Les souvenirs sont cors de chasse

Dont meurt le bruit parmi le vent

 

思い出は狩の角笛

風のまにまに消え去ってゆく

 

 

舞台監督の宮部遥です。

『思い出は狩の角笛』はお楽しみいただけたでしょうか?

 

 

本企画のタイトルである「思い出は狩の角笛」は、このフランスの詩から引用されているそうです。

思い出は角笛の音が弱まっていくように、次第に消え消えとなり、最後には沈黙の闇に沈んでしまうという意味が込められてるらしいです。

さらにざっくり言うと()思い出はどんどん消えていくものだよね〜みたいな意味だと理解してます()

(ちなみに本当の詩は、死んだ愛人のために歌っているらしいですが)

 

わたしは、この公演期間中、この公演は参加者にとって、観てくださる方にとってどういう思い出になるんだろう、と何度も考えました。結構ネガティブな意味で。

 

今回の公演では、STEPSにとっては久しぶりの対面での公演で、通しとか、円陣とか、仕込みとか、約2年間できなかったことが制約はありますが少しずつ色々出来るようになりました。それはきっと喜ばしいことではあるのかもしれませんが、去年主にオンラインで頑張ってきた人はこの公演を見て複雑な思いになるのかな、とか、やりたいと願って対面での公演を中止にせざるを得なかった公演を思って、あの公演でやりたかったとか思う人がいるだろうな、とか、色々なことを考えて、久しぶりにやるのがこの公演でよかったのかな〜みたいなことばっかり考えてました。

 

さらに、「ミュージカルが好き」「新歓期になんとなく誘われて」みたいな感じで大学生が何となくサークルに入って、楽しいからって理由だけで劇場演劇を続けるにはあまりにもリスクが大きすぎるご時世の中で、このリスクを背負ってまで私たちが公演をする意味は何なのだろう、ということも何度も考えました。

 

けど今公演が終わってみて、やって良かったな、って素直に思っています。

 

もちろん悔しいこと、思うようにできなかったことはいっぱいあります。拍手がならないアルテリオでの本番収録が終わった後、その場にいたオペ陣がしてくれた拍手のあたたかさとさみしさはわすれられないし、今回の公演が出来たからって、私たちが過ごせるはずだった時間が戻ってくるわけじゃなくて、むしろ今回の公演がちゃんと楽しかったからこそ、わたしはこれからもKAKKAやりたかったな、舞台体験でチーフさせてあげられなくて申し訳なかったな、先輩たちが卒業する前にまた一緒にたたきしたかったなって思い続けると思います。

 

ですが、これもまた悔しいですが、コロナがなければきっと普通に本公演が成立していたかもしれなくて、この企画はそもそも生まれなかっただろうし、2年間のSTEPSでの経験と去年の悔しさが全部対面公演をやりたいと思える糧になったし、オンラインでの公演で後輩たちが培ったスキルがこの公演に欠かせなかったです。どれが欠けても今回の公演はできませんでした。色んな悔しいことも全部含めて今のステップスなんだな、と思えるようになりました。

 

これからも公演が続いていきますが、後輩のみなさんにはこれまでのつらいこともたのしいことも大切な思い出にして欲しいし、そして、この公演の思い出もこれから公演を頑張る理由のひとつになったらいいな、と思います。

 

 

そしてお客様にとっては、今回の公演を見て、これからのSTEPSに少しでも期待していただけるようなものになっていたら嬉しいな、と思います。今後もSTEPS Musical Company をよろしくお願い致します。

 

 

思い出は狩の角笛、終演!