お久しぶりです。2019年度STEPS Musical Company新人公演舞台美術チーフを努めさせていただいております、佐伯陽です。

今日は公演初日でした!!!マチネ、ソワレともに何事もなく無事に成功しました!

役者の皆様、照明オペの皆様、音響オペの皆様、映像オペの皆様、そして、舞台オペの皆様お疲れ様でした。

 

 

「え?舞台オペ??」

 

と思った方いるかと思います。そうなんです今回の舞台はオペが必要な舞台になっております!

私舞台チーフ、STEPS史上初の回転舞台を作り上げることに成功いたしました!!

 

演劇やミュージカルというのはなまものって表現されることが多くて、簡単いえば映画と違って同じ公演がなく一瞬一瞬を楽しむものなんです。

STEPSの舞台は今まで舞台セットは普遍的な物で行ってきました。というのも学生団体ですし、専用の小屋があるわけでもないから可動式のカラクリ仕立ての舞台セットは作れなかった、いや作ってこなかったんですよね。

 

でも!!

 

作ってみたいじゃないですか??できたら演出の可能性も広がるし、ダイナミカルなミュージカルをつくれるんですよ!

ワクワクするじゃない!!

 

と、3ヶ月前の佐伯少年は意気込んでこの回転舞台の設計に取り掛かりました。

設計段階は順調に進みました。なぜならまだ机上にあるから。

そのときの僕は

 

「なんだ案外順調に進むじゃん」

 

と余裕をぶっこいていました。

回転舞台の難しさの片鱗も見てないのに。。

 

そうこうしているうちにたたき(つまり制作作業)が始まりました。

1年生もたくさん来てくれて、回転舞台の回転機構を僕が担って、他の舞台セットはほぼ1年生だけで作りあげてくれました。とてもとても優秀な1年生が多くて作業も序盤は順調に進みました。

 

しかし、作業開始から1週間くらいたった頃から雲ゆきは怪しくなりはじめました。

そうです、梅雨が始まったのです。

 

雨が降ると作業スペースが狭くなってしまう上、何団体もが同じスペースで作業しようとするので人が溢れ帰ってしまい、作業どころではなくなってしまいました。

 

さらに僕が作っていたこの舞台の命である回転部分の設計にミスを発見したり、この新人公演は4公演オムニバス公演という特殊な形態を持っており4つの脚本でも浮かない装飾をしなければならないのですが、それが歴代チーフを苦しめる一番の原因で、僕も例外ではありませんでした。

 

嫌なことが次々と重なって空模様も心もようも沈んでいく一方でした。

そしてここで回転舞台の恐ろしさに気がつきます。

 

「実際に立てて見ないと回るかどうかわからない」

 

もく材の骨組みだけの状況で回っていたとしても実際に舞台に立てたときに回るどうかは実験ができないのです。

リノリウムが引っかかるかもしれない。そもそもパネルがつかないかもしれない。車輪がうまく接地しないかもしれない。人がのったら崩れるかもしれない。。

 

こんな風に不安というのは1度湧いてしまうと次々湧いて来て心にとどまって行きます。まるで梅雨前線のように。

僕のメンタルはけっこぷ限界に近い状態にまで落ちてしまいました。

 

しかし!

 

こういう時に支えてくれるのがサブなんですよね

 

色々な装飾案を出してくれたり、不安を払拭してくれたりと力をくれました。

 

「もう割り切って作りきるしかない」

 

腹をくくりました。

そして不安なって忘れるくらい、装飾に文句言われても気にしないくらいガムシャラに作りました。

そしてついに完成し、できた舞台がこちらです!!

」_

 

まっっっっっっ白にして見ました!!!!

コンセプトは

「塗りなおし」

古い遺物を塗り替えて行こうというおもいを込めて見ました。

 

確かに従来のものは良さがあります。でも魅力がありません。

STEPSの舞台は大抵具象よりの固定パネル舞台。

 

確かに作りかたもわかってるし、舞台として使いやすい。

しかし、そればかりを作っていたんじゃ面白くない。

 

だから、抽象よりの装飾をほどこディたパネル舞台をしろ単一に塗って完全抽象にし、回転という新しいギミックを搭載しました。

 

そして何より回転ですが、僕の予想より遥かにスムーズに回ってくれました。

本当に嬉しかった。

 

この一週間たぶん自分の家よりもこの舞台にいて、作業をし、そして本番を迎えられたことにホッとしています。

しっかりと回転の役目を果たし、立ってくれているこの舞台を1番知るのは僕だし、多分このサークルの誰よりもこの舞台から見える景色が美しい自信があります。

 

新ことをやる

 

のは本当に辛いことばかりだし、聞ける相手もいなくて大変だけど、やりきったあとに見られる景色は格別でこれを知ってしまったらまた何か新しいことにチャレンジして見たくなってしまう。

 

こんなにも愛着の湧いた子供のような舞台が舞台として立っていられるのもあと1日だけ。それが追わればもうただの木片にもどってしまいます。寂しですがそれが宿命。心を鬼にして明日を迎えようと思います。

 

さて次はどんな舞台を作ろうか,,,

 

 

 

 

 

最後に朝一から修正作業にはげむ同期の楽しそうな写真をのせて終わりますね!

明日最終日頑張ろう!!