょっと悲しい気持ちになったが、
もちろんまた植え込みに移しておいた
こんな短いスパンで4匹は奇跡だろう
と思っていたら翌日再びである
今度は俺の部屋より少し横だった
階段を上がり切ったらひっくり返った姿が、
目に飛び込んできた
これで10日で5匹目である
これはもう奇跡というより気味が悪い
踊り場から始まって階段から俺の部屋まで、
徐々に上がってきた感じで、
誰かにお前も近いうちこうなるんだぞと、
セミを使って言われてる気分である
結局そのセミはまだ生きていて、
ちょっと触れたら勢いよく飛んで行った
だが当然もう長くはないだろう
ちなみにこれはすぐ飛んで行ったんで、
撮影はできなかった
しかしこれは本当に参った
続けて5匹はもちろん史上初である
それにしても敷地内で死なれると、
近い将来の自分を見てる気分になって、
本当に気分が落ち込む
もちろん俺も孤独死だし死に方としては、
外か中かは分からないがこういう感じだろう
しかもセミは思い切り鳴き続けて、
生き切ったわけだが俺は何もしていない
そう考えるとセミの一生のほうが上なわけだ
それでも俺は元気よく鳴くことはできないが、
死ぬまでただダラダラと生きるだけである
