クールジャパンとベストセラー「なぜ『あれ』は流行るのか?」ジョセフ・ガブリエラ | Pepmalibuのブログ

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こんにちは(^-^)このブログでは、アメリカ人と日本人の2人の博士号/MBAホルダーが、世界や日本で起こっている出来事に対する多元的な見方、アメリカの最新ビジネスや最先端の情報テクノロジーなどを紹介しています。どうぞよろしくお願いします!!

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「クール・ジャパン」は世界的にホットな話題になるのか?

イタリア系のアメリカ人の僕は料理の得意な母に恵まれたので、幼いところから、甘やかされています。母が作る「おふくろの味」に勝るものはないと思っているので、イタリア料理をレストランで食べると、よくがっかりしています。だからアメリカ同様、日本にいるときも、イタリア料理を殆ど外食することはありません。でも、例外がひとつあります。

それが明太子のスパゲッティです。いつ、どこで初めて食べたか覚えていません。コンビニのお弁当だったかもしれません。だけど、魚の卵にパスタが意外にも絶妙に合い、最高の味だと思います。もちろん、母は明太子スパゲティを作りません。実は明太子自体、アメリカ人の馴染みの味ではないから、試食したこともありません。だから、母の料理とは比較できませんが、仮に比較できたら、多分、今回は日本の明太子スパゲッティの勝ちになると思います。なぜかというと、明太子スパゲティは本物のイタリア料理ではなく、日本がその真似をし、日本人の好みに合わせている料理だからです。世界のどこの国でも、外国の料理を自分の国の好みに合わせて食べています。

長年、日本で暮らした結果、毎年、アメリカに帰省すると、日本料理を恋しく思います。どうしても食べたくて、もう耐えられなくなると、「一番」というアジア風のバイキングへ行っています。オーナーも社員も中国人なので、中華が中心となっていますが、寿司や刺身もあるし、味噌汁もあります。満足できる味だとはいえ、やっぱり本物ではありません。寿司のご飯はみりんの味が薄いし、味噌汁も濃くありません。また、日本にない寿司の種類、例えば、クリーム・チーズ味もあります。好みが純粋の日本人に近づいている僕は、こういう味があまり好きではありませんが、アメリカ人の間では大人気だそうです。

先日、アベノミクスの「第三の矢」である成長戦略の一環になっているクール・ジャパンについての記事を読んだときに、バイキングの「一番」を思い出しました。具体的に言えば、「このレストランのように、クール・ジャパンは成功するかな」と思いました。日本政府と企業は、クール・ジャパンを促進するための官民ファンドを立ち上げ、既に、運用しています。成功事例もあります。パルコは2013年2~3月、シンガポールで、日本と現地のファッションブランドを集めた期間限定のストアを開きました。それを運営した17日間で、目指していた5000人の来客数を大幅に上回り、約5万人の来訪者を受け入れました。でも、この事例は日本と文化が似ているアジアなので成功したのかもしれません。したがって、欧州や米国または南米でも通用するかどうかは分かりません。特に、そのイベントで促進しようとした日本文化や食事は、日本の独自のものだからです。漫画のように、特定の年齢層で、マニアのような人々だけしか受け入れられない可能性があります。つまり、一般市民の中で人気を集めるかどうか分かりません。

これをきっかけに、次のことを考えました。「そもそもどのような商品が急に流行るか」、そして「逆に、失敗に終わるか」を予想する方法はあるのだろうか?「バイラル」になった(go viralで、インターネットで、急速に口コミが伝播するという意味)現象を検討すると、とても面白いものもありますし、愚かなものもあります。この2種類の間に何か共通点があるのでしょうか。

ウォートン・スクール(名門米国のペンシルベニヤ大学のビジネス・スクール)の教授Jonah Bergerによると、「何が流行るのか」を見極める方法があります。2013年3月に出版されて、ニューヨーク・タイムズ紙にもベストセラーとして採り上げられた「Contagious: Why Things Catch On」で、Berger教授がどのようなものが流行り得るかを予想する6つの原則を紹介します。僕はまだ読んでいませんが、6つの原則のそれぞれを説明するBerger氏が作成したビデオをリンクしました。ビデオを見れば、6つの原則が大まかに理解できますが、マーケティングが専門のBerger氏はその内容を部分的に省略するので、本を買わなければ、完全に理解できません。この本の翻訳が、「なぜ『あれ』は流行るのか?」(日本経済新聞出版)というタイトルで発売されています。クール・ジャパンの推進論者はいうにおよばず、革新的な考えや商品を浸透させたい方にとって必読の書だと思います。







STEPPSの原則

Principle 1 – Social Currency ソーシャル・カレンシー(他人に自慢できること、他人にスゴイと思わせること)。ソーシャルカレンシー(社会的な通貨の意)という概念をとりあげ、人に自慢できるような内容であることが重要。



