面白い記事を見つけました。


クラシックピアニストとジャズピアニストの脳の使い方の違いについて、実験した結果についての考察です。

以前に読んだ
古屋晋一氏の著作「ピアニストの脳を科学する」でも、同種の事は書いてありました。

なんでもクラシックのピアニストは常に同じ音を正確に弾かなければならず、そのプレッシャーにより神経が過剰に発達して逆に邪魔して、手が動かなくなってしまう局所性ジストニアになりやすい、といった内容だったと思います。(ピアニストのレオン・フライシャー等)

この現象は面白い事にジャズピアニスト(即興ピアニストと置き換えてもいいと思います。)には発症しづらいらしく、ジャズピアニストはクラシックピアニストと比べ、決断力が優れているそうです。これはとても理に叶っています。

ジャズピアニストの場合、即興で演奏するわけですから音は何でも良いかわりに、優柔不断ではダメなわけですね。

わかりやすく言うと、レストランでメニューを決めるのに、あれこれ迷ってたらどんどん時間が過ぎていくようなものでしょうか?

音楽を演奏する場合、楽譜に書いてあるモノを演奏しようが即興で演奏しようが、時間は待ってくれません。止まれないのです。クラシックの場合、間違ったり、音が抜けたり、暗譜を忘れて分からなくなったしても、どこかで元のレールに戻らなければなりません。脱線したら一貫の終わり。

ですがジャズの場合、戻らなければいけないのは同じでもそのレールは一本ではなく、星の数ほど用意されています。ですから迷っている暇はなく、瞬時にコレ‼と決めなくては時間がどんどん迫ってきます。気楽な面もある半面、ハマると恐怖の世界が待っています。瞬時にその場で音楽を作り上げるわけですから、総合的な音楽力が必要になってきます。

私のように両方に手を出していると、クラシック、ジャズそれぞれの共通点や違いが身にしみてわかります。クラシックは反復練習が基礎ですから、即興で弾く時も無意識にどうしても同じ事を繰り返してしまう。あるいはジャズをやっていると、譜読みする時にザックリと大雑把に見てしまうので細かい所を見なくなる等、問題も出てきます。

ですが勿論いい事も沢山あって、特にクラシックを弾く場合、楽譜に書いてある事をそのまま弾くわけですから、何も考えなくても取り合えず音は鳴ります。でもそれだけでは表面的な演奏になってしまい、名曲の素晴らしい奥深さにはなかなか到達出来ません。その点、ジャンルを問わず普段から即興をやっていると(自分で好きに音を選んでいると)、クラシックを弾く時もそういう回路で演奏するようになります。オーバーに言えば作曲家がその曲を作った過程をトレースする感覚。より親近感と共感が湧きます。曲の難易度やレベルが上がれば、頭は当然追いつかず、どこかで妥協してバランスをとらなければならないのが非常に大変ですが。

鳴っている音楽は同じ音楽でも、綿密に練習して再現する中での即興性を楽しむか、あるいはその場で気の向くまま創作し、文字
通り即興で演奏するという、脳はある意味相反する事をやっているのですねぇ~。


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