皆様こんばんは!今日もお疲れ様です。

2024年度新人公演で「パレット」の脚本を書かせていただきました。2年法学部政治学科、佐藤明由美と申します。


ブログ何書こうかな〜って去年の夏公演で役者を務めさせていただいた時も悩んだのを思い出します。

今回は脚本家として、「パレット」の魅力と、この作品の原点について書きたいと思います。



自分で脚本を書いておいてこんなこと言うのも、という感じなのですが、「パレット」にはたくさん魅力があります。


セリフだったり歌詞だったり、私は脚本家としてどこも妥協したくなかった。「どうしたら見てくださる人に届くかな」「どうしたら演じてくれる役者さんが楽しめるかな」と、幾夜も悩み、試行錯誤しながら、何度も徹夜して書きました。


お気に入りのシーンはラストシーンですかね。

実は「パレット」で1番最初にできたのはラストシーンなんです。終わりから始まった物語、と言えば深いように見えますが、まぁ単純にラストが最初にできたというだけの話です笑

この物語を作り始めた時から、演出の渕上とこだわり抜いたラスト。小説じゃなく、これが舞台に乗るから脚本だからこその演出方法で印象的にできた気がします。お楽しみに。


あと歌詞!!歌詞も注目してください!!

歌詞なんて書くのは人生で初なのに、3曲分書かないといけなくて。初稿提出日の前夜、2曲目の歌詞が全く書けていなくて絶望した思い出。演出の渕上はスーパーしごできマンなので、きっとのほほんとしていて遅筆な脚本の私より焦っていたかと。懐かしいですね。

苦戦しまくった歌詞ですが、驚くことに、通しを見て感想をくれる人は「歌詞がいい」って褒めてくれて。

セリフよりも文字数制限を受ける歌詞。短い言葉で伝えるのがすごく苦手なので、本当に苦戦したんですけど、やっぱり少しも妥協したくなくて、納得がいくまで言葉遊びをさせていただきました。観劇してくださる皆様にも届いたらいいな。




歌詞といえば、2曲目の歌詞。1番悩みました。

これは「パレット」の脚本の原点に密接に関わっています。


「パレット」の原点は、私の高校時代に遡ります。

「パレット」に描いた高校時代。高校生の私は、とにかく死にたかった。

「大丈夫、大丈夫」って、「いつか絶対に平気になる」って、そう唱えて自分の腕をさするしかない、そんな毎日を過ごしていた私がいました。

何があって、とかは割愛させていただきますが、教室に精神的に行けなくなって、心配してくれる家族に申し訳なくて、毎日泣いて過ごす日々でした。

担任の先生が用意してくれた別室で1人で過ごす日々。廊下から聞こえてくる笑い声とかにどうしようもなく辛くなって、そうして孤独とか悲しみに耐えきれなくなった時に逃げる場所は、誰もいない美術室でした。

特に絵を描くわけではなかったんですが(私の画力は本当に言語化できないほど壊滅的)(私が描いたシナモンはなぜかアザラシに見えるらしい)、パレットに好きなように絵の具を出して、そこに夢見ていたんです。

こんな風にどんな色も受け入れてくれるパレットみたいな場所があったらなって。私みたいな色とも喧嘩せずにいてくれる色があったらなって。そして私もパレットみたいな、どんな色をもつ人も受け止められる人になりたいなって。そういう期待を抱いて、ずっと夢見て、私はずっと美術室に、パレットに逃げていました。


大学に入って、あの時私が夢見ていたパレットみたいな場所がSTEPSでした。あったかくて、色んな人を受け入れてくれる場所。ほんとにパレットみたいな場所だなって。そんな居場所に出会えることは確約されたことじゃないから、私は私なりにSTEPSを大切に思っていきたいなと、今回の新人公演を通して改めて思いました。



改めまして、新人公演に、「パレット」に力を尽くしてくださった全STEPPERの皆様。たくさんの脚演のわがままを叶えていただきました。本当に本当にありがとうございました。たくさんの人の努力の上に、私は脚本家としてこの作品を舞台に乗せることができます。色んな人の支えがあって、初めて私は脚本家になれました。

本当にありがとうございます。

皆様への感謝は演出の渕上が本日のブログに書いてくれているので、そちらもぜひ見ていただきたく思います。




そして脚本家より、名前も顔も、輪郭さえぼやけた、ご来場くださる皆様へ、この場をお借りして感謝申し上げます。

「パレット」を観劇してくださる方に伝えたいことは、「どんなあなたの色も受け入れてくれる誰かが必ずいる」ということです。

優しいメッセージのつもりです。でもそれが時に残酷なメッセージにも変わりうることを知っています。ですから、「パレット」を観劇してくださる皆様が少しでも笑ってくれたり、皆様の心に何かが届いたりしたのであれば、脚本家冥利に尽きるな、と思います。


もしわがままを言っていいのなら。

いつか「パレット」をふと思い出してくれるのなら、そんな作品だったと思っていただけるのなら、これ以上の幸せはないです。



長くなってしまいましたので、ここでブログをとじたいと思います。

それでは来る22日、23日、合Cでお会いしましょう。



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STEPS Musical Company 

2024年度新人公演


『パレット』『Live Life』『青い虚像』


2024622()23()

@慶應義塾大学 日吉キャンパス 合同練習室C

STEPS Musical Company公式LINEアカウントからご予約できます✨✨✨


6/22()【公演予定時間:1時間半】

12:30開演 Live Life』『パレット』


15:05開演 『青い虚像』『Live Life


17:40開演 『パレット』『青い虚像』


6/23()【公演予定時間:40分】

12:30開演 Live Life


14:15開演 『青い虚像』


16:00開演 『パレット』