どうも、2024年度夏公演「Seven」で舞台美術チーフを務めました、むらたふうまと申します。
さて、舞台美術部というのは、木材等を用いて舞台を創り上げ、役が存在する世界を作るセクションです。
この約2ヶ月間僕は数多の木🌲を買い、切り、繋ぎ、削り、塗り、してきました。人生で人が触れる木の平均が「木木」ぐらいだとしたら、僕はこの2ヶ月間だけで、「木木木林」ぐらい木に触れてきました。
ここでこのブログのタイトルにもつながります。「木木木林」は、「きききりん」と読めますね。そう、「樹木希林」さんです。最近気づいた小さな豆知識、樹木希林は木製です。自然の権化です。だからこそ、あんなに人間としての深みが出るんでしょうか。たぶん、関係ないです。普通にすごい人というだけでしょう。
樹木希林さんの名言にこんな言葉があります。
「モノを作るっていうのは、モノを壊して作っていくことなのね。」
これはSTEPSの舞台と似ています。今回の舞台で用いた木も、おそらく過去の公演の舞台が壊され、バラされ、小さくなり、が繰り返された後に僕たちが使っている。他にもこういう形はこう作るという固定観念的な作り方も、過去の人々が試行錯誤を重ね、過去のやり方を壊し、新しく考え、改良する、を繰り返してできたのでしょう。
公演自体は昨日終了し、舞台は壊されました。ただ、
壊すことで、次の「モノを作る」に繋がっているということを考えれば、悲しいものの、何か前向きな気持ちになれるんです。
作って壊して、次に繋ぐ、そんなSTEPSの舞台が、より好きになれた、そんな2ヶ月間の公演期間でした。
僕も、木製人間になりたいです。
STEPS Musical Company 第65回本公演 『Seven』
脚本 塚本愛理
演出 永利優妃
あらすじ
彼女は光に導かれ、光を消した。
死者が裁きを受ける最後の審判。ここに一人の罪人が神の審判を受ける。彼女の罪は殺人であった…
空前の好景気にわく二十世紀はじめのニューヨーク。ワイナリーの二代目オーナーのルーカスは、事業拡大に向けた視察のため、ニューヨーク郊外の農村に訪れていた。そこで美しいピアノの音色に導かれ、地下室に閉じ込められた少女、セシリアに出会う。
ルーカスはセシリアを地上へと連れ出し、煌びやかなマンハッタンの街へと誘う。そこでセシリアは多くの人と出会い、さまざまな出来事を通じて、人間の光と闇を知ることになる。
外の世界で「何者かになりたい」。そう願ったセシリアの運命とは。
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9月14日から15日にかけて、ご来場下さった皆様に心より御礼申し上げます。
公演の模様はSTEPS Musical Company公式YouTubeチャンネルにて公開予定です。ご期待くださいませ。