Pepmalibuのブログ -37ページ目

Pepmalibuのブログ

こんにちは(^-^)このブログでは、アメリカ人と日本人の2人の博士号/MBAホルダーが、世界や日本で起こっている出来事に対する多元的な見方、アメリカの最新ビジネスや最先端の情報テクノロジーなどを紹介しています。どうぞよろしくお願いします!!



奇跡の資産

男子優先の傾向が今でもかなり強い日本ですら、大学に進学する女性は多いです。アメリカ人の自分の母は女性だったという理由で、進学ができなかったことが信じがたいのですが、50年代のアメリカはそうでした。当時、多くのアメリカ人の考え方は、女性が高校を卒業したら結婚するもの、でした。私の祖父も、母の大学への進学を許さなかったそうです。かわりに、自分の人脈を通じて、母が関心を持った微生物学を追求できる病院の仕事を確保しました。それから、しばらく後に、祖父が予想したように、僕の母は結婚しました。しかし、その6年後に長男が生まれるまで、働き続けたそうです。おもな目的は、子育て用の資金を貯めることでしたが、その仕事の一番の魅力は、母が関心を持つ微生物学について学ぶことができたことだったそうです。

私は、以前、母と「進学が拒否されたこと」について話したことがあります。彼女が結婚を選び、数年後に子供を産み、家庭を作るために、キャリアを犠牲にした決断について、何も後悔がないことは分かっています。しかし、こんなに教育を重要視している母だから、4人の子供が大学に進学することは、生まれた日から決まっていました。正確にいうと、その前から決まっていたことだと思います(笑)。また、そのなかのうち、最低、一人が医師になることが、母の最大の希望でした。

僕は、その母の希望を尊重する一方、僕と違って、あまり勉強が好きじゃない二人の兄が毎日、母から勉強しなさいという圧力を受けたため、可哀そうだと思っていました。二人の兄に比べると、僕は勉強が好きだったので、何の圧力を感じていませんでした。大学院生になったときまで。

大学の時に、経済・経営学を専攻しました。日本と違い、アメリカでは、医師になるために、まず大学を卒業してから、大学院に進学する制度となっています。医学部の進学に必須となる化学、有機化学、生物学、物理学の授業を受ける限り、大学学部の専攻はどれでも良いのです。当時、医師になりたいという強い希望がなかったにもかかわらず、母の願いだったことに加えて、他人を手伝うのが好きなので、メディカルスクール(医学系大学院)に進学しようと思いました。

そして、医学系大学院に進学することに決めました。しかし、科学の勉強が好きなのに、人の身体に触れたり、治療したりするのに向いていないと感じました。そのうえ、解剖学の授業を受けたときに、死体のある部屋に入るたびに、吐き気がしたので、無理だと思いました。もちろん、医師は、人の治療が中心となる臨床の道のほかに、研究者になる道もあるので、検討しましたが、当時、日本語への関心が強かったので、医学系大学院を辞めることに決めました。

現在、効果的な治療法がないパーキンソン病などを患っている患者にとって幸運なことに、ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授が外科医の訓練中に挫折したときに、研究の道に進むことを決めました。長い年月がかかりましたが、最終的に、マウスの胚性繊維芽細胞に4つの因子を導入することで、iPS細胞 (iPS細胞 = induced pluripotent stem cell) のような分化多能性のあるマウス人工多能性細胞を作りました。それらを利用し、再生治療が円滑になり、いまだに復帰の見込みのない患者にいつか完全に癒される希望の光が見えてきました。何と素晴らしいことでしょう。

この素晴らしい結果を成し遂げた山中教授の様子を見て、感動しました。彼を支えてきた家族に謙虚に感謝の意を示し、共同研究の貢献を認め、褒めたたえています。でも、一番印象に残ったのは、iPS細胞の特許利用に関することでした。夕方のニュースで抜粋された、山中教授の記者会見の説明によると、ほとんどの会社や組織が研究の実りに対する独占的権利を手に入れるために、特許を取っているそうです。誰かが特許を取得すれば、他人は使えなくなってしまいます。しかし、山中教授は、そんな状況に陥らないように、自分がその特許権を先に取得し、この技術を人類共通の財産にすることを考えているそうです。そうすれば、この知識を幅広い範囲で広めて、科学の進行を促進することができます。なんと偉大な考え方でしょうか。

山中教授はきっと、知識の奇跡的な力を認識しています。モノ、金、や人間などの資産は、使えば使うほど、価値が下がるもしくは完全になくなります。反対に、知識には、あえて逆説的に言えば、利用すればするほど、価値が上がる特徴があります。この関連で、語源が中国語で、それが英語でも有名になった格言が思い浮かびます。それが Give a man a fish, and you feed him for a day. Teach a man to fish, and you feed him for a lifetime (人に魚を与えれば、その人は一日生き延びられる。魚の捕り方を教えれば一生生きていける)。僕は以前からこの格言が好きです。大学の教師兼経営コンサルタントの仕事を行うとき、この格言に従うようにしています。

その中で、この格言が全てを物語る訳でないことが気づきました。まず、僕が「先生」として他人を指導するときに、僕も閃きがあります。「学習者」の意見や質問から学ぶだけではなく、それらに刺激され、新たな観点から持っている知識を見るようになる訳です。その結果、自分の知識が「学習者」とともに増えるし、適用可能な範囲も広がります。また、他人に知識だけではなく、教え方や共有の仕方を教えれば、知識が指数的に、広がります。例えば、私が教える2人が、2人ずつ教えるとしましょう。それからその教わった4人が2人ずつ教えると、細胞の増殖のように、知識も「指数的」に増えていくでしょう。

