僕はもともとコーヒーはあまり好きではありませんでした.
ではコーヒーのどこに惹かれたのか.
僕の場合は器具です.
僕はモノから伝わる意思が好きです.
僕の場合は,使っているうちに,ふとした瞬間にこう扱ってくれっていう意思を感じることがあります.
例えば,ボールペンの指先が触れるところってラバーがついていることが多いですが,このラバーの長さが違うと何が違うと思いますか?
僕は,どうやって持って欲しいかというのが違うと思います.
長めにラバーの付いているボールペンはねかせぎみに持つのが正しくて,
短めにラバーの付いているボールペンはたてぎみに持つのが正しい.
という思いが込められていると思います.
実際に手元にあるボールペンを使って試してみてください.
きっと,自分の持ち方とあっている,あっていないというのがあると思います.
という感じですね.
コーヒー器具で例えると,ドリップケトルが顕著かと思います.
タカヒロのような根本まで細いケトルと
カリタのペリカンのように根本が太いタイプ
この違いが何を指しているか考えたことはありますか?
コーヒーの抽出はどんな粉の量を使っても,基本的にはこれを超えてはいけない(まずくなる)という時間が決まっています.
そのため,120mmと600mmをハンドドリップで抽出するためには,600mmのほうが多い量を注がないといけないのです.
このため,タカヒロのような場合には,少ない杯数をとることはできるが,多い杯数を抽出するには若干難があり,ペリカンのようなタイプはどちらかと言えば,多い杯数をとるのに向いています.
こういった主張をしてくる器具がコーヒー関連には多いと僕は感じています.
そしてそれは,コーヒーについて真摯に向き合った結果であるとも感じています.
このような使って見なければわからない,わかろうとしなければわからない.
そんなコーヒー器具が大好きなのです.