
チーム成功に必要な2種類の「摩擦」管理法
今週の月曜日は特別でした。いつも通り、9時~12時に、大学の研究室で学生の相談・訪問の時間を持ちました。今回、初めて、一人の学生の本格的な相談に乗りました。普段、誰も来ない日が多いし、もしも誰かがくるとしても、授業を欠席したため、前の週の宿題やプリントをもらいにくるケースが多いです。3分に満たない訪問がほとんどです。訪問する学生もあまり楽しそうには見えなく、僕にとっても長く感じる3分です。それは僕が外国人だからなのか。アメリカと異なり、教授の研究室へ行き、個別に相談することが日本では一般的でないためか。僕の学生の殆どが1年生なので、両方が原因かもしれません。
これから今週のような訪問が続くと嬉しいです。僕が学生の質問に答えながら、僕にも閃きがあったからです。さて、学生は一体何を聞いてきたのでしょうか。その質問は意外にも、素朴なものでした。「なぜ、最終プレゼンテーションをチームでやらなければならないのか」と、何か悩んでいるような表情で質問してきました。僕はこう説明しました。「理由はチームの一員としてのコミュニケーション力を養うことにあります。最初の授業で述べたように、コミュニケーションとは言葉だけで成り立つ訳ではありません。非言語的な要素もありますし、人間関係にも密接にかかわっています。その上、これから就職したら、会社で、チームでやることが多くなります。加えて、私生活にも使う機会があります。家族でも一種のチームだと言えるでしょう。」
学生の反応を見ながら、問題の原因が分かりました。それは、「摩擦」でした。それは、僕が以前のブログで紹介したような「生産的で建設的な摩擦」ではなく、質の悪い摩擦でした。彼によれば、現在、メンバーと仲良くしていないし、これからも仲良くするつもりもなく、その結果、一緒に良いプレゼンテーションができないと訴えてきました。僕が会社でチームを率先しているとしたら、まったく違う対応をしたでしょうが、チーム作業の経験がない学生なので、このような問題を想定し次のような方針を決めました。チーム内で、プレゼンテーションをいくつかの部分に分け、それぞれの部分の担当者を決めます。摩擦、またはメンバーの非協力的な態度(欠席)のような理由で、全体として良いプレゼンテーションができなくても、大丈夫だと説明しました。学生が担当している部分の発表について、個別に点数をつけるので。それを知り、彼は納得し微笑みました。
大学では、このような対応が通用しますが、会社ではチームでしかできない仕事が多いので、このような「破壊的な摩擦」に積極的に対応しなければなりません。リンクされる記事がしめすように、60%のチームが失敗します。つまり、期待される結果から外れています。摩擦対応の能力欠如がその唯一の原因ではありません。他にもいくつかがあります。しかし、私の経験では有力な原因です。具体的に言えば、僕が過去8年間指導した3つのチームのうち、2つで破壊的な摩擦が発生しました。調和を重視している日本では摩擦は少ないと思われますが、実はあります。摩擦を嫌がる日本人が多いので、逆に、対応が苦手だと思われます。大部分は、摩擦の無視が多いようです。以前勤めていた証券会社では、二人の優秀な同僚の間で、日々、摩擦が生じました。日本人らしくないのですが、表立って喧嘩したことも珍しくありませんでした。残念ながら、とても日本人らしい部門長は何も対応をせず、2人の対立を無視してしまいました。その結果、その部門の環境に緊張感がみなぎり、喧嘩していた一人がうんざりして転職してしまいました。このような問題にどのように対応したらよいでしょうか。私の考えを以下に紹介します。
1.部長または課長であるかいなかに関係なく、チームを率先する者はチームが自然に踏む段階を説明すべきです。それらが、以下にリンクされるビデオに紹介されるので、参照してください。その二つ目の段階は摩擦が特徴だと強調します。つまり、摩擦は、チーム内で自然に起こるものと説明します。摩擦のないチームは例外的なのです。平和的な日本でも。それを理解していれば、摩擦が実際に生じても、同僚もさほど驚きません。
2.2種類の摩擦をはっきり区別します。建設的な摩擦は問題解決に向いていて、異なった意見の衝突により、より良い結果につながる確率が高いと説明します。従って、そうした摩擦は望ましいし、助長したいです。反対に、破壊的な摩擦のなかでも特に問題なのは、人格を狙っている発言や行動で、その目的が相手に嫌がらせをするものです。この種の摩擦には、我慢しないようにと強調します。
3.もしも、破壊的な摩擦が発生したら、すぐに止めに入って抑制します。二人とも続けたいと思い、感情的になったら、二人とも、グループから出てもらいます。大きな爆発の場合は、チーム全体が感情的になり、不快感を感じる可能性が高いので、必要なら、そこで、休憩を挟んだ方がよいでしょう。
4.対立している二人と個別に会って、話を聞いた後に、三人で、チームとして快適に協力する方法を考えます。
5.話がうまくいかない場合は、社員一人また両方をチームからはずすしかありません。
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以下のビデオがTuckmanという研修者が開発したチーム発展のモデルを紹介します。数多くの観察を通して、チームが進化するに連れて進行する5つの段階を見極めました。ビデオをみながら、それぞれの段階(ステージ)と特徴を書き留めてください。
“Five Stages of Group Development.”