さて、いかにこの奇跡的な資産を適用して、いわゆる学習組織を構築したらよいのでしょうか。まず、上司なら、部下に自分の知識や技能を教え、将来、上司の仕事を継続できるように育てます。また、組織に新しい知識、技能を導入するために、研修を実施すべきです。それによって、その学びが会社全体に広がり、適用されるように工夫すべきです。例えば、参加者に行動計画を作成してもらい、実施してもらったら、いかがでしょうか。その実行の30日後、またその部下と結果について相談すると、お互いも学びが増えるでしょう。

一流企業では個人開発計画 (Individual Development Plan)という道具を利用し、組織全体に学習の重要性、やり方を体系的に根付かせています。具体的に、上司がそれぞれの部下と一緒に、今後6カ月、また1年間の間に部下が参加する研修、OJTと呼ばれる仕事上の訓練計画、研修の学びを検証するプロジェクトの計画を作り、同時に他人に知識を共有する機会を計画します。

この過程は時間がかかります。ですから、採用を躊躇するマネジャーが多くいるかもしれません。採用したいと考えるが、部下が多いため、とてもできないと思い込んでいる上司もいるかもしれません。良く考えれば、それが大きな間違いなのではないでしょうか。人に釣り方を教えることに時間がかかるので、代わりに毎日魚一匹与えることにする。その場合、長期的に教える時間より多くの時間が必要となります。忙しいという理由で知識の拡大に投資しないことが、かえって不合理でリスクが大きくなってしまうのです。

この発想を、業績が悪化している日本企業にお勧めします。山中教授の研究結果のように、奇跡的な資産である知識の拡大はもしかして唯一の希望の光かもしれません。


英語塾

次の格言を述べたのは誰でしょうか。当ててみてください。

格言
Facts do not cease to exist because they are ignored.
Knowledge is of two kinds. We know a subject ourselves, or we know where we can find information upon it.
I saw the angel in the marble and carved until I set him free.
Intellectual ‘work’ is misnamed; it is a pleasure, a dissipation, and is its own highest reward.
Chance favors only the prepared mind.


発言者
Michelangelo, Italian artist / sculptor
Louis Pasteur, French scientist
Samuel Johnson, English author and lexicographer (辞典編集者)
Aldous Huxley, English writer
Mark Twain, American novelist

<推薦図書>
本ブログの著者ジョセフ・ガブリエラと杉本有造は、両者ともにMBAの保有者であり、英語と日本語の両方でエレベーターピッチを実施する豊富な経験を有しています。くわえて、両者の経験を活かして、ビジネスパーソンに対して、仕事の現場で直ちに活用できるエレベーターピッチの技法について指導しています。エレベータースピーチのテクニックを習得したいと思われている方に、二人の共著『エレベーター・スピーチ入門~アメリカビジネスで成功するためのプレゼンテーション&自己イメージ作りの技法』を読まれることを強くお勧めします。

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このブログは、ジョーが執筆し、皆様にお届け致します。ジョーことジョセフ・ガブリエラは、2000年に来日したアメリカ人。格闘技ファンなら誰でも知てる、K-1ファイターのアンディー・フグ氏にそっくり!

1989年米国ペンシルベニア大学ウォートン・スクールを卒業。その後ペパーダイン大学を皮切りに、イリノイ大学、南フリダ大学を卒業。MBAを含め2つの修士号と博士号を取得しました。日米合弁IT関連企業、スイス系証券会社、米系銀行、そして日系外食企業など幅広い業界の勤務を通して様々なビジネス経験を積みました。趣味は、水泳、読書(村上春樹氏の大ファン!)、ピアノ、そして様々な国の言葉を勉強する事です。ちなみに、2年前から新たに中国語勉強に励んでいます!この記事についてのご質問、感想、また意見を歓迎します。また、共同研究者である杉本有造氏とともにコンサルティング業務も行っていますので、お気軽にご相談ください。




ジョセフ・ガブリエラ  博士/MBA
東洋大学
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「世界のどこでも働ける日本人になろう」

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杉本 有造  博士/MBA
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(The Institute for the International Education of Students, Tokyo)講師
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© 2013 Joseph Gabriella, Ph.D., MBA. All rights reserved. 無断複写・転載を禁じます。



Pepmalibuのブログ-y-combinator-1


1. 知識は、経済力 Knowledge is Economic Power

YConminator
http://www.nytimes.com/2013/05/05/magazine/y-combinator-silicon-valleys-start-up-machine.html?pagewanted=all

経済学者ジョセフ・シュンペーター(Joseph Schumpeter)は、起業家が起こす革新(イノベーション)の理論の先駆者です。彼の理論によると、起業家こそが、経済成長を促す存在です。2008年のリーマン・ショックを起因とする不景気が長引いているアメリカでは、「Yコンビネーター」(YCombinator)のような組織の存在がますます必要になってきています。Yコンビネーターとは、カリフォルニア州マウンテンビューのベンチャーキャピタルで、主にスタートアップ企業に対し投資をしています。起業家王国のアメリカでは、ベンチャー企業が多いですが、資金や管理の支援に加え、起業家を育てる教育を提供するような企業は、今のところ、このYコンビネーター以外には存在しません。

Pepmalibuのブログ-y-combinator-2

Yコンビネーターは、かなりの数のベンチャー企業に少額の資金を投資し、まず、そうした企業にシリコン・バレーに移動してもらいます。そこで、3ヶ月の間に、それぞれの会社と集中的に協力し、新規事業を促進し、他の投資家に売り込む準備をします。その結果、投資家に発表するときに、追加資金が手に入ります。しかし、それで、Yコンビネーターとの関係が終わる訳でありません。Yコンビネーターが新規企業を直接する支援し続けるし、人脈を通して、事業展開のサポートも行っています。

日本は「不景気」のうえに、そもそも起業家が少ないので、このビジネスモデルの検討をお勧めします。実は、同僚と一緒にYコンビネーターの申込書作成の支援を実施することに加えて、起業家を育てるための研修やコンサルティングを行っています。


Y Combinator's Paul Graham On Changing Strategies



カレが、Yコンビネーターのファウンダー(創業者)、ポール・グレアム博士です!


