第66回本公演「ここに生まれついて」にて演出家を務めました、斎藤航太です。
何点かここに想いを綴らせていただきます。
私にとって演出家とは、「脚本家の脳内を舞台に載せるために存在するもの」です。0から1を生み出すのは脚本家であり、作品や役へのこだわりの根源は脚本家にあるべきだと考えています。
演出家の役割は、脚本にプラスアルファの要素を添え、舞台として成立させるためにスタッフと連携しながら、脚本家と何度も擦り合わせを重ねることだと思っています。
今回の作品が皆さんにとってどのような形で、どのような意味を持って届いたのかは分かりませんが、脚本家の思い描いた作品の景色が劇場に広がっていたのであれば、演出家としてこれ以上の喜びはありません。
稽古場での活動としては本当に役者のみんなに助けられました。
私自身が役者と向き合う以上に、役者全員が与えられた役に真剣に向き合い、全力で取り組んでくれたことで、演出・脚本が求める以上の作品が生まれたと感じています。
サークルとして活動する以上、作品の質はもちろんのこと、一人一人のサークル員としての満足度や充実度も大切にしたいと考えながらこの公演に臨みました。
日々活動していく中で役者のみんなが作品の質を高めようと稽古をした時間は、サークルとしての活動の満足度や充実度につながっていることを感じ、またそれが私自身のサークルでの最後の公演の充実度に直結していたと思います。
役者のみんな、千穐楽まで全力で駆け抜けてくれて本当にありがとう。
この稽古の日々の中で、多くの方々に助けていただきました。演出助手を務めてくれたみんな、歌唱・振付チーフの2人、執行部のみんな——。今名前を挙げた以外にもこの公演に関わってくれた全員に心から感謝しています。本当にたくさんのサポートとたくさんの思い出をありがとうございました。
私がこのサークルに出会ったこと、サークル員のみんなと出会えたこと、この作品で演出家を務めたことが私の人生においての一つの運命であるように、皆さんがこの作品に触れたことも何かの運命だと思います。
劇場で観劇してくださった皆さんはもちろん、映像配信を通してご覧いただく皆さんにも、関わった全員の努力と積み重ねた時間が、「ここに生まれついて」という作品として届いていれば本望です。
配信が始まりましたら、ぜひご覧いただけますと幸いです。
春公演、STEPS Musical Company、ありがとうございました。
この公演には、私がこの4年間で得た多くの学びと経験が詰まっています。
一人でも多くの方にこの作品が届いていることを願っています。
公演の概要は以下の通りです。
STEPS Musical Company 第66回本公演 『ここに生まれついて』
脚本 大山陽平
演出 斎藤航太
▷あらすじ
スランプに陥り、故郷の町へと逃げ帰ってきた駆け出しの劇作家アキ。
ところが、憂鬱に浸るアキをよそに友人たちは「天才脚本家」の帰還に大盛り上がり。アキは地元劇場の活気を取り戻したい彼らから新たな劇の創作を頼まれてしまう。
スランプ真っ只中、依頼に全く気乗りしないアキであったが、シンガー志望のうるさい同居人トトの登場、町から出たスター女優ジーナの帰郷、そして幽霊(?)の少女ナナとの出会い、とどんどん騒がしくなる日常に逃げ出す機会を逸していく。
しかしナナと次第に惹かれ合っていくアキはやがて一つの劇を思いつく。
クリスマスでの公演に向け沸き立つ町。その一方で、アキとナナの恋は思いもよらぬ方向へと向かいはじめる──。
「君を夜から連れ出そうとしたんだ」
「なら今ここで、私と一緒に逃げ出せる?」
▷出演
伊東和真 徳田百々香 大洞紗優香 小蔦柚歩 室井剛喜 高梨結衣 鈴木こころ 杉原弥奈 大江光輝 大石田倖太 前田和奏 安立琴音 漆畑帆南 長谷川万芳子 池尾京 島田晴野 山本治之進 中村毬白
▷日時
2025年
3/15(土) 12時30分〜
17時30分〜
3/16(日) 12時45分〜
★3月末より、STEPS Musical Company公式YouTubeチャンネルにて、アーカイブ配信予定!
▷会場
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場
小田急線「新百合ヶ丘駅」北口より徒歩3分