Eunice Parisi-Carew. “Why Teams Fail -- and What to Do About It.” Human Resources Executive Online. November 1, 2011.
Situational-Leadership Model (状況対応型リーダーシップ・モデル)を発明したDr. Kenneth Blanchardが創立した会社の研究者が書いた記事には、チームが失敗するいくつの原因を説明し、その効果的な対応に関する提案をします。それを読み、以下の質問に答えてください。
1. In your experience, which of the listed causes is most common?
2. Which of the suggested strategies do feel would be most effective on your team?
3. Are there any other reasons for failure that you would add?
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本ブログの著者ジョセフ・ガブリエラと杉本有造は、両者ともにMBAの保有者であり、英語と日本語の両方でエレベーターピッチを実施する豊富な経験を有しています。くわえて、両者の経験を活かして、ビジネスパーソンに対して、仕事の現場で直ちに活用できるエレベーターピッチの技法について指導しています。エレベータースピーチのテクニックを習得したいと思われている方に、二人の共著『エレベーター・スピーチ入門~アメリカビジネスで成功するためのプレゼンテーション&自己イメージ作りの技法』を読まれることを強くお勧めします。
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このブログは、ジョーが執筆し、皆様にお届け致します。ジョーことジョセフ・ガブリエラ は、2000年に来日したアメリカ人。格闘技ファンなら誰でも知てる、K-1ファイターのアンディー・フグ氏にそっくり!1989年米国ワートン・スクールを卒業。その後ペパーダイン大学を皮切りに、イリノイ大学、南フリダ大学を卒業。MBAを含め2つの修士号と博士号を取得しました。日米合弁IT関連企業、スイス系証券会社、米系銀行、そして日系外食企業など幅広い業界の勤務を通して様々なビジネス経験を積みました。趣味は、水泳、読書(村上春樹氏の大ファン!)、ピアノ、そして様々な国の言葉を勉強する事です。ちなみに、2年前から新たに中国語勉強に励んでいます!この記事についてのご質問、感想、また意見を歓迎します。また、共同研究者である杉本有造氏とともにコンサルティング業務も行っていますので、お気軽にご相談ください。
また、次のような「アメリカ・ビジネスの最前線を切る!!」をテーマにしたブログも公開しているので、あわせてご一読いただければ幸いです。
「アメリカ・ビジネスの最前線を切る!!」の目的
皆さんのビジネスリーダーとしての知識欲をさらに刺激するために、毎月、2回の頻度で、「アメリカ・ビジネスの最前線」を主な対象にして、「アメリカ・ビジネスでいま何が起こっているのか」「どのような最新技術に注目が集まっているのか」「日本や日本製品はアメリカでどのように評価されているのか」といった点について、アメリカ人としての見解を掲載します。日本のメディアでは、日本人による単一的(あるいは一方的)な見解が主張される傾向が強いように思えます。このブログ記事では、「世界には多様な考えがある」ということを日本の読者に具体的なテーマで知ってもらうことを意識しています。日本や日本人に対する外国人の見解、考え方を知ることで、読者自身の世界観を広げ、最終的にはビジネスチャンスにつなげてもらえればと願っています。とりあげてもらいたい「旬の話題」や建設的なご提案など、お気軽に著者までご連絡いただければ幸いです。
ジョセフ・ガブリエラ 博士/MBA
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