2. プレゼンテーションとは、単に個々のスライドの集計ではありません。Effective Presentations are More Than the Sum Total of Constituent Powerpoint Slides

John Orlando. “Prezi: A Better Way of Doing Presentations. ”Faculty Focus. June 30, 2010.
http://www.facultyfocus.com/articles/edtech-news-and-trends/prezi-a-better-way-of-doing-presentations/

Pepmalibuのブログ-presi-1


Pepmalibuのブログ-presi-2


僕が1995年に、大学院に戻ったときに、初めてパワー・ポイントを利用したプレゼンテーションを見ました。すごく興味深かったので、その後すぐ、自分自身で学びました。初めのうち、プレゼンのときにいつも利用していました。経験を積むうちに、使った方がインパクトが強いときもあるし、逆に、利用すると、悪影響を与えてしまう場合もあることに気がつきました。その原因の一つは、パワー・ポイントは「直線的な思考」の原則に基づいて開発されていることです。たとえば、「勇気」または「情熱」などのような抽象的な概念は、非線形の思考、つまり、総合的な考え方で処理したほうがふさわしく、このような概念を、パワー・ポイントは十分に表現できません。そうした非線形的な思考を説明する場合、プレジが適しているかもしれません。


以下のリンクをクリックすると、「プレジ」(Prezi)のホームページにつながります。日本語の字幕でプレジのソフトを説明するこの動画は必見です。












日本に求められるヴィクトリアズ・シークレットに
潜んでいるリーダーシップの秘訣

$Pepmalibuのブログ-PINKCosmetics


僕にはそもそもファッションセンスがないし、関心もあまりありません。ですから、友人や知り合いは僕の身だしなみに対して、あまり期待していないと思います(笑)。

それでも、40歳になるまで、下着について真剣に考えたことがない事実について、最近ちょっと恥ずかしく思うようになりました。実は、下着は、小さいときから、僕の母が買ってくれていたので、考える必要がなかったのです。日本に引っ越してからも、僕が米国に帰国したときに、母が買い与えてくれていたのです。

ですから、数年前に、下着がかなり古くなったことに気づいたとき、かなり驚きながらも困り果てました。確かに、それは死活問題ではありませんでした。この種の商品、つまり下着を購入した経験がまったくなかったのに加えて、下着を買いに行くのがちょっと恥ずかしい気持ちがあったのです。

しかし、MBAの取得者の僕は、絶対にこの問題に負けたくないと決心し、勇敢にも、駅付近のデパートに出かけました。思ったとおり、下着があったので、一安心しました。実は、日本のメーカーの商品に加えて、米国製の有名なブランドの品揃えも結構豊富でした。最初は、慣れ親しんだ米国のブランドを買おうかと思いました。でも、よく考えると、僕には、日本の標準サイズのズボンがぴったり合います。つまり、日本人の標準に近い僕の身体には、日本製のブランドの方がもっと快適だろうと、そのとき思いました。

でも、それは大きな間違いでした。その下着をはいた瞬間から、すごい不快感を感じました。それはきついとか、ゆるいという類いの感覚ではありませんでした。具体的に、何がその不快感の原因だったかよくわかりませんでした。もしかして、日本製の商品をはき慣れていないからかなとも思いました。はき続けさえすれば、きっと快適になるだろうと思い込んでいました。残念ながら、その考えも大きな間違いでした。反対に、はけばはくほど、不快感が強まるような気がしました。

一週間が経過した時点で、我慢できなくなって、米国のブランドを買いにいきました。そのとき以来、アメリカに里帰りをする度に、必ず、大量の下着を買い込んでいます。

暫くの間、その作戦が功を奏しました。シンガポールに出張に行くまでは。当時、銀行に勤めていたにも拘らず、どうやら足し算ができず、日数分の下着を荷物に詰め込みませんでした。最初、下着の数が十分にないことがわかったとき、ホテルで洗濯してもらえばいいや、と思いました。でも、それだと料金が高くなるのと同時に、ちょっと恥ずかしいなという思いがわいてきました。結局、ホテルに洗濯を頼むのをやめました。代わりに、カルフールで購入することに決めました。(そういえば、カルフールは、日本からは撤退してしまいましたね。)

フランスのおしゃれなイメージ通り、このフランス出身のチェーン店で、鮮やかな色で派手なスタイルの商品が揃っていました。でも、僕好みの控えめな白い下着はありませんでした。その結果、しぶしぶ一番好みの合う色の若干派手なものを買うことにしました。でも、驚くことに、はいた瞬間から気に入りました。スタイルも大きさも僕にぴったりでした。

その体験のお陰で、下着についてだけではなく、その他のファッションへの関心も少しずつですがでてきました(笑)。

それでも、多くのアメリカの女性がヴィクトリアズ・シークレットへ行き、いっぱいお金をかけて、他の洋服と同じように、色々な種類の下着を購入することにはかないません。下着とは、外から見るものではないので、一人の特別な人(配偶者や恋人)のために、そんなに労力や資源をかけるなんて、私の発想では割に合いません。僕にとって、下着はそこまで重要なものではありません。

ただ、経営コンサルタントとして、会社の幹部に事業展開について助言を与えている立場でいうと、下着と同じように外からはなかなか見えない「企業戦略」は非常に重要なものだと思います。商品の派手さに目を奪われて、その企業戦略までなかなか注意が行き届きませんが、ヴィクトリアズ・シークレットは、その40年の歴史の中で、見事な戦略を立ち上げてきました。

