私自身は広島へ行った事も無く、被爆者の語り部の方から話を聞いた事も無い。
小学生の頃に
「はだしのゲン」
と言う漫画を読んで、初めて原爆の恐ろしさを知った。
逆に、異界の住人は学生の頃広島に住んでいて、
学校で事あるごとに原爆の事について教えられていた様子。
被爆者の語り部の方のから、直接話を聞く機会もあった様だが・・・。
以前、異界の住人が原爆について語っていた。
と。
被爆者の年寄りが学校へ来て、原爆の状況を話したけど逆に引いたね。
あんなに感情的になって涙したり。
あいつら、被害者意識が強すぎるんだよ。
戦争で人が死ぬのは仕方がない事だ。
それが、普通の爆弾で死んだか原爆で死んだかだけの違いなのに、
何であいつらはあんなに自分が一番の被害者だって言うわけ?」
確かに、戦争の大局から見て、原爆投下が終戦を早め、戦争被害があれ以上拡大するのを防いだとも言える。
戦争で亡くなった人から見れば、それが普通の爆弾で死のうが原爆で死のうが死んだ事には変わりない訳で。
死の原因がどちらなのかで、その悲惨さに優劣が付く訳ではない事もわかっているけれど・・。
それでも尚、人々が原爆を特別視して異を唱えるのは、
その桁外れな威力と。
即死を免れた人達のあまりにも悲惨な状態。
そして、生き残ってもなお体を蝕む放射線の影響。
被爆した本人ばかりでなく、遺伝子をも傷つけ、子孫にまで影響が出る可能性がある恐怖の力。
そして、原爆で汚染された土地が元の様に浄化されるには気の遠くなる様な年月が・・・。
日本は、唯一原爆の恐ろしさ、悲惨さを経験した国。
世界の人々はその凄まじさに不安と恐怖を覚えたに違いない。
この先、こんな兵器が戦争の度に頻繁に使われる事になれば
人類の破滅・地球の破滅に向かうだろうと。
この世から戦争が無くなるのが一番良い事だが、
それぞれの国に利害がある限り、なかなか簡単にはいかないのだろう。
戦争が避けられない事なのなら、
せめてあの様な地球規模に被害が出る、子孫にまで被害が出る様な悲惨な破壊兵器の使用は避けるべきだと、人々は声を上げているのだと思う。
他のどの国とも共有する事がない体験をした日本。
この悲惨な記憶は、自分達が語り継がなくては、過去のものとして忘れ去られてしまう。
原爆被害者の人達は、同じ様な苦しみ・悲しみを
もう他の人に味わって欲しくない、自分達で最後にして欲しいという思いから
語り部として原爆を知らない人々に語りかけているのだろう。
ただ単に、被害者意識だけで物を言っているのではないと思うのだけれど・・・。
本来なら、悲惨な記憶を時間の経過とともに心の奥底に沈めてしまえば楽になれるのに。
それを敢えて、
「後世へ伝える」
という使命感で自ら辛い記憶を掘り起こし、薄れる記憶をわざわざ何度も繰り返し思い出し続けて・・・。
「原爆の日」
と言う言葉の中には、そこに繋がる人達の心・人生までもが込められていると感じている。
人にはそれぞれいろいろな考えがある。
異界の住人の考えが悪いと言う事ではないが、
せめて、その裏ではたくさんの人達が苦しんだと言う事に思いを巡らせ、その言葉に配慮をして欲しかった。
異界の住人は、広島時代にしつこいほど教師から被爆被害について教育を受け、反発心を抱いた様子。
見知らぬ年寄りが涙ながらに学校で語っていた事も不愉快だった様で、その話から原爆の悲惨さを想像し、共感する事は出来なかったらしい。
他の学校より原爆被害について教育を受けていても、
異界の住人の様な特性を持つと、全くと言っていいほど役に立っていない。
相手のことを想像する・気持ちを共有する事ができない異界の住人。
本を読む・話を聞くだけでは状況を理解することが難しいのだろう。
彼には、直接脳へイメージを伝えないと理解がしにくいのかも知れない。
最新のVR技術を使って、特性持ちの人用に(一般の人はそこまでしなくても想像できるから必要ないかも)ダイレクトに実体験させれば(トラウマになるかもしれないが)理解する事が出来るのではないかと思う。
特性を持つ人は優秀な人が多く、国の上層部にいる人も多いだろう。
上に立つ人は、一度VRでの戦争を経験し、軽々しく戦争を行えない様な記憶を持ってもらえば、世界平和への道も開かれるのではないかと思った。