"Principle #1 of crafting contagious content: Social Currency "
アメーバ



Principle 2 – Triggers トリガー(関連事項を思い出させる刺激要素)。人々がその商品について思い出すきっかけを用意することの重要。




"Principle #2 of crafting contagious content: Triggers"
http://www.youtube.com/watch?v=US2NlGxLRJA



Principle 3 – Emotion  感情。人の心の奥底にある感情を呼び起こすような内容であること。




"Principle #3 of crafting contagious content: Emotion"
http://www.youtube.com/watch?v=y0Knyuj-qII



Principle 4 – Public 人の目に触れる。人は、眼に触れると真似をする。だから、なるべく、人の目に触れるように工夫することが重要。




"Principle #4 of crafting contagious content: Public"
http://www.youtube.com/watch?v=tkdEji_x4WA



Principle 5 - Practical Value 実用的な価値。実用的な価値があると、人は情報をシェアしたくなる。





"Principle #5 of crafting contagious content: Practical Value"
http://www.youtube.com/watch?v=O6Mwd5TC3Pg


Principle 6 – Stories  物語/ストーリー。人々が、話したくなるようなストーリーのなかに商品を組み込むような工夫が必要。





"Principle #6 of crafting contagious content: Stories"
http://www.youtube.com/watch?v=uI6duOQtdK8





英語塾

Michiko Kakutani. “Mapping Out the Path to Viral Fame: Contagious: Why Things Catch On.” The New York Times. February 25, 2013.
http://www.nytimes.com/2013/02/26/books/contagious-why-things-catch-on-by-jonah-berger.html


リンクされる記事がアメリカ生まれ育ちの日系人カクタニ・ミチコが執筆したContagiousの書評です。父が数学の教授だった名門エール大学を卒業してから、記者としてWashington Postで働き、そこからTime雑誌に転職し、1979年からThe New York Timesの記者を務めています。1983年以来、同紙の文芸評論家に従事しています。彼女は米国内で最も影響力をもつ書評家のひとりで、1998年にはピューリッツァー賞(批評部門)を受賞しています。強いフェミニスト(男女同権主義者)として知られているカクタニは厳しい書評でも有名です。Contagiousをめぐる彼女の書評を読んで、次の質問に答えてください。


Questions

1. What is Kakutani’s evaluation of Contagious? Do you agree with her opinion? Why or why not?

2. To whose earlier works does Kakutani compare Contagious?

3. What are the characteristics of sticky products as Kakutani describes them?

4. According to Berger’s study of the most-emailed articles in the New York Times, why do science articles tend to go viral?

5. What part of Contagious does Kakutani consider the most interesting?





<推薦図書>
本ブログの著者ジョセフ・ガブリエラと杉本有造は、両者ともにMBAの保有者であり、英語と日本語の両方でエレベーターピッチを実施する豊富な経験を有しています。くわえて、両者の経験を活かして、ビジネスパーソンに対して、仕事の現場で直ちに活用できるエレベーターピッチの技法について指導しています。エレベータースピーチのテクニックを習得したいと思われている方に、二人の共著『エレベーター・スピーチ入門~アメリカビジネスで成功するためのプレゼンテーション&自己イメージ作りの技法』を読まれることを強くお勧めします。

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また、グローバルコミュニケーション能力の養成にご興味のある方は、我々が実施している研修にもご興味をもつと思います。研修の詳細は以下のリンクをご確認ください。

「アメリカ・ビジネスの最前線を切る!!」の目的
皆さんのビジネスリーダーとしての知識欲をさらに刺激するために、毎月、2回の頻度で、「アメリカ・ビジネスの最前線」を主な対象にして、「アメリカ・ビジネスでいま何が起こっているのか」「どのような最新技術に注目が集まっているのか」「日本や日本製品はアメリカでどのように評価されているのか」といった点について、アメリカ人としての見解を掲載します。日本のメディアでは、日本人による単一的(あるいは一方的)な見解が主張される傾向が強いように思えます。このブログ記事では、「世界には多様な考えがある」ということを日本の読者に具体的なテーマで知ってもらうことを意識しています。日本や日本人に対する外国人の見解、考え方を知ることで、読者自身の世界観を広げ、最終的にはビジネスチャンスにつなげてもらえればと願っています。とりあげてもらいたい「旬の話題」や建設的なご提案など、お気軽に著者までご連絡いただければ幸いです。

ジョセフ・ガブリエラ  博士/MBA
東洋大学
gabriella@toyo.jp
jjapan1802@yahoo.co.jp

「世界のどこでも働ける日本人になろう」

「アメリカ・ビジネスの最前線を切る!」

「Venture Into Japan」

杉本 有造  博士/MBA
IES全米大学連盟・東京センター
(The Institute for the International Education of Students, Tokyo)講師
gpmalibu@yahoo.co.jp

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