環境や会社の成長局面が変化するにつれて、組織として進化し続け、大規模な組織変更に成功しました。その抜群の成果をもたらすために、卓越したリーダーシップを駆使したのが、創業者兼会長であるレスリー・ウェクスナー氏にほかなりません。

1963年に、The Limitedという女性服の専門店として設立されたウェクスナー氏の会社は、急速に成長した結果、1990年代までに、5000店舗の規模の大企業になりました。そのとき、ウェクスナー氏には重要な閃きがありました。彼は、成長過程を通じて、複数事業部制の会社に変革したと思っていました。しかし、実際には、経営の統制がとれていないベンチャー企業になっていたことが分かりました。グループ企業や事業部の経営者のほとんどが、ウェクスナー氏自身のように、強固な独立型の人材ばかりだったので、統一した戦略が展開できませんでした。そのため、抜本的な変革が必要でした。

閃きがそこでで終わったら、このストーリーは、そんなに印象的ではありません。特筆すべき点は、ウェクスナー氏が本格的なリーダーしか直面しない真実に立ち向かったところです。自分自身が変わることができなければ、会社は決して変わりません。もっと具体的に言えば、企業家精神の強い彼自身が変わり、もっと幹部らしく行動をとり、人を通して成果が出せるようになることができなければ、辞任するしか道がないことがわかりました。従来通りの独立独歩型のウェクスナー氏がトップに君臨することで、会社の将来は危険にさらされてしまうという状況だったのです。

時間や努力が必要でしたが、彼は見事に変身しました。しかし、彼の部下の三人のうち二人は変更を拒否し、もしくはできなかったので、幹部の半部以上は、会社を離れました。それは抜本的な変化だったにも拘らず、そこで、変化が終わった訳ではありませんでした。社風を全面的に変えるために、リーダー育成や社会活動に基づいた組織を築き始めました。ウェクスナー氏自身が育った徒弟制度より、直接人に教える方が効果的だと彼が判断し、自分自身、教授法を学び、年に100~150時間をかけて、将来のリーダーに直接指導しています。

また、社会貢献として、奥さんのアビゲールとともに、ボランティア活動も行っています。同様に、雇用の条件として、上級管理職にも同じような活動を強制しています。ですので、勤務時間中、幹部は学校などで教えたり、非営利団体の取締役の業務を行ったりしています。このような活動を通して、ウェクスナー氏は単に、強い会社を作り上げてきただけではなく、会社と地域社会との間の深い絆を築き上げました。その意味では、僕が以前勤めていたワタミに似ています。

しかし、大きな違いが一つあります。ウェクスナー氏は、自分を超越するビジョンの重要性を認識しています。人々を指導するなら、皆が共有できる、皆が強く信じるビジョンが不可欠となります。この関連で、ユダヤ系アメリカ人であるウェクスナー氏が自分の民族に言及しながら、こう説明します。1940年代後半以降、第二次世界大戦やユダヤ虐殺の経験が、ユダヤ系のアメリカ人の中に一体感をもたらし、皆が共有できるビジョン造りにつながっていきました。しかし、若いユダヤ系アメリカ人には、そうした悲惨な経験がないので、共有できるビジョンもありません。その結果、若い世代の中では一体感が薄まってしまっています。

よく考えると、現在日本にも同じ問題があるのではないでしょうか。第二次世界大戦の直後、国の再建や経済回復が優先課題になり、日本人たちは皆、一体感を持って、米国に追い付くための共有のビジョンを持っていました。しかし、1990年代の前半に経済バブルが弾けた時以来、そのビジョンがなくなった結果、日本人の中の一体感が大分薄まってきてしまいました。去年の震災の直後、暫くの間、ある程度の一体感が戻ってきたようでしたが、予想どおり、危機感がなくなった途端、一体感も消えてしまいました。

ヴィクトリアズ・シークレットはまだ日本に拠点を置いていません。近い将来、日本市場への参入を検討していると聞きましたが、それは噂かもしれません。むろん、もしも日本市場に参入するならば、多くの日本女性が喜ぶでしょう。そのうえ、リーダーシップの強いウェクスナー氏の影響で、日本の地域社会にも積極的に貢献していくと思うので、性別に関係なく、日本人の皆さんが恩恵を受けるでしょう。そうした活動を通じて、ウェクスナー氏が語る「ビジョン造りの大切さ」について学ぶなら、企業や経営者にとって、それは(下着とは異なり)「外からすぐ見える」結果につながっていくことでしょう。



英語塾

Leadership Speaker Series: Les Wexner


以下のビデオではウゥエクスナー氏がハーバード大学で彼の会社とリーダーシップについて語っています。このビデオを見ながら、次の真偽問題に答えてください。




1. Les Wexner dreamed of building a multi-billion dollar empire from the day he opened his first     
   store.

2. Les Wexner is the son of Russian immigrants.

3. Les Wexner grew up in Boston, but after graduating from Harvard, moved to Ohio.

4. Like her husband, Abigail Wexner is heavily involved in community-service activities.

5. Lex Wexner has four children.

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本ブログの著者ジョセフ・ガブリエラと杉本有造は、両者ともにMBAの保有者であり、英語と日本語の両方でエレベーターピッチを実施する豊富な経験を有しています。くわえて、両者の経験を活かして、ビジネスパーソンに対して、仕事の現場で直ちに活用できるエレベーターピッチの技法について指導しています。エレベータースピーチのテクニックを習得したいと思われている方に、二人の共著『エレベーター・スピーチ入門~アメリカビジネスで成功するためのプレゼンテーション&自己イメージ作りの技法』を読まれることを強くお勧めします。

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このブログは、ジョーが執筆し、皆様にお届け致します。ジョーことジョセフ・ガブリエラは、2000年に来日したアメリカ人。格闘技ファンなら誰でも知てる、K-1ファイターのアンディー・フグ氏にそっくり!

