長男も最初は嫌々免許を取りに行ってたけど、結局取って良かったんだ。」
私と次男は顔を見合わせてしまった。
食事後、異界の住人が自室へ引きこもってから、
それで、早く自分で運転してあちこち出かけたかったの。
自動車学校が歩いていける位の所にあるにもかかわらず、大学生協の割引で安くなる離れた自動車学校に行かなくちゃいけなかったから面倒臭がっていただけだよ。」
異界の住人は、こんな事でさえ認識のズレがある。
誰がどう見ても、長男は免許を取るのを嫌がっているどころか、さっさと取りたがっていた。
長男の性格から言って、自分の行動範囲を広げるためにはズンズン突き進みたがるのはわかっているはずだ。

一体、長男の何を見ていたのだろう?
自動車学校の話も、長男から少しは聞いていたはずでしょう?
長男は嬉しそうに、楽しそうに話していたじゃない?
何がどうなったら嫌々行っていた事になるんだろう?
長男の様子を、どうしたらそんなふうに歪めて捉える事ができるんだろう?
事実と違う事を、さも本当であるかの様に記憶のすり替えをして、それを当然のごとく次男に話し同意を求める。
さすがに次男もおかしい事に気付いたようだが、面倒なので反論せず無視している。
異界の住人は、眼に入った事、耳に入った事が頭の中ですりかわり、全く別の意味を持つ物に変わってしまうのか、
それとも人の心の定義が、私達の定義とちがうのか。
または、思っている事・感じた事が口から出るタイミングで違う言葉になっているのか・・・。
いずれにしても、私達とズレた認識であるのは間違いない。
こんなにわかりやすい場面でさえ・・・。