ブログ2023年2月6日

 

新盆にゆらぐ迎え火見つめつつ酒をあふりて「おかえりなさい」

 

送り火の煙さゆらぐその行手手を合はすればわが裡に染む

 

満目の花に隠れし君の香を探し求むる黒揚羽蝶

ブログ2023年1月30日

 

亡き妻よ君と新たに生きゆかむ目線を少し上げつつ歩む

 

幻の六十七の誕生日君の遺影と「赤」で乾杯

 

助手席の妻の遺影にちらちらと語りて湖畔を我ら旅せり

 

どこを見ても妻はもういない。表に出れば目線は下に。

意識して目線を上げて妻のいない世界に向き合わなければいけないのに。

 

妻はもっぱらビールと赤ワインを好んだが、誕生日には赤ワイン。

成城アルプスのショートケーキも誕生日の定番。

 

「君偲ぶ旅」の初めとして新婚の年の秋に訪れた「野尻湖」を選んだ。

ブログ2023年1月16日

 

口数の少なき吾を嘆きゐし君の遺影に語り放く日々

 

亡き妻のブラシにからむ髪の香を嗅げば鏡がたちまち曇る

 

君逝きしこと受け止めむに独り我れなほ在ることの受け止め難し

ブログ2023年01月09日

 

なにげなく君と歩いたどの道もまぶしきかな愛の通り道

 

春風はうつうつ歩む吾の頬を桜の小枝でぴしゃりと打ちぬ

 

仙川におしどり一羽着水すいまだ添ひ来ぬ雌鳥いづこに

ブログ2022年12月26日

君の手のひらに遊びし悟空かな遺影の前に黙然と坐す

死怖れし吾を残して逝ける君ひたすら今は会ひに行きたし

君逝きて誰がためにぞ生きるべし子のためならんとは思ひしも

出会ってからの日々。ずっと気ままに生きてきたと思っていたが、彼女が亡くなってから
初めて気づいたいことは、何のことはない、私は彼女の手のひらを決して越えてはいなかったということ。