第66回本公演『ここに生まれついて』で振付チーフを務めました、商学部2年の村田理沙子です。


昨年11月ごろから振付チーフとして準備をはじめ、はや4ヶ月。長いようであっという間の日々でした。


私自身、今まで参加した本公演を役者としてしか携わったことがありませんでした。ですが今回、年末ごろから脚演さんとM陣チーフ(音楽監督、歌唱指導チーフ、振付チーフ)で各Mのイメージを擦り合わせていくと、「自分が全ての振付の責任を担うんだ」と、身が引き締まる思いがしていました。


そんな大切な責任を担うからには、目標を立てよう!と、今回、ふりちとしての目標を2つ立てて臨んでいました。それが



1-1, チーフとサブの隔たりをなくす

2-1, 全振付のエキスパートになる



ということでした。



まず1つ目。

他のスタッフセクションではなかなか難しいことかもしれませんが、振付部の活動は、担当サブによる振付考案や振り入れ、フィードバックなど、個々人の役割がとても重要です。それだけサブに多くの時間を割いてもらうからこそ、「チーフは担当サブのように」各Mにしっかり寄り添い、「担当サブはチーフのように」担当Mの精度アップに貢献してもらおうと思ったのです。



そして2つ目。

これは役者に振付を教える立場として、振付を正確に覚えることはチーフとしての礼儀、務めだと思っていたからこそ、自分に課した目標でした。



ですが稽古期間、2日間の公演を終えたいま、改めて振り返ると、



1-2, チーフと役者の隔たりをなくす

2-2, 役者のエキスパートになる



という前述の目標の背後にあったものが、私の立てていた目標を、より確かで、重みのあるものにしてくれたと思っています。



つまり、2-1で掲げた「振付のエキスパート」になれたことで、役者さんたちとの信頼関係が築かれ、1-2のように、振付チーフとして彼らに伝えたい、ありのままの気持ちを分け隔てなく伝えることができました。



そして振付だけのエキスパートになるだけでなく、役者ひとりひとりの癖や苦手意識を見抜き、一緒に改善へと努めるべく「役者のエキスパートになる」ことも、本当に大切な作業だったと実感しています。



この数ヶ月間で、2つの目標とその裏に隠れた目標を達成できたこと、そしてこんなにも学びだらけの時間を過ごせたことは私の一生の財産です。そんな環境を作ってくれた、全てのみなさんに心からの感謝の気持ちでいっぱいです。



本当に本当に、ありがとうございました。




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公演の概要は以下の通りです。


STEPS Musical Company 第66回本公演 『ここに生まれついて』


脚本 大山陽平

演出 斎藤航太


▷あらすじ

スランプに陥り、故郷の町へと逃げ帰ってきた駆け出しの劇作家アキ。

ところが、憂鬱に浸るアキをよそに友人たちは「天才脚本家」の帰還に大盛り上がり。アキは地元劇場の活気を取り戻したい彼らから新たな劇の創作を頼まれてしまう。

スランプ真っ只中、依頼に全く気乗りしないアキであったが、シンガー志望のうるさい同居人トトの登場、町から出たスター女優ジーナの帰郷、そして幽霊(?)の少女ナナとの出会い、とどんどん騒がしくなる日常に逃げ出す機会を逸していく。

しかしナナと次第に惹かれ合っていくアキはやがて一つの劇を思いつく。


クリスマスでの公演に向け沸き立つ町。その一方で、アキとナナの恋は思いもよらぬ方向へと向かいはじめる──。


「君を夜から連れ出そうとしたんだ」

「なら今ここで、私と一緒に逃げ出せる?」


▷出演

伊東和真 徳田百々香 大洞紗優香 小蔦柚歩 室井剛喜 高梨結衣 鈴木こころ 杉原弥奈 大江光輝 大石田倖太 前田和奏 安立琴音 漆畑帆南 長谷川万芳子 池尾京 島田晴野 山本治之進 中村毬白


▷日時

2025年

3/15(土)  12時30分〜

               17時30分〜

3/16(日)   12時45分〜

★3月末より、STEPS Musical Company公式YouTubeチャンネルにて、アーカイブ配信予定!


▷会場

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場

小田急線「新百合ヶ丘駅」北口より徒歩3分