1989年米国ペンシルベニア大学ウォートン・スクールを卒業。その後ペパーダイン大学を皮切りに、イリノイ大学、南フリダ大学を卒業。MBAを含め2つの修士号と博士号を取得しました。日米合弁IT関連企業、スイス系証券会社、米系銀行、そして日系外食企業など幅広い業界の勤務を通して様々なビジネス経験を積みました。趣味は、水泳、読書(村上春樹氏の大ファン!)、ピアノ、そして様々な国の言葉を勉強する事です。ちなみに、2年前から新たに中国語勉強に励んでいます!この記事についてのご質問、感想、また意見を歓迎します。また、共同研究者である杉本有造氏とともにコンサルティング業務も行っていますので、お気軽にご相談ください。




ジョセフ・ガブリエラ  博士/MBA
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杉本 有造  博士/MBA
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エレベーターで、MBAの頂点まで、昇りつめましょう!
ケース・スタディの紹介 (連載第3)


Pepmalibuのブログ-InpiredByStarbucks
スータバックスの新業態「Inspired By Starbucks」(二子玉川店)

Pepmalibuのブログ-Redhook
スタバの店として初めて、アルコールが飲めるのがセールスポイント。そこで、もし、シアトルの地ビール「レッドフック」(Redhook)を注文すれば、あなたは相当のスタバ・フリーク。なぜなら、このレッドフックは、米スターバックスの創業者が別の会社で作ったという、伝説のビールだからです!


 MBA取得を目指している人、あるいはアメリカ人のMBAホルダーと一緒に仕事をしようとしているビジネスパーソンにとっても、エレベータースピーチの発想が強力な武器になります。エレベーターピッチ、あるいはエレベーターステイトメントとも呼ばれます。

 エレベータースピーチとは、以前の掲載でも説明したように、通常30秒、長くても1分で完了するスピーチのことです。スピーチの持ち時間が、エレベーターでオフィスビルの1階から最上階まで行く場合の平均的な所要時間に匹敵するため、こう呼ばれています。エレベータースピーチの考え方は非常に合理的です。最高経営責任者(CEO)や著名人、外交官といった重要人物と、偶然同じエレベーターに乗り合わせる、あるいはどこか別の場所にたまたま居合わせる、その束の間の会話を千載一隅のチャンスととらえるのです。なぜなら、そのような重要人物に約束を取り付けられる保証など、この先まずありえないからです。
 
 ところで、ここにでてくるMBAってご存知ですか。せっかくの機会ですので、今回その概要を説明しておきましょう。MBAとは、「Master of Business Administration」の略です。日本語では「経営学修士号」と訳されます。一般に、MBAは、米国のビジネススクール(経営大学院)で取得します。

 その歴史をひもとくと、1881年にアメリカのペンシルバニア大学ウォートンスクールで始まったのが起源だとされます。その後、MBAプログラムが米国の各大学のビジネススクールで採用されるなかで、「経営を科学的に分析する学問」として定着してきたのです。

 たとえば、誰もが認める名門ハーバード・ビジネススクールは、成功した企業経営を個別に分析し、その分析調査資料を授業のなかで活用し、学生が経営者になったつもりで課題、解決方法を実践的に学ぶケース・スタディ(事例研究)を普及させたことで世界的に有名です。
 
 こうしたビジネススクールで学ぶことは、企業経営に必要とされる全般的な知識です。専門的な知識(たとえばファイナンス、マーケティング、会計学、統計、経済学など)にくわえ、心理学、リーダーシップ論など経営に必要な知識全般をそれぞれ体系的に、同時に相互に関連づけながら学んでいきます。

 ビジネススクールの最大のメリットは、優れた経営者が20年以上の職業経験から得る知見を、極めて短い期間(10ヶ月から2年)で学ぶことです。過去に成功した企業とその経営者を科学的に分析し、それを凝縮して短期間の効率的なプログラムに組み立てています。

 もちろん、凝縮された内容を短期間に学ぶためには、学生も覚悟が必要です。彼らは、平均睡眠時間4時間など、かなりのハードワークを強いられます。そして、学生達は、そうしたハードワークを通じて、ビジネスをいかに効率的に行うか、あるいはいかに仲間とチームを組んで協力するかを実践的に学ぶことも期待されています。

 具体的に学ぶ科目は、経営戦略、ファイナンス、組織行動論、人事戦略、マーケティング、統計学、コンピューター(インターネット)、会計学、経済学、ビジネス法務、プレゼンテーションなどで、経営全般にわたる幅広い知識です。
 
アメリカ企業の多くの経営者や幹部社員がこのMBAを取得しています。もちろん、すべて経営幹部がMBAホルダーというわけではありません。しかし、アメリカのビジネス社会においてキャリアアップを目指す者にとってはMBAを取得していることが強力な武器になることは事実です。

 さて、MBAの概略が理解できたので、次に具体的な技法についてみていきましょう。

MBAに役立つエレベータースピーチは、大きく分けると3種類あります。

1 著名な学者や経営者をテーマにするもの
 ピーター・ドラッカー(Peter Drucker)のような学者や、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)、ジャック・ウェルチ(Jack Welch)のような優れた経営の実践者を紹介するもの。

2 キー・コンセプト
 特定分野の主要な概念、考え方を説明するもの。たとえば、マーケティング分野では、「プロダクトライフサイクル」(product-life cycle )や「4Ps」が典型的な例となります。その分野で活動していれば、必ずといっていいほど話題になるコンセプトです。

3 ケース・スタディ(事例研究)
 一般的に、ある企業を対象にして、一つの分野(例、企業戦略)を分析するもの。もちろん複数の分野から総合的に分析することも可能です。たとえば、ヒト(人的資源)、モノ(物的資源)、カネ(資金)の視点で、企業の戦略を分析することもできます。
 また、人的資源を対象にして、一つの観点(たとえば、リーダーシップ)から分析する場合もあります。ハーバード・ビジネススクールが、ケース・スタディで有名なことは前に説明しました。

 以前、著名な経営者の紹介とキー・コンセプトの説明を話題にしたエレベータースピーチを掲載したので、今回はケース・スタディの例を紹介します。


Starbucks

Coffee shops are enormously popular in Japan. But the market, highly saturated for at least two decades, is now intensely cost driven. Doutors, a national chain, sells coffee for about 200 (US$2.50) yen a cup. McDonalds sells it for 100 yen. At Starbuck’s, beverages start at about 270 yen per cup, roughly 35% higher than Doutors, and close to triple the price of a McDonalds beverage. Starbucks stores are also notoriously nonsmoking in a nation where salarymen, coffee-shop power users, light up when they drink up. For these reasons, I did not think Starbucks would succeed in Japan. Yet they have. How? By recognizing the power of service. In Japan, where the service level is even higher than in the United States, products are invariably prepared to standard with impeccable precision; the staff cheerful, knowledgeable and helpful; and the premises
spotless. As one store manager explained, “At Starbucks, we serve people, not coffee.”


日本語では、次のようになります。

スターバックス社

日本では、コーヒーショップ(カフェ)がとても人気があります。しか
し、この20 年間で、市場は飽和点に達し、現在は、厳しい費用面の競争
が発生しています。全国チェーンのドトールは、200 円(2.5 ドル)のコーヒーを販売し、マクドナルドは、100 円でコーヒーを提供しています。一方、スターバックスでは、飲み物の価格は1 杯270 円からスタートします。これは、ドトールよりも35%高く、また、マクドナルドのほぼ3倍の価格に該当します。スターバックスは、コーヒーを飲んでタバコで一服するためにカフェを頻繁に利用する「サラリーマン」の国、日本で全面禁煙を採用している点でも有名です。そうした理由のため、私は、スターバックスが日本で成功するとは思いませんでした。でも、成功しています。どのようにして?サービスがもつ威力を認識することによって、成功しているのです。日本では、米国に比べて、サービスの水準がかなり高いです。ですから、スターバックスでも、商品は必ず「欠点のない正確さ」の標準にしたがって準備されます。スタッフは明るく元気で、商品知識も豊富で、顧客をいつもサポートしてくれます。そして、清潔さがすべての前提になっています。スターバックスのひとりの店長がこう説明してくれました。「私たちは、コーヒーを提供しているのではなく、顧客に奉仕しているのです」。

基本的な項目と重要なポイント
ケース・スタディに関連してエレベータースピーチを行う場合、次のような点に配慮するとよいでしょう。

【基本的な項目】
1. 何についての事例かを明確にします。それは、一般的に、冒頭の主題文(トピック・センテンス)で述べられます。これは、必須ではありません。演繹的な考え方に馴染んでいるアメリカ人などの西洋人を対象にスピーチをする場合この点に注意するとよいでしょう。

2. 念のため、演繹法について説明しておきましょう。演繹法とは、一般的原理から論理的推論により結論として個々の事象を導く方法のことをいいます。演繹法の反対の概念が帰納法です。帰納法は個々の事象から、事象間の本質的結合関係、つまり因果関係を推論し、結論として一般的原理を導く方法のことす。簡単にまとめれば、演繹法が「一般原理から個別の事象を導く」、帰納法が「別の事象から一般原理を導く」ということになります。

3. なぜこの事例が重要なのかを説明します。

4. 事例から何が学べるか、つまり教訓について触れます。

【重要なポイント】
1. 事例を語るうえで、なるべく、「5W1H」(who, what, where, when, why,how)という質問に答えることをイメージして、スピーチを組み立てるように心がけましょう。

2. ケース・スタディの対象について、全面的に説明する必要はありません。実際、僅かな1 分のエレベータースピーチでそれを行うのは不可能です。代わりに、自分が強調したいメッセージに絞ったうえで、それを詳細に説明する手法でもよいでしょう。



<推薦図書>
本ブログの著者ジョセフ・ガブリエラと杉本有造は、両者ともにMBAの保有者であり、英語と日本語の両方でエレベーターピッチを実施する豊富な経験を有しています。くわえて、両者の経験を活かして、ビジネスパーソンに対して、仕事の現場で直ちに活用できるエレベーターピッチの技法について指導しています。エレベータースピーチのテクニックを習得したいと思われている方に、二人の共著『エレベーター・スピーチ入門~アメリカビジネスで成功するためのプレゼンテーション&自己イメージ作りの技法』を読まれることを強くお勧めします。

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このブログは、ジョーが執筆し、皆様にお届け致します。ジョーことジョセフ・ガブリエラは、2000年に来日したアメリカ人。格闘技ファンなら誰でも知てる、K-1ファイターのアンディー・フグ氏にそっくり!

1989年米国ペンシルベニア大学ウォートン・スクールを卒業。その後ペパーダイン大学を皮切りに、イリノイ大学、南フリダ大学を卒業。MBAを含め2つの修士号と博士号を取得しました。日米合弁IT関連企業、スイス系証券会社、米系銀行、そして日系外食企業など幅広い業界の勤務を通して様々なビジネス経験を積みました。趣味は、水泳、読書(村上春樹氏の大ファン!)、ピアノ、そして様々な国の言葉を勉強する事です。ちなみに、2年前から新たに中国語勉強に励んでいます!この記事についてのご質問、感想、また意見を歓迎します。また、共同研究者である杉本有造氏とともにコンサルティング業務も行っていますので、お気軽にご相談ください。




ジョセフ・ガブリエラ  博士/MBA
東洋大学
gabriella@toyo.jp
jjapan1802@yahoo.co.jp

「世界のどこでも働ける日本人になろう」

「アメリカ・ビジネスの最前線を切る!」

「Venture Into Japan」

杉本 有造  博士/MBA
IES全米大学連盟・東京センター
(The Institute for the International Education of Students, Tokyo)講師
gpmalibu@yahoo.co.jp

© 2013 Joseph Gabriella, Ph.D., MBA. All rights reserved. 無断複写・転載を禁じます。

フィリップ・コトラー(米国マーケティングの権威)

エレベーターで、MBAの頂点まで、昇りつめましょう!

キー・コンセプトの説明 (連載第2)


 MBA取得を目指している人、あるいはアメリカ人のMBAホルダーと一緒に仕事をしようとしているビジネスパーソンにとっても、エレベータースピーチの発想が強力な武器になります。エレベーターピッチ、あるいはエレベーターステイトメントとも呼ばれます。

 エレベータースピーチとは、以前の掲載でも説明したように、通常30秒、長くても1分で完了するスピーチのことです。スピーチの持ち時間が、エレベーターでオフィスビルの1階から最上階まで行く場合の平均的な所要時間に匹敵するため、こう呼ばれています。エレベータースピーチの考え方は非常に合理的です。最高経営責任者(CEO)や著名人、外交官といった重要人物と、偶然同じエレベーターに乗り合わせる、あるいはどこか別の場所にたまたま居合わせる、その束の間の会話を千載一隅のチャンスととらえるのです。なぜなら、そのような重要人物に約束を取り付けられる保証など、この先まずありえないからです。
 
 ところで、ここにでてくるMBAってご存知ですか。せっかくの機会ですので、今回その概要を説明しておきましょう。MBAとは、「Master of Business Administration」の略です。日本語では「経営学修士号」と訳されます。一般に、MBAは、米国のビジネススクール(経営大学院)で取得します。

 その歴史をひもとくと、1881年にアメリカのペンシルバニア大学ウォートンスクールで始まったのが起源だとされます。その後、MBAプログラムが米国の各大学のビジネススクールで採用されるなかで、「経営を科学的に分析する学問」として定着してきたのです。

 たとえば、誰もが認める名門ハーバード・ビジネススクールは、成功した企業経営を個別に分析し、その分析調査資料を授業のなかで活用し、学生が経営者になったつもりで課題、解決方法を実践的に学ぶケース・スタディ(事例研究)を普及させたことで世界的に有名です。
 
 こうしたビジネススクールで学ぶことは、企業経営に必要とされる全般的な知識です。専門的な知識(たとえばファイナンス、マーケティング、会計学、統計、経済学など)にくわえ、心理学、リーダーシップ論など経営に必要な知識全般をそれぞれ体系的に、同時に相互に関連づけながら学んでいきます。

 ビジネススクールの最大のメリットは、優れた経営者が20年以上の職業経験から得る知見を、極めて短い期間(10ヶ月から2年)で学ぶことです。過去に成功した企業とその経営者を科学的に分析し、それを凝縮して短期間の効率的なプログラムに組み立てています。

 もちろん、凝縮された内容を短期間に学ぶためには、学生も覚悟が必要です。彼らは、平均睡眠時間4時間など、かなりのハードワークを強いられます。そして、学生達は、そうしたハードワークを通じて、ビジネスをいかに効率的に行うか、あるいはいかに仲間とチームを組んで協力するかを実践的に学ぶことも期待されています。

 具体的に学ぶ科目は、経営戦略、ファイナンス、組織行動論、人事戦略、マーケティング、統計学、コンピューター(インターネット)、会計学、経済学、ビジネス法務、プレゼンテーションなどで、経営全般にわたる幅広い知識です。
 
アメリカ企業の多くの経営者や幹部社員がこのMBAを取得しています。もちろん、すべての経営幹部がMBAホルダーというわけではありません。しかし、アメリカのビジネス社会においてキャリアアップを目指す者にとってはMBAを取得していることが強力な武器になることは事実です。

 さて、MBAの概略が理解できたので、次に具体的な技法についてみていきましょう。

MBAに役立つエレベータースピーチは、大きく分けると3種類あります。

1 著名な学者や経営者をテーマにするもの
 ピーター・ドラッカー(Peter Drucker)のような学者や、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)、ジャック・ウェルチ(Jack Welch)のような優れた経営の実践者を紹介するもの。

2 キー・コンセプト
 特定分野の主要な概念、考え方を説明するもの。たとえば、マーケティング分野では、「プロダクトライフサイクル」(product-life cycle)や「4Ps」が典型的な例となります。その分野で活動していれば、必ずといっていいほど話題になるコンセプトです。

3 ケース・スタディ(事例研究)
 一般的に、ある企業を対象にして、一つの分野(例、企業戦略)を分析するもの。もちろん複数の分野から総合的に分析することも可能です。たとえば、ヒト(人的資源)、モノ(物的資源)、カネ(資金)の視点で、企業の戦略を分析することもできます。
 また、人的資源を対象にして、一つの観点(たとえば、リーダーシップ)から分析する場合もあります。ハーバード・ビジネススクールが、ケース・スタディで有名なことは前に説明しました。

 エレベータースピーチを投稿した前回は著名な経営者であるMartha Stewartを話題にしたので、今回はキー・コンセプトの例を紹介します。


Product-life cycle

Like human beings, new products are born, grow into maturity, then gradually decline, eventually dying. The product-life cycle describes aspects of the marketing mix as well as demand and the attributes of the typical customer in each phase of a products life. In the market introduction stage, there is little competition. However, costs are high and volume low, little profit is generated.
As the product grows, economies of scale reduce costs, increasing profits, but the emergence of competitors result in price reductions that pressure profits. In the mature phase, experience and even greater volume typically lead to lower costs, but more intense competition reduces industry-wide profits. Marketing efforts focus on brand differentiation and the provision of features to attract customers. Finally, during the saturation and decline stage, demand for the product sags, leading to prices reductions, and costs related to distribution rise. At this point, many companies discontinue the product, but some skilled marketers like P&G are able to extend the PLC considerably through careful management of the marketing mix and other innovative measures such as line extensions.


日本語では、次のようになります。

プロダクト・ライフサイクル

人間と同じように、新しい製品が誕生し、成長し、成熟し、やがて衰退し、市場から消えていきます。商品の寿命、つまり「プロダクト・ライフサイクル」は、商品の寿命の各段階における需要や典型的な顧客の属性だけでなく、マケティング・ミックスの各様相を説明するものです。製品が市場に「導入」される段階では、競争はほとんど存在しません。しかし、費用が高く、販売量が少ないため、ほとんど利益がでません。製品が「成長」するにしたがい、「規模の経済」によってコストが減少し、利益が増加します。しかし、競合企業の登場によって、価格が減少し利益を圧迫します。「成熟」段階では、「経験」とより大きな販売量によってコストが低下するのが典型的です。しかし、さらに激しい競争が発生し、その産業全体にわたる利益額が低下します。このとき、マーケティン手法としては、ブランドの差別化や顧客を引きつける特徴の付加などに焦点が絞られます。最後に、「飽和」あるいは「衰退」の段階では、製品に対する需要が低下し、それが価格の低下につながります。同時に、流通コストが上昇します。この段階で、多くの企業は、その商品の販売を中止します。しかし、P&G のような熟練したマーケティング能力をもつ企業は、マーケティング・ミックスの慎重な活用や、商品ラインアップの拡大などの革新的手法により、商品のプロダクト・ライフサイクルを大幅に延長することが可能です。

基本的な項目と重要なポイント
ここまで紹介してきたようなMBAのキー・コンセプトをテーマにしたエレーター・スピーチを行う場合、次の点に配慮することが大切です。

【基本な項目】

1.説明する分野を明確したうえで、対象となるキー・コンセプトを導入すれば分かりやすくなります。なぜなら、聴衆が、その分野について持っている既存の知識に関連づけることが容易になるからです。教育心理学の分野では、「カフォルディング」(scaffolding = 足場用材料、仮設台)と呼ばれます。

2.説明する分野の専門用語をなるべく避け、一般の人でも分かる言葉で、キー・コンセプトを説明します。専門用語を使わざるを得ない場合には、その意味を丁寧に分かりやすく説明するように心がけましょう。

3.なぜ、そのキー・コンセプトが重要か、もしくは、なぜそれを紹介しているのか、その理由や背景をはっきり述べます。言いかえれば、「この話を聞いて私にはどんな得があるの?」と考えている聴衆にとって、あなたのスピーチが聴くに値することを説得します。

【重要なポイント】

1.MBAのキー・コンセプト、つまり、用語や概念を説明するのは、科学の門用語の定義を紹介するのに似ているかもしれません。気をつけないと、話がつまらなくなってしまいます。それを防ぐために、面白い説明の仕方など工夫したほうがよいでしょう。この場合、例えば、キー・コンセプトを取り巻く論争、またはその歴史に関係する面白いエピソードを語ると、効果があります。

2.キー・コンセプトを作りだした会社または学者が有名なら、その点を説明したほうがよいでしょう。これも、前述のスカフォルディングになり、キー・コンセプトが聴衆の記憶に残りやすくなります。同様に、関連した事例、専門用語を紹介すると、聴衆はさらに覚えやすくなるでしょう。そうした多角的な説明は、自分でさらに研究したい聴衆にとって、有効な情報源として役立ちます。最後に、ケース・スタディを対象にしたエレベーター・スピーチの例をみておきましょう。スターバックス、コカコーラ、グリーの3社を事例として扱います。

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本ブログの著者ジョセフ・ガブリエラと杉本有造は、両者ともにMBAの保有者であり、英語と日本語の両方でエレベーターピッチを実施する豊富な経験を有しています。くわえて、両者の経験を活かして、ビジネスパーソンに対して、仕事の現場で直ちに活用できるエレベーターピッチの技法について指導しています。エレベータースピーチのテクニックを習得したいと思われている方に、二人の共著『エレベーター・スピーチ入門~アメリカビジネスで成功するためのプレゼンテーション&自己イメージ作りの技法』を読まれることを強くお勧めします。

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このブログは、ジョーが執筆し、皆様にお届け致します。ジョーことジョセフ・ガブリエラは、2000年に来日したアメリカ人。格闘技ファンなら誰でも知てる、K-1ファイターのアンディー・フグ氏にそっくり!

1989年米国ペンシルベニア大学ウォートン・スクールを卒業。その後ペパーダイン大学を皮切りに、イリノイ大学、南フリダ大学を卒業。MBAを含め2つの修士号と博士号を取得しました。日米合弁IT関連企業、スイス系証券会社、米系銀行、そして日系外食企業など幅広い業界の勤務を通して様々なビジネス経験を積みました。趣味は、水泳、読書(村上春樹氏の大ファン!)、ピアノ、そして様々な国の言葉を勉強する事です。ちなみに、2年前から新たに中国語勉強に励んでいます!この記事についてのご質問、感想、また意見を歓迎します。また、共同研究者である杉本有造氏とともにコンサルティング業務も行っていますので、お気軽にご相談ください。




ジョセフ・ガブリエラ  博士/MBA
東洋大学
gabriella@toyo.jp
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「世界のどこでも働ける日本人になろう」

「アメリカ・ビジネスの最前線を切る!」

「Venture Into Japan」

杉本 有造  博士/MBA
IES全米大学連盟・東京センター
(The Institute for the International Education of Students, Tokyo)講師
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