前戦のシンガポールGPまでに、日本GPでのアップデートはパワフルと言っておきながら、実際、ニュー・パーツを装着して走ってみると・・・。
本当はヤヴァイ状態・・・かも？
DAY1のP1&P2では、KOBの所属するSauberは、公約通りシンガポール～日本のアップグレード・パッケージを完成させ、KOBとチームメートのPERで手分けして、実際の走行データを回収するために、積極的に周回を重ねたのですが、正直言って、思ったほど数字が出ませんでした。
簡単に説明すると、シンガポールでは車体の後ろ半分が新しくなって、日本GPでは前半分が新しくなって、これで完成という状態です。
これを、ハイ・ダウンフォースとロー・ダウンフォース、高い車高と低い車高、それぞれ、従来モデルとの比較・・・というメニューをこなして1日が終わったのですが。
で、他チームの車両のラップタイムの推移と比べて、思ったほど良くなっていません。
もっとも、前戦シンガポールGPの時のように「ドはまり」の状態ではありませんが、期待したほどでもないのです。
シンガポールGPの時点で、データ的な状況から希望的観測でKOBの予選タイムがMSCより遅くなることは無いと断言し「キリッ」とまで言ってしまったのですが、しっかり後塵を拝しているではないですか。
そりゃ、そうです。
他チームとてアップデート無しで来るわけはありませんし、日本GPだからといってKOBだけが良くなるわけではありませんからね。
MercedesやLotusもシンガポールで投入を見送ったパーツをトライしていますし、彼らも当然速くなる理由があります。
実際には、鈴鹿サーキットは2009年4月に東コースの舗装が改修されたのに続いて、2012年2月に西コースの舗装が改修されたため、全体的に、コースの状況が変化しているのが一因と思われます。
車高変化が動的ダウンフォースの変化に影響を与えると、これまでのレポートでも書いてきましたが、今回の西コース改修により、スプーン・カーブのラインが変わったり、130R内のバンプが無くなったりと、昨年までとは大きくセッティング的な特徴が変わっていたのです。
(名手揃いのF1ドライバー達にしては、DAY1でコース・オフが多かったのは、そういう理由だと考えられます。)
これにより、対昨年のデータが西コースでは無意味となり、データの解析が複雑になってしまったというわけです。
取りあえずは、バランスの違和感や、ラップタイムの違いはひとまず「置いておいて」まずは、データ解析が優先という状態になりました。
それに、タイヤの摩耗状況も良くはありません。
他チームのタイヤの状態を見ると、Ferrari、RedBullなんかは、とてもキレイに使えており、好調が伺えますが、翻ってKOBのSauberはというと「げっ！」という摩耗状況。
チームメートのPERに至っては「保たないでしょ？」という所見。
もっとも、McLarenもタイヤの摩耗状況はSauberと同じような状況？
という感じです。
とにかく、今日の夜は回収されたデータを吟味して、新型のエアロ・パッケージを、どう組み合わせて使うかというところを決めるところから始めなければなりません。
メカニカルトラブルが発生せず、天候が安定していて、まずは「生き」データが回収できているというのが救いです。
正直、今の状態ではQ3にギリギリ進めるかどうかという状態。
HULとDIRは、ひょっとしたら搭載燃料が少ない「三味線ラップ」の可能性がありま
すが、ここは慎重に希望的観測はやめておきましょう。
現在、今期最後のフレッシュ・エンジン、虎の子のフェラーリの「Tipo056」をKOBのC31に換装中。
予選に向けて、KOBにはフレッシュ・エンジンのエクストラ・パワーも注入します。
みなさん、DAY2のSauber／KOBの復活に祈りを願います！
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※レポート内のドライバー略称は以下の通りです。
KOB＝小林可夢偉
PER＝セルジオ・ペレス
MSC＝ミハエル・シューマッハ
HUL=ニコ・ヒュルケンベルグ
DIR=ポール・ディ・レスタ
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