こんにちは。
2025年度STEPS 夏公演で準役のロゴスを務めます、関口ひかりです。
私は本公演がSTEPSで初めての役者経験となりますが、毎日本当に楽しく、充実した日々を過ごさせて頂いております。どれくらいかというと、毎晩「今日という日が終わってほしくない……!」と眠りたがらず、一方で「寝て起きたら明日も稽古だ!」と早く眠ろうとする、という矛盾した行動を繰り返して、結局わくわくして眠れない、という意味不明な事態になってしまうくらい。
中高でもミュージカルを経験してきた私にとって、好きなことに本気で取り組むのは、必ず苦しさが伴うものだと思われてきました。入れ込めば入れ込むほど充実した日々は過ごせるけど、一方で上手くいかない場合には悔しさも増す。その苦しさが、私を好きなことに本気で取り組ませることから遠ざけてきた事は事実です。傷つかない道を選択しよう、あるいは傷つかない程度に頑張ろう。そんな風に自分を制御する経験は、誰しもがしたことのあるものだと思います。
それでも、私がこの稽古場でこんなにも楽しい日々を過ごすことが出来ているのは何故でしょうか。正直自分でもよく分からないのですが、ひょっとすると「上手くいかない=失敗」と考えている人が1人もいないからなのかもしれません。上手くいかないこと、他の人よりも技術的に劣ることは当然ある。でもそれは失敗ではない。少なくとも、今失敗だと決めつけることではない。そんな風に気持ちを前向きに持って、しゃんと立っている人がものすごく多いのです。勿論口に出しているわけではありませんが、そういう気持ちのいいエネルギーを共有しているというか。爽やかな気配を感じられるというか。だからこそ私はこの稽古場で、こんなにも伸び伸びと好きなことに打ち込めるのかもしれない、と。
私は上手くいかない時、行き詰まっているなと感じる時、どうしても形に残る行為の意義を考えてしまいます。ミュージカルで言えば、お客様に感動を届けるとか、質の高い舞台を作り上げるとか。でも、世に出力される行為の果実だけでなく、楽しい日々を過ごした、その私の固有の経験も十分に意義に値するのだと、そんなありふれたことをようやく認められるようになった気がするのです。
最後に、私の好きな小説の一節を引用して、このブログの結びとさせて頂きます。
『そういうことなのだ。言葉を愛する者は、言葉を綴らずにはいられない。』
(村山早紀 『桜風堂ものがたり』より)
言葉と同じように、歌も踊りもお芝居も、それを愛する人達はそれをせずにはいられないのだと思います。そしてそれを愛する者同士は、お互いのことを好きにならずにはいられないのかもしれません。
公演の概要は以下の通りです。
STEPS Musical Company
第67回本公演 『DEAR』
脚本 鈴木希望 演出 木村真緒
▷あらすじ
ここは、汚れた大気から人々を守る、巨大温室型の都市「マナリウム」。一組の兄妹が施設の管理を担っていました。 建設20周年を目前にしたある日、停電が起こります。兄妹はその原因を解決するべく、有識者を集めながら、マナリウムの外の変電所を目指します。
▷出演
島田晴野 岩田晏潤 神ノ田麻衣 前田和奏 畔上達稀 千野紗代子 榎並慶一郎 與名本睦 池尾京溝口唯 関口ひかり 野田健太 近藤由菜 篠原マヤ 吉野漣 髙城佳乃子
▷日時
2025年 9/13(土) 12時45分〜、17時30分〜
9/14(日) 12時45分〜
▷会場
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場
小田急線「新百合ヶ丘駅」北口より徒歩3分
▷お申し込み
以下のリンクより、弊団体のLINE公式アカウントをご登録ください。その後トーク画面の「予約」メニューよりご予約いただけます。
https://liff.line.me/1655301377-aQYkgqkw/landing?follow=%40588cznvd&lp=w3Gr7W&liff_id=1655301377-aQYkgqkw
▷料金
一般 3,000円
学生 1,000円(要学生証)
※全席自由席。未就学児童の入場はご遠慮いただいております。
※事前決済(クレジットカード決済のみ)と当日精算(現金のみ)の2種類をご用意しております。