ショパンのバルカローレは職業ピアニスト達の間でも最高傑作の筆頭に常に上がってくる曲。
技術的にはエチュードや他の難曲に比べればはるかに弾きやすいですが、内容の濃さ深さ、抜群のメロディ、ハーモニー、趣味の良さでは群を抜いています。この曲を聴くとクラシック臭さを一切感じさせない、ジャンルを超越した普遍的な美と親しみ易さに溢れていると思います。イタリアのカンツォーネを想わせるメロディラインは本場イタリア人作曲家も降参するのでは?と思えるほど。ドビュッシーのスペインテイストの曲(グラナダの夕べ等)と同じく、天才作曲家の真髄が見てとれます。
演奏はディヌ・リパッティを筆頭に数えきれないほど名演が溢れていますが、ちょっと違った視点からの意見を書いてみたいと思います。
左手のリズムが波や舟(ゴンドラ)の揺れを表現している事についてはおそらく異論はないと思いますが、個人的にはゴンドラの揺れ方に近い弾き方をするピアニストがいないか興味があって聴き漁った時期があります。実際にヴェネツィアでゴンドラに乗られた方はわかると思いますが、基本ゴンドラは傾いていて、乗る人数にもよりますが漕ぐ人が片側、乗る人が反対側に座ってバランスをとり、漕ぐ度にクィッ、クィッと小刻みに傾きます。昔から『この伴奏型ってなんかゴンドラの動きみたいだな…』なんて思ってたところへ、いました。そういう動きを感じさせる演奏が。
なんとイタリア人ピアニストのマウリツィオ・ポリーニ🇮🇹
ポリーニがゴンドラの動きを意識して弾いたかは定かではありませんが、聴いた中では唯一のピアニスト。やっぱり流石お国モノって事でしょうか…😳
(演奏自体はリパッティのそれにははるかに及ばないですが…)
舟歌が全てヴェネツィアのゴンドラ🛶のように弾くべきとも思わないですし、全曲通して同じように弾くのもワンパターンで飽きます。そのさじ加減が難しいところですが、バルカローレの成り立ちから考えて無視はできないんじゃないかな~と思います。
皆さんもいろいろな演奏を聴き比べてください🎵
(画像はネットからお